【奨励賞・受賞】彼氏がイケメンなのは絶対ヒミツ

竹柏凪紗

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第39話 バレました…?

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扇が運ばれていったあと、柚吏といっしょにタクシーで救急病院へ。

後頭部から出血し、一時は手指に痙攣などの症状が出たものの大事には至らなかった。
そうは言っても、全身の打撲に足首の捻挫。
少し動くだけでもしんどうそうな感じではある。

「しばらくは痛みが続くって説明されたけど、全然大丈夫。さっきよか全然マシかな」
連絡を受けた親の希望で個室に移され、点滴を受けながらベッドに横たわる扇。

「ごめんね扇、私のせいで…」
申し訳なさそうに何度も謝っていた紗里に、扇もつい口が滑ったのだろう。

「俺のほうこそ警戒してたのにこんなことになって…」
そう言ってから慌てて口を閉じた。

「…え…?」

そりゃあ、「え?」ってなるよね…。

というか、まずは扇が警戒しててくれたのかということに感謝。
もし扇が警戒してくれていなかったら、紗里は毒針の攻撃を受けていたかもしれない。

それは良かったとして…。
いまの状況は、非常にまずい。

「警戒って、どういうこと?それって、私が襲われるかもしれないって知ってたってこと?」

紗里が興奮気味に聞いたとき、
「扇!」
駆けつけた扇の家族が雪崩れ込むように病室へと入ってきた。

チラリとこっちを見た紗里が、
「その表情…、何か知ってるよね?」
ジロリと睨んで聞く。

あはは、バレました…?
そんなふうに苦笑いできるような雰囲気ではない。

「一体どういうことなのか、きちんと説明してもらうよ!馬戸もね!」

紗里は不機嫌そうに小声でそう言うと、
「お大事に」
扇の家族にはしっかりと挨拶をして病室から末明と柚吏を引っ張り出した。
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