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2章 セイクリールの歩き方 編
ハーレムキングは新ヒロインと出会う
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「元気そうで安心したわ、問題児さん?」
アレッタは腕を組んだまま、余裕たっぷりに言ってきた。
「ちょっと! その呼び方やめてって何度も——」
「だって実際問題児でしょ。昔から真面目すぎて、すぐ上と衝突してたし。話題の尽きない最高の幼馴染よ」
「それは……その……うぐっ」
あっさり刺されたサラが、小さく呻く。
だが、そのやりとりに嫌気はない。仲の良さからくる軽快なやり合いだった。
ふむ。どうやら“遠慮のない幼馴染枠”のようだな。ハーレム構成においても重要なポジションだ。
それにしても……サラに負けず劣らず、彼女もまた秀でた容姿だな。
赤みがかった短髪に、しゅっと整った顔立ち。
瞳は金色に近く、真っ直ぐな意志を宿していた。
身にまとった銀の軽装鎧は体のラインを隠すようで隠さず、鍛えられた四肢のしなやかさを際立たせている。
背筋は真っ直ぐ、腰には細身の騎士剣。
「ふははははっ! 凛々しい! そして美しい! まさに“騎士系ヒロイン”、もとい“幼馴染系ヒロイン”の堂々たる登場だな!」
オレは思わず歓声を上げた。
横でサラが「もうやめて……」と小声でうなだれていたが、聞こえていないフリをした。
「初めまして、麗しき銀の騎士よ。名はアレッタと言ったな。オレはハーレムキング・デイビッド。サラのパートナーであり、まごうことなき王である!」
「……なんかすごい名乗りね」
アレッタは眉をひくつかせながら、ちらりとサラに視線を送る。
「え、なに? この人って……本物?」
「……はい。紛れもなく本物です」
「そ、そっか……で、この王様気取りの変人が、あんたの“パートナー”? 付き合ってんの?」
「ち、違います! 旅の仲間なだけですから!」
「へぇ?」
アレッタはジト目でサラを見たあと、急に真面目な顔つきに戻った。
「それはともかく、神託の器を調べ直すんだって?」
「えっ……ええ。でも、何の権限もないし、証拠もないし……」
「なら、あたしが同行する」
「えっ?」
「幼馴染じゃなく、セイクリール第三部隊隊長としての立場でね。問題児のサラがまた妙な動きをしてるって思われたら、あたしも困るから」
「な、なによそれ……監視役ってこと?」
「表面的にはそう。でも、実際は協力者。あんたが器を壊したとは思ってないから、あたし」
「……!」
サラが目を見開いた。目尻が少しだけ潤んでいた。
その隣で、オレは腕を組んでふむふむと頷く。
「よかろう! 君もなかなか見どころがある! あえて言おう、合格だ!」
「何に合格したのよ?」
「オレのハーレム構成員候補だ!」
「断るわ!」
剣の柄に手を添えたアレッタの目がマジだった。ちょっと怖い。
だが、オレはニヤリと笑って言った。ハーレムキングがそんなことで怖気付くわけがなかろうに!
「断られても、構成は変わらず物語は続く! ハーレムとはそういうものだ! そして王の決定は不変だ!」
「……ねぇ、この人と一緒の旅、ほんとに大丈夫?」
アレッタが心底不安そうにサラを見る。
サラは少しだけ目を逸らして、でもほんのり笑っていた。
「まぁ、なんだかんだで助けてくれますから」
「ふーん」
アレッタは少しだけ驚いた顔をして、それから肩をすくめた。
「ま、いいわ。とにかく、あたしも協力する。あのとき、神殿の祈祷室にいた他の神官たちの記録も当たってみるよ」
「記録って……まだ残ってるんですか?」
「不完全だけどね。あの頃は上の判断で“処理”されたから」
「やっぱり、なにか隠されてる感じでしょうか?」
「かもね。でも、それを暴くには少しずつ証拠を集めないと」
アレッタは真剣な顔で、そう言った。
その表情は騎士としての、そして幼馴染としての覚悟に満ちていた。
……というわけで。
こうして、神託の器の真実を巡る旅が始まった。
アレッタは腕を組んだまま、余裕たっぷりに言ってきた。
「ちょっと! その呼び方やめてって何度も——」
「だって実際問題児でしょ。昔から真面目すぎて、すぐ上と衝突してたし。話題の尽きない最高の幼馴染よ」
「それは……その……うぐっ」
あっさり刺されたサラが、小さく呻く。
だが、そのやりとりに嫌気はない。仲の良さからくる軽快なやり合いだった。
ふむ。どうやら“遠慮のない幼馴染枠”のようだな。ハーレム構成においても重要なポジションだ。
それにしても……サラに負けず劣らず、彼女もまた秀でた容姿だな。
赤みがかった短髪に、しゅっと整った顔立ち。
瞳は金色に近く、真っ直ぐな意志を宿していた。
身にまとった銀の軽装鎧は体のラインを隠すようで隠さず、鍛えられた四肢のしなやかさを際立たせている。
背筋は真っ直ぐ、腰には細身の騎士剣。
「ふははははっ! 凛々しい! そして美しい! まさに“騎士系ヒロイン”、もとい“幼馴染系ヒロイン”の堂々たる登場だな!」
オレは思わず歓声を上げた。
横でサラが「もうやめて……」と小声でうなだれていたが、聞こえていないフリをした。
「初めまして、麗しき銀の騎士よ。名はアレッタと言ったな。オレはハーレムキング・デイビッド。サラのパートナーであり、まごうことなき王である!」
「……なんかすごい名乗りね」
アレッタは眉をひくつかせながら、ちらりとサラに視線を送る。
「え、なに? この人って……本物?」
「……はい。紛れもなく本物です」
「そ、そっか……で、この王様気取りの変人が、あんたの“パートナー”? 付き合ってんの?」
「ち、違います! 旅の仲間なだけですから!」
「へぇ?」
アレッタはジト目でサラを見たあと、急に真面目な顔つきに戻った。
「それはともかく、神託の器を調べ直すんだって?」
「えっ……ええ。でも、何の権限もないし、証拠もないし……」
「なら、あたしが同行する」
「えっ?」
「幼馴染じゃなく、セイクリール第三部隊隊長としての立場でね。問題児のサラがまた妙な動きをしてるって思われたら、あたしも困るから」
「な、なによそれ……監視役ってこと?」
「表面的にはそう。でも、実際は協力者。あんたが器を壊したとは思ってないから、あたし」
「……!」
サラが目を見開いた。目尻が少しだけ潤んでいた。
その隣で、オレは腕を組んでふむふむと頷く。
「よかろう! 君もなかなか見どころがある! あえて言おう、合格だ!」
「何に合格したのよ?」
「オレのハーレム構成員候補だ!」
「断るわ!」
剣の柄に手を添えたアレッタの目がマジだった。ちょっと怖い。
だが、オレはニヤリと笑って言った。ハーレムキングがそんなことで怖気付くわけがなかろうに!
「断られても、構成は変わらず物語は続く! ハーレムとはそういうものだ! そして王の決定は不変だ!」
「……ねぇ、この人と一緒の旅、ほんとに大丈夫?」
アレッタが心底不安そうにサラを見る。
サラは少しだけ目を逸らして、でもほんのり笑っていた。
「まぁ、なんだかんだで助けてくれますから」
「ふーん」
アレッタは少しだけ驚いた顔をして、それから肩をすくめた。
「ま、いいわ。とにかく、あたしも協力する。あのとき、神殿の祈祷室にいた他の神官たちの記録も当たってみるよ」
「記録って……まだ残ってるんですか?」
「不完全だけどね。あの頃は上の判断で“処理”されたから」
「やっぱり、なにか隠されてる感じでしょうか?」
「かもね。でも、それを暴くには少しずつ証拠を集めないと」
アレッタは真剣な顔で、そう言った。
その表情は騎士としての、そして幼馴染としての覚悟に満ちていた。
……というわけで。
こうして、神託の器の真実を巡る旅が始まった。
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