36 / 63
第2章 剣を振るう理由
35.サンダーバード討伐
しおりを挟む
「何でこんな所に」
さっきまで晴天だったのに、今は暗雲が立ち込めている。
雷鳴が轟き、人間を目掛けて稲妻が落ちる。その度に新米騎士たちはパニックになり逃げまどう。
「落ち着けっ!新人どもを中心に戦闘態勢に入れっ!」
先輩騎士たちはすぐに最前列に立ち、剣を構える。
新人の騎士は先輩に守られるように囲まれていた。
「サンダーバード」
「初めて見る。人間には友好的だと聞いたけど」
私とアレックは頭上を旋回するサンダーバードを見る。
電気を纏い、自身も雷のように光っている強大な鳥は明らかにこちらに敵意を向けている。
「どう見ても握手をしに来たわけではなさそうよ。そもそもこんな森の入り口に居ること自体があり得ない」
人前に姿を現すことのないサンダーバードは森の最深部に生息している。
「そう言えば、最近は魔物の密猟が多くて騎士団が取りまりを強化するって先輩騎士たちが話しているのを聞いた」
アレックの話が本当ならこのサンダーバードが人間に襲われたかあるいは子供、番のどちらかが襲われて人間に対して恨みを持っているのかもしれない。
理由は分からないけど今はそれどころではない。
サンダーバードを倒すには戦力不足だ。
私は何とかサンダーバードを追い払おうとしている先輩騎士たちを見る。
ただでさえ、飛べない人間が空を飛ぶ魔物を討伐するのは苦戦を強いられるのにそれがサンダーバードだ。先輩騎士たちは空を飛ぶ巨大な魔物に傷一つつけることはできていない。それどころか地面抉るように放たれる稲妻を避けるので精いっぱい。
「うわぁっ」
稲妻を避けた時に態勢を崩した騎士を見逃さずサンダーバードが襲う。彼の腕をサンダーバードの鋭い爪が襲った。利き手だ。出血量も激しい。彼にこれ以上の戦闘をするのは無理だろう。ただでさえ少ない戦闘力が少しずつ、けれど確実に削られていく。
素人目にもこの戦いが不利なこと、そう時間がかからずにこちらの負けが決まることが分かる。
訓練ばかりで戦闘など経験したことがない新米騎士たちにも動揺が広がる。
「まずいな。パニックになりかけている」
ガヤガヤする後ろに視線を向けながらアレックは呟く。
何とかサンダーバードを地面に落とせたら良いんだけど。下手に触ると感電死するしな。
この世界にゴムなんてないし‥‥‥まてよ。ゴムはないけどゴムの木はある。確か、あの木の葉って日本にあったゴムと同じ繊維だったよね。植物に関する本は一通り目にした。日本の知識が役に立てるようにチート能力の一つで私には日本と同じ性質を持つものが一目で分かるのだ。
しかもゴムの木の葉はかなり大きかった。それこそ布団にできるぐらいには。
私は周囲に視線を巡らせる。
あった!
「アレック、サンダーバードの攻略方法を見つけた。私がサンダーバードを地面に落とす」
「どうやって?」
「ゴムの木の葉を使う」
あんなものが何の役に立つという顔をしているけど先輩騎士が次々にやられている中、説明をしている暇はない。
「サンダーバードを地面に落とすことはできるけど、すぐに飛ぼうとするはずだから」
「羽を斬って、飛ぶのを防ぐ。そこから確実に仕留める」
アレックも現状は理解できているのでそれ以上の説明は求めて来なかった。有難いことだ。
私はサンダーバードに視線を向ける。運よく、サンダーバードはゴムの木の近くを飛んでいる。私はサンダーバーに気づかれないようにゴムの木まで走る。手の届くところにある葉を斬って、掴む。
