【奨励賞・受賞】彼氏がイケメンなのは絶対ヒミツ

竹柏凪紗

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第13話 政治にかかわる特別な存在

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なるほど。柚吏は政治にかかわる特別な人材だから、自我を封じ込められようとしているのか。
まぁ、自我の柚吏は政治には不向きそうだもんね…。

それにこれまでの経験から、政治の世界で仕事をするなら自我なんか持っていないほうがよっぽどラクなんじゃないかと思うこともある。

政治の世界は出る杭は打たれるの典型的な業界。
これまでに政治界の上層部たちから自我を封じ込められたり、自ら望んで自我を封じ込めたりした政治家をたくさん見てきたけど、正しいことをしようとしている人ほど息苦しいっていう感じだった。

そういう汚い政治界と忍者協会がズブズブの関係で、忍者の仕事が職権濫用や賄賂といった汚職の手助けにつながっていることは否めない。

私がやらなくても誰かがやるわけだし、おじぃちゃんのお金のこととかもあったらからいままでは業務としてやってきたけど、そういうところも忍者の仕事が好きになれない大きな要因。

「末明?おい、大丈夫か?」
そんなふうに声をかけられ、ハッと我に返る。
そうそう、私は柚吏と高校の裏庭で話してたんだった。

つい、自我について深く考えてしまったよ。
私みたいなペーペー忍者が何を考えたところで何も変わらないのにね。

そう、今回もただ、任務を全うするだけ。

「柚吏、あんたのせいで頭痛がするの。これから先のことを考えたら、本当に頭痛い。さ、ジュースも飲んだし、そろそろ教室へ戻ってもらうよ?」
教室へ戻るにはいい頃合いだと思ったのに、柚吏は違っていたみたい。

「は?まさかだろ?せっかく自我が覚醒したんだ。当然ほかにもやることあるだろ?」
柚吏は満面の笑みを浮かべてそう言った。
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