41 / 121
2章 私と萌恵ちゃんは恋仲である
13話 焦る必要はない
しおりを挟む
ゴールデンウィークが終わってから、一週間ほど経つ。
高校生活にもすっかり慣れ、恋人との毎日も文句なく楽しい。
生活が充実していることは疑いようもないのに、人間という生き物は――いや、私だけなのかもしれないけど、もっと上を望んでしまう。
テストで一位を取りたいわけじゃないし、贅沢に暮らしたいわけでもない。
ただひとえに、萌恵ちゃんとえっちしたい。
授業中、私の前には無防備に背中を晒す萌恵ちゃんがいる。
いますぐギュッと抱きしめ、制服に腕を突っ込んでブラを外し、もっちりすべすべな胸を本能の赴くままに揉んで、追い打ちをかけるように秘所へ指を這わせて敏感な部分を――
なんて、考えるだけなら簡単だ。
いくら妄想の中で萌恵ちゃんを絶頂に導いたところで、現実の私はちょっと胸の先っぽを弄らせてもらっただけで鼻血を出してしまう。
耐性を付ける以外に、なにかできることはないのだろうか。
うーん……。
***
帰宅後。
あれからずっと、同じことで悩み続けていた。
いつもと違って、今日はなかなか気持ちを切り替えられない。
萌恵ちゃんとの生活を満喫できなくなったら本末転倒だ。
一刻も早く解決しないと。
「ねぇ、萌恵ちゃん。えっちなことに興味ある?」
なんの脈絡もなく、かなり踏み込んだ質問をしてしまった。
「ふぇっ!? なっ、なんで急に!? えっと、あたしは、その、あの……」
唐突に変なことを訊いてしまったせいで萌恵ちゃんが驚き、読んでいた雑誌を手から滑らせた。
見る見るうちに頬が赤みを増し、雑誌をテーブルに置いてから「う~ん」と悩ましげに唸る。
私が逆の立場だったら、二つ返事で萌恵ちゃんとの性行為を所望しただろう。
「きょ、興味は、あると思う。真菜のことを見てると、たまに胸が熱くなって、体の奥が、なんかこう……ムズムズ? よく分かんないけど、いままで知らなかった気持ちになるときがあるから」
自分のことなのに、確信を持てていない様子だ。
以前から年中発情期で四六時中えっちなことばかり考えている末期のド変態な私と違い、萌恵ちゃんは最近まで恋愛に無頓着で自慰の経験がないどころか、そのやり方も知らなかったほど純粋で清楚で無垢な天使。
酷な問いかけだったかもしれないけど、おかげで必要な情報は得られた。
以前に一人でするときのやり方を説明したものの、私が知る限り萌恵ちゃんは一度も実行に移していない。
だからこそ、性欲がどの程度なのか知りたかった。
「萌恵ちゃん、いますぐは無理かもだけど……いつかきっと、えっちしようね!」
現状では萌恵ちゃんを満足させるどころか、心配させる結果になることが目に見えている。
さっきの返答から察するに、性欲が皆無というわけではなくても、私ほど肉欲にまみれているわけでもない。
付き合い始めてからここまで、無意識のうちにどこか焦っていた。
だから、いまはお預け。
萌恵ちゃんに告げたのは、自分自身へ向けた言葉でもある。
「うんっ、絶対にしよう!」
瞳を輝かせて元気よく答える萌恵ちゃん。
「ギュッてしてもいい?」
「もちろん! えいっ」
何気なくお願いしてみると、萌恵ちゃんは嬉々として私に抱き着いてくれた。
私の方からも強く抱きしめ、そのまま二人して床に寝転がる。
布団を敷いていないから冷たくて硬い感触が伝わるけど、不思議と体は温かい。
「真菜とこうしてると、気持ちよくて寝ちゃいそうだよ~」
「私だって、萌恵ちゃんがいればどこででも熟睡できそう」
本当に温かくて気持ちいい。
「……んっ」
私たちは示し合わせたように瞳を閉じ、唇を重ねる。
複雑な考えとか邪な下心なんて欠片ほどもなくて、ただ純粋に相手を想う気持ちがそうさせた。
息が切れるまで続けたり、短いキスを繰り返したり。
時間が経つのも忘れ、口元が二人の唾液で汚れるのも気にせず、何度も何度も、口付けを交わす。
――胸がドキドキしてものすごく興奮しているのに、変にテンパったり鼻血が出ることはない。
――とてもえっちなキスだけど、萌恵ちゃんの方からも激しく求めてくれている。