ゴムの木に登って後はこっそりと練習していた魔法。まだ、殆ど使えないけど。剣術を習いだしてから身体強化系の魔法は早めに習得しておいたのだ。
脚力を強化してサンダーバードの上までジャンプをする。
「何をしているんだっ!」
「邪魔をするな」
「死にたいのか」
とか下がガヤガヤうるさいけどジャンプした後ではもう引き返せない。引き返すこともできない。
私は感電しないようにゴムの木の葉を下にして上手くサンダーバードの上に着地した。着地できたと同時に剣でサンダーバードを突き刺し、魔法で重力をかけてサンダーバードを地面に落とす。
あたかも着地した勢いで落としているかのように見せる為に。
ゴムの木の葉はやはり電気を通さなかった。そして、サンダーバードは地面に落下。すぐに近くまで来ていたアレックがサンダーバードの羽を斬り落とす。これでもう飛べない。そして次にサンダーバードの首を斬り落とした。
サンダーバードの討伐成功だ。
さっきまで晴天だったのに、今は暗雲が立ち込めている。
雷鳴が轟き、人間を目掛けて稲妻が落ちる。その度に新米騎士たちはパニックになり逃げまどう。
「落ち着けっ!新人どもを中心に戦闘態勢に入れっ!」
先輩騎士たちはすぐに最前列に立ち、剣を構える。
新人の騎士は先輩に守られるように囲まれていた。
「サンダーバード」
「初めて見る。人間には友好的だと聞いたけど」
私とアレックは頭上を旋回するサンダーバードを見る。
電気を纏い、自身も雷のように光っている強大な鳥は明らかにこちらに敵意を向けている。
「どう見ても握手をしに来たわけではなさそうよ。そもそもこんな森の入り口に居ること自体があり得ない」
人前に姿を現すことのないサンダーバードは森の最深部に生息している。
「そう言えば、最近は魔物の密猟が多くて騎士団が取りまりを強化するって先輩騎士たちが話しているのを聞いた」
アレックの話が本当ならこのサンダーバードが人間に襲われたかあるいは子供、番のどちらかが襲われて人間に対して恨みを持っているのかもしれない。
理由は分からないけど今はそれどころではない。
サンダーバードを倒すには戦力不足だ。
私は何とかサンダーバードを追い払おうとしている先輩騎士たちを見る。
ただでさえ、飛べない人間が空を飛ぶ魔物を討伐するのは苦戦を強いられるのにそれがサンダーバードだ。先輩騎士たちは空を飛ぶ巨大な魔物に傷一つつけることはできていない。それどころか地面抉るように放たれる稲妻を避けるので精いっぱい。
「うわぁっ」
稲妻を避けた時に態勢を崩した騎士を見逃さずサンダーバードが襲う。彼の腕をサンダーバードの鋭い爪が襲った。利き手だ。出血量も激しい。彼にこれ以上の戦闘をするのは無理だろう。ただでさえ少ない戦闘力が少しずつ、けれど確実に削られていく。
素人目にもこの戦いが不利なこと、そう時間がかからずにこちらの負けが決まることが分かる。
訓練ばかりで戦闘など経験したことがない新米騎士たちにも動揺が広がる。
「まずいな。パニックになりかけている」
ガヤガヤする後ろに視線を向けながらアレックは呟く。
何とかサンダーバードを地面に落とせたら良いんだけど。下手に触ると感電死するしな。
この世界にゴムなんてないし‥‥‥まてよ。ゴムはないけどゴムの木はある。確か、あの木の葉って日本にあったゴムと同じ繊維だったよね。植物に関する本は一通り目にした。日本の知識が役に立てるようにチート能力の一つで私には日本と同じ性質を持つものが一目で分かるのだ。
しかもゴムの木の葉はかなり大きかった。それこそ布団にできるぐらいには。
私は周囲に視線を巡らせる。
あった!
「アレック、サンダーバードの攻略方法を見つけた。私がサンダーバードを地面に落とす」
「どうやって?」
「ゴムの木の葉を使う」
あんなものが何の役に立つという顔をしているけど先輩騎士が次々にやられている中、説明をしている暇はない。
「サンダーバードを地面に落とすことはできるけど、すぐに飛ぼうとするはずだから」
「羽を斬って、飛ぶのを防ぐ。そこから確実に仕留める」
アレックも現状は理解できているのでそれ以上の説明は求めて来なかった。有難いことだ。
私はサンダーバードに視線を向ける。運よく、サンダーバードはゴムの木の近くを飛んでいる。私はサンダーバーに気づかれないようにゴムの木まで走る。手の届くところにある葉を斬って、掴む。
ゴムの木に登って後はこっそりと練習していた魔法。まだ、殆ど使えないけど。剣術を習いだしてから身体強化系の魔法は早めに習得しておいたのだ。
脚力を強化してサンダーバードの上までジャンプをする。
「何をしているんだっ!」
「邪魔をするな」
「死にたいのか」
とか下がガヤガヤうるさいけどジャンプした後ではもう引き返せない。引き返すこともできない。
私は感電しないようにゴムの木の葉を下にして上手くサンダーバードの上に着地した。着地できたと同時に剣でサンダーバードを突き刺し、魔法で重力をかけてサンダーバードを地面に落とす。
あたかも着地した勢いで落としているかのように見せる為に。
ゴムの木の葉はやはり電気を通さなかった。そして、サンダーバードは地面に落下。すぐに近くまで来ていたアレックがサンダーバードの羽を斬り落とす。これでもう飛べない。そして次にサンダーバードの首を斬り落とした。
サンダーバードの討伐成功だ。
280
あなたにおすすめの小説
【完結】子育ては難しい~廃嫡した息子が想像の斜め上にアホだった件~
つくも茄子
ファンタジー
リオン王国には、バークロッド公爵家、アーガイル公爵家、ミルトン公爵家の三大公爵家が存在する。
三年前に起きたとある事件によって多くの貴族子息が表舞台から姿を消した。
各家の方針に従った結果である。
その事件の主犯格の一人であるバークロッド公爵家の嫡男は、身分を剥奪され、市井へと放り出されていた。
親のであるバークロッド公爵は断腸の思いで決行したのだが、とうの本人は暢気なもので、「しばらくの辛抱だろう。ほとぼりが冷めれば元に戻る。父親たちの機嫌も直る」などと考えていた。
よりにもよって、元実家に来る始末だ。
縁切りの意味が理解できていない元息子に、バークロッド公爵は頭を抱えた。
頭は良いはずの元息子は、致命的なまでに想像力が乏しかった。
悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?
榎夜
恋愛
私は『花の王子様』という乙女ゲームに転生した
しかも、悪役令嬢に。
いや、私の推しってさ、隠しキャラなのよね。
だから勝手にイチャついてて欲しいんだけど......
※題名変えました。なんか話と合ってないよねってずっと思ってて
才能が開花した瞬間、婚約を破棄されました。ついでに実家も追放されました。
キョウキョウ
恋愛
ヴァーレンティア子爵家の令嬢エリアナは、一般人の半分以下という致命的な魔力不足に悩んでいた。伯爵家の跡取りである婚約者ヴィクターからは日々厳しく責められ、自分の価値を見出せずにいた。
そんな彼女が、厳しい指導を乗り越えて伝説の「古代魔法」の習得に成功した。100年以上前から使い手が現れていない、全ての魔法の根源とされる究極の力。喜び勇んで婚約者に報告しようとしたその瞬間――
「君との婚約を破棄することが決まった」
皮肉にも、人生最高の瞬間が人生最悪の瞬間と重なってしまう。さらに実家からは除籍処分を言い渡され、身一つで屋敷から追い出される。すべてを失ったエリアナ。
だけど、彼女には頼れる師匠がいた。世界最高峰の魔法使いソリウスと共に旅立つことにしたエリアナは、古代魔法の力で次々と困難を解決し、やがて大きな名声を獲得していく。
一方、エリアナを捨てた元婚約者ヴィクターと実家は、不運が重なる厳しい現実に直面する。エリアナの大活躍を知った時には、すべてが手遅れだった。
真の実力と愛を手に入れたエリアナは、もう振り返る理由はない。
これは、自分の価値を理解してくれない者たちを結果的に見返し、厳しい時期に寄り添ってくれた人と幸せを掴む物語。
《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!
皇子(みこ)
恋愛
辺境の地でのんびり?過ごして居たのに、王都の舞踏会に参加なんて!あんな奴等のいる所なんて、ぜーたいに行きません!でブスなんて言われた幼少時の記憶は忘れないー!
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
追放即死と思ったら転生して最強薬師、元家族に天罰を
タマ マコト
ファンタジー
名門薬師一族に生まれたエリシアは、才能なしと蔑まれ、家名を守るために追放される。
だがそれは建前で、彼女の異質な才能を恐れた家族による処刑だった。
雨の夜、毒を盛られ十七歳で命を落とした彼女は、同じ世界の片隅で赤子として転生する。
血の繋がらない治療師たちに拾われ、前世の記憶と復讐心を胸に抱いたまま、
“最強薬師”としての二度目の人生が静かに始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる