14 / 177
第13話 政治にかかわる特別な存在
しおりを挟む
なるほど。柚吏は政治にかかわる特別な人材だから、自我を封じ込められようとしているのか。
まぁ、自我の柚吏は政治には不向きそうだもんね…。
それにこれまでの経験から、政治の世界で仕事をするなら自我なんか持っていないほうがよっぽどラクなんじゃないかと思うこともある。
政治の世界は出る杭は打たれるの典型的な業界。
これまでに政治界の上層部たちから自我を封じ込められたり、自ら望んで自我を封じ込めたりした政治家をたくさん見てきたけど、正しいことをしようとしている人ほど息苦しいっていう感じだった。
そういう汚い政治界と忍者協会がズブズブの関係で、忍者の仕事が職権濫用や賄賂といった汚職の手助けにつながっていることは否めない。
私がやらなくても誰かがやるわけだし、おじぃちゃんのお金のこととかもあったらからいままでは業務としてやってきたけど、そういうところも忍者の仕事が好きになれない大きな要因。
「末明?おい、大丈夫か?」
そんなふうに声をかけられ、ハッと我に返る。
そうそう、私は柚吏と高校の裏庭で話してたんだった。
つい、自我について深く考えてしまったよ。
私みたいなペーペー忍者が何を考えたところで何も変わらないのにね。
そう、今回もただ、任務を全うするだけ。
「柚吏、あんたのせいで頭痛がするの。これから先のことを考えたら、本当に頭痛い。さ、ジュースも飲んだし、そろそろ教室へ戻ってもらうよ?」
教室へ戻るにはいい頃合いだと思ったのに、柚吏は違っていたみたい。
「は?まさかだろ?せっかく自我が覚醒したんだ。当然ほかにもやることあるだろ?」
柚吏は満面の笑みを浮かべてそう言った。
まぁ、自我の柚吏は政治には不向きそうだもんね…。
それにこれまでの経験から、政治の世界で仕事をするなら自我なんか持っていないほうがよっぽどラクなんじゃないかと思うこともある。
政治の世界は出る杭は打たれるの典型的な業界。
これまでに政治界の上層部たちから自我を封じ込められたり、自ら望んで自我を封じ込めたりした政治家をたくさん見てきたけど、正しいことをしようとしている人ほど息苦しいっていう感じだった。
そういう汚い政治界と忍者協会がズブズブの関係で、忍者の仕事が職権濫用や賄賂といった汚職の手助けにつながっていることは否めない。
私がやらなくても誰かがやるわけだし、おじぃちゃんのお金のこととかもあったらからいままでは業務としてやってきたけど、そういうところも忍者の仕事が好きになれない大きな要因。
「末明?おい、大丈夫か?」
そんなふうに声をかけられ、ハッと我に返る。
そうそう、私は柚吏と高校の裏庭で話してたんだった。
つい、自我について深く考えてしまったよ。
私みたいなペーペー忍者が何を考えたところで何も変わらないのにね。
そう、今回もただ、任務を全うするだけ。
「柚吏、あんたのせいで頭痛がするの。これから先のことを考えたら、本当に頭痛い。さ、ジュースも飲んだし、そろそろ教室へ戻ってもらうよ?」
教室へ戻るにはいい頃合いだと思ったのに、柚吏は違っていたみたい。
「は?まさかだろ?せっかく自我が覚醒したんだ。当然ほかにもやることあるだろ?」
柚吏は満面の笑みを浮かべてそう言った。
4
あなたにおすすめの小説
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
未来スコープ ―キスした相手がわからないって、どういうこと!?―
米田悠由
児童書・童話
「あのね、すごいもの見つけちゃったの!」
平凡な女子高生・月島彩奈が偶然手にした謎の道具「未来スコープ」。
それは、未来を“見る”だけでなく、“課題を通して導く”装置だった。
恋の予感、見知らぬ男子とのキス、そして次々に提示される不可解な課題──
彩奈は、未来スコープを通して、自分の運命に深く関わる人物と出会っていく。
未来スコープが映し出すのは、甘いだけではない未来。
誰かを想う気持ち、誰かに選ばれない痛み、そしてそれでも誰かを支えたいという願い。
夢と現実が交錯する中で、彩奈は「自分の気持ちを信じること」の意味を知っていく。
この物語は、恋と選択、そしてすれ違う想いの中で、自分の軸を見つけていく少女たちの記録です。
感情の揺らぎと、未来への確信が交錯するSFラブストーリー、シリーズ第2作。
読後、きっと「誰かを想うとはどういうことか」を考えたくなる一冊です。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※noichigoさんに転載。
※ブザービートからはじまる恋
その付喪神、鑑定します!
陽炎氷柱
児童書・童話
『彼女の”みる目”に間違いはない』
七瀬雪乃は、骨董品が大好きな女の子。でも、生まれたときから”物”に宿る付喪神の存在を見ることができたせいで、小学校ではいじめられていた。付喪神は大好きだけど、普通の友達も欲しい雪乃は遠い私立中学校に入ることに。
今度こそ普通に生活をしようと決めたのに、入学目前でトラブルに巻き込まれて”力”を使ってしまった。しかもよりによって助けた男の子たちが御曹司で学校の有名人!
普通の生活を送りたい雪乃はこれ以上関わりたくなかったのに、彼らに学校で呼び出されてしまう。
「俺たちが信頼できるのは君しかいない」って、私の”力”で大切な物を探すの!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる