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第12話 もはやパシリ
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学校内にある売店でジュースを買って裏庭へ急ぐ。
…これってもはや、パシリじゃん!
イライラしながら裏庭へ到着すると、校舎の壁にもたれながら風に吹かれて気持ちよさそうにしている柚吏の姿が見えた。
その姿は、どこか寂しそうで儚くて…。
いまにも景色に溶け込んで消えてしまいそうな雰囲気に思わず息を呑んだ。
「…きれい…」
そんな言葉を無意識にこぼした自分にハッとして、思いっきり首を横に振ってから柚吏の元へ駆けつけて怒鳴る。
「ちょっと!こんなところでメガネ外すとか、何考えてんの?!」
そう怒鳴ってもしばらく無反応だった柚吏は、「遅」と言って末明が持っていたジュースを1本取り上げた。
「おおっ、サイダー!俺、好き。サンキュー」
さっそくペットボトルのフタをひねって開栓する柚吏。
「ジュースより、とにかく先にメガネをかけて!」
こっちはこんなにも必死なのに、
「はいはい」
柚吏はマイペースで、本当にムカつく。
「あのさぁ、紗里に見つかったら、また呪術かけられて封じ込められるってわかってる?」
「まぁ、効かないけどな」
余裕という表情を浮かべてサイダーをおいしそうに味わいながら、ゆっくりメガネをかけた柚吏は、
「この高校にいるとき、俺、はじめて覚醒したわ」
静かにつぶやいた。
…そっか。
自我の柚吏は普段、いつも封じ込められてるんだもんね。
末明は柚吏の隣で壁にもたれると
「いつから?」
ふと尋ねてみる。
「小学校入った頃ぐらいだったかな?変なヤツらが家に来て、そのときから自我の俺は封じ込められた。そうはいっても自由に行動できないだけで、意識もあるし感情もあるって変な感覚。聖徳太子の子孫だから政治にかかわる特別な人材になるとかなんとか、そういうワケわかんないことは高校へ入る前に説明された」
…これってもはや、パシリじゃん!
イライラしながら裏庭へ到着すると、校舎の壁にもたれながら風に吹かれて気持ちよさそうにしている柚吏の姿が見えた。
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「…きれい…」
そんな言葉を無意識にこぼした自分にハッとして、思いっきり首を横に振ってから柚吏の元へ駆けつけて怒鳴る。
「ちょっと!こんなところでメガネ外すとか、何考えてんの?!」
そう怒鳴ってもしばらく無反応だった柚吏は、「遅」と言って末明が持っていたジュースを1本取り上げた。
「おおっ、サイダー!俺、好き。サンキュー」
さっそくペットボトルのフタをひねって開栓する柚吏。
「ジュースより、とにかく先にメガネをかけて!」
こっちはこんなにも必死なのに、
「はいはい」
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「まぁ、効かないけどな」
余裕という表情を浮かべてサイダーをおいしそうに味わいながら、ゆっくりメガネをかけた柚吏は、
「この高校にいるとき、俺、はじめて覚醒したわ」
静かにつぶやいた。
…そっか。
自我の柚吏は普段、いつも封じ込められてるんだもんね。
末明は柚吏の隣で壁にもたれると
「いつから?」
ふと尋ねてみる。
「小学校入った頃ぐらいだったかな?変なヤツらが家に来て、そのときから自我の俺は封じ込められた。そうはいっても自由に行動できないだけで、意識もあるし感情もあるって変な感覚。聖徳太子の子孫だから政治にかかわる特別な人材になるとかなんとか、そういうワケわかんないことは高校へ入る前に説明された」
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