***
さっきの宣言を撤回するつもりはない。
だけど。
最高の初体験をするのは決して遠い将来の話ではないと、自分たちから教わったような気がした。
高校生活にもすっかり慣れ、恋人との毎日も文句なく楽しい。
生活が充実していることは疑いようもないのに、人間という生き物は――いや、私だけなのかもしれないけど、もっと上を望んでしまう。
テストで一位を取りたいわけじゃないし、贅沢に暮らしたいわけでもない。
ただひとえに、萌恵ちゃんとえっちしたい。
授業中、私の前には無防備に背中を晒す萌恵ちゃんがいる。
いますぐギュッと抱きしめ、制服に腕を突っ込んでブラを外し、もっちりすべすべな胸を本能の赴くままに揉んで、追い打ちをかけるように秘所へ指を這わせて敏感な部分を――
なんて、考えるだけなら簡単だ。
いくら妄想の中で萌恵ちゃんを絶頂に導いたところで、現実の私はちょっと胸の先っぽを弄らせてもらっただけで鼻血を出してしまう。
耐性を付ける以外に、なにかできることはないのだろうか。
うーん……。
***
帰宅後。
あれからずっと、同じことで悩み続けていた。
いつもと違って、今日はなかなか気持ちを切り替えられない。
萌恵ちゃんとの生活を満喫できなくなったら本末転倒だ。
一刻も早く解決しないと。
「ねぇ、萌恵ちゃん。えっちなことに興味ある?」
なんの脈絡もなく、かなり踏み込んだ質問をしてしまった。
「ふぇっ!? なっ、なんで急に!? えっと、あたしは、その、あの……」
唐突に変なことを訊いてしまったせいで萌恵ちゃんが驚き、読んでいた雑誌を手から滑らせた。
見る見るうちに頬が赤みを増し、雑誌をテーブルに置いてから「う~ん」と悩ましげに唸る。
私が逆の立場だったら、二つ返事で萌恵ちゃんとの性行為を所望しただろう。
「きょ、興味は、あると思う。真菜のことを見てると、たまに胸が熱くなって、体の奥が、なんかこう……ムズムズ? よく分かんないけど、いままで知らなかった気持ちになるときがあるから」
自分のことなのに、確信を持てていない様子だ。
以前から年中発情期で四六時中えっちなことばかり考えている末期のド変態な私と違い、萌恵ちゃんは最近まで恋愛に無頓着で自慰の経験がないどころか、そのやり方も知らなかったほど純粋で清楚で無垢な天使。
酷な問いかけだったかもしれないけど、おかげで必要な情報は得られた。
以前に一人でするときのやり方を説明したものの、私が知る限り萌恵ちゃんは一度も実行に移していない。
だからこそ、性欲がどの程度なのか知りたかった。
「萌恵ちゃん、いますぐは無理かもだけど……いつかきっと、えっちしようね!」
現状では萌恵ちゃんを満足させるどころか、心配させる結果になることが目に見えている。
さっきの返答から察するに、性欲が皆無というわけではなくても、私ほど肉欲にまみれているわけでもない。
付き合い始めてからここまで、無意識のうちにどこか焦っていた。
だから、いまはお預け。
萌恵ちゃんに告げたのは、自分自身へ向けた言葉でもある。
「うんっ、絶対にしよう!」
瞳を輝かせて元気よく答える萌恵ちゃん。
「ギュッてしてもいい?」
「もちろん! えいっ」
何気なくお願いしてみると、萌恵ちゃんは嬉々として私に抱き着いてくれた。
私の方からも強く抱きしめ、そのまま二人して床に寝転がる。
布団を敷いていないから冷たくて硬い感触が伝わるけど、不思議と体は温かい。
「真菜とこうしてると、気持ちよくて寝ちゃいそうだよ~」
「私だって、萌恵ちゃんがいればどこででも熟睡できそう」
本当に温かくて気持ちいい。
「……んっ」
私たちは示し合わせたように瞳を閉じ、唇を重ねる。
複雑な考えとか邪な下心なんて欠片ほどもなくて、ただ純粋に相手を想う気持ちがそうさせた。
息が切れるまで続けたり、短いキスを繰り返したり。
時間が経つのも忘れ、口元が二人の唾液で汚れるのも気にせず、何度も何度も、口付けを交わす。
――胸がドキドキしてものすごく興奮しているのに、変にテンパったり鼻血が出ることはない。
――とてもえっちなキスだけど、萌恵ちゃんの方からも激しく求めてくれている。
***
さっきの宣言を撤回するつもりはