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第2章 剣を振るう理由
36.戦闘報告
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野外訓練は中断
私たちは岐路に着くことになった。
幸い、死者は出なかった。
来た時と同じように私にはたくさんの視線が向けられ、針の筵状態だった。ただ、来た時とは違い誰も何も発さなかった。
◇◇◇
「疲れているところ申し訳ない」
「いいえ」
先に早馬で報告を受けていた騎士団団長ユニアスに着いて早々呼び出された。アレックも一緒に。
「サンダーバードの討伐ご苦労。あなたがいなければこの程度の損害では済まなかっただろう。死人が出ていたっておかしくはなかった」
敢えてユニアスは言わなかったけど最悪、死人が出ていてもおかしくはなかったのだ。
「ところで、サンダーバードの討伐に君はゴムの木の葉を使ったそうだね。どうしてかな?」
なぜゴムの木の葉が雷を通さないと知っていたのかとユニアスは聞いている。
素直に前世の話やらチートの話やらするわけにはいかないから何とか誤魔化せないかと帰り道でいろいろ考えたけど何もいい案が浮かばなかったんだよね。疲れもあるせいか、もうなるようになれと最終的に投げやりになってしまった。
実際に問いかけられて今はそのことを後悔している。後悔したからって何か妙案が浮かぶかと言われればそうでもないのだけど。
「好奇心旺盛な性格なので本を読んだり、自分でいろいろ試したりしていたのでそれで偶然」
「‥…そうか」
あれ?
あっさり信じた?
それとも深く追求してないだけ?
どっち?
ユニアスの真意を探ろうにもさすがは騎士団団長。さすがは攻略対象者。優秀だね。完璧なまでのポーカーフェイス。何を考えているか全く分からない。
「アレック、報告を受けている君の行動を察するに君は先に彼女から作戦の概要を聞いていたようだね」
「はい」
「勝算はあったのか?」
「ゴムの木の葉が雷を通さないというのは知りませんでした。しかし、彼女はあのような場で確証もないことをできると自分に言うような人ではないので彼女の指示通りに動けば勝てると判断しました」
「ふむ」と考えてユニアスは更に質問を続ける。
「なぜアレックのみに作戦を?勝算を上げるためには他の騎士たちにも協力をしてもらうべきだろう」
責めているわけではない。現状を確認するための質問だろう。
「お言葉ですが、私やレイファ以外の同期はパニックになりかけていました。レイファの指示通りに動ける者はいなかったかと。それに先輩騎士たちは全員、戦闘中でしたから下手に話しかけて気を逸らせてしまうのは却って危険です。以上の判断から自分とレイファのみで動きました」
「そうか。実戦が初めての騎士たちばかりではパニックになるのは仕方のないことだ。そんな中、よく冷静に判断して行動してくれた。今回は素晴らしい働きだった。もう戻って良いぞ」
私たちは一礼して退出をした。
部屋を出る前にユニアスから「騎士団で何か困っていることはないか」と聞かれた。
ユニアスの耳にも入っているのだろう。私が騎士からよく思われていないことを。もしかしたら私は止めさせろと嘆願書も届いているかもしれない。でもここで彼に泣きつくのは間違いだし、分かっていて私は騎士団の訓練に参加させてもらっている。だから「ない」と答えた。
ユニアスはそれ以上何も聞いてこなかった。
私たちは岐路に着くことになった。
幸い、死者は出なかった。
来た時と同じように私にはたくさんの視線が向けられ、針の筵状態だった。ただ、来た時とは違い誰も何も発さなかった。
◇◇◇
「疲れているところ申し訳ない」
「いいえ」
先に早馬で報告を受けていた騎士団団長ユニアスに着いて早々呼び出された。アレックも一緒に。
「サンダーバードの討伐ご苦労。あなたがいなければこの程度の損害では済まなかっただろう。死人が出ていたっておかしくはなかった」
敢えてユニアスは言わなかったけど最悪、死人が出ていてもおかしくはなかったのだ。
「ところで、サンダーバードの討伐に君はゴムの木の葉を使ったそうだね。どうしてかな?」
なぜゴムの木の葉が雷を通さないと知っていたのかとユニアスは聞いている。
素直に前世の話やらチートの話やらするわけにはいかないから何とか誤魔化せないかと帰り道でいろいろ考えたけど何もいい案が浮かばなかったんだよね。疲れもあるせいか、もうなるようになれと最終的に投げやりになってしまった。
実際に問いかけられて今はそのことを後悔している。後悔したからって何か妙案が浮かぶかと言われればそうでもないのだけど。
「好奇心旺盛な性格なので本を読んだり、自分でいろいろ試したりしていたのでそれで偶然」
「‥…そうか」
あれ?
あっさり信じた?
それとも深く追求してないだけ?
どっち?
ユニアスの真意を探ろうにもさすがは騎士団団長。さすがは攻略対象者。優秀だね。完璧なまでのポーカーフェイス。何を考えているか全く分からない。
「アレック、報告を受けている君の行動を察するに君は先に彼女から作戦の概要を聞いていたようだね」
「はい」
「勝算はあったのか?」
「ゴムの木の葉が雷を通さないというのは知りませんでした。しかし、彼女はあのような場で確証もないことをできると自分に言うような人ではないので彼女の指示通りに動けば勝てると判断しました」
「ふむ」と考えてユニアスは更に質問を続ける。
「なぜアレックのみに作戦を?勝算を上げるためには他の騎士たちにも協力をしてもらうべきだろう」
責めているわけではない。現状を確認するための質問だろう。
「お言葉ですが、私やレイファ以外の同期はパニックになりかけていました。レイファの指示通りに動ける者はいなかったかと。それに先輩騎士たちは全員、戦闘中でしたから下手に話しかけて気を逸らせてしまうのは却って危険です。以上の判断から自分とレイファのみで動きました」
「そうか。実戦が初めての騎士たちばかりではパニックになるのは仕方のないことだ。そんな中、よく冷静に判断して行動してくれた。今回は素晴らしい働きだった。もう戻って良いぞ」
私たちは一礼して退出をした。
部屋を出る前にユニアスから「騎士団で何か困っていることはないか」と聞かれた。
ユニアスの耳にも入っているのだろう。私が騎士からよく思われていないことを。もしかしたら私は止めさせろと嘆願書も届いているかもしれない。でもここで彼に泣きつくのは間違いだし、分かっていて私は騎士団の訓練に参加させてもらっている。だから「ない」と答えた。
ユニアスはそれ以上何も聞いてこなかった。
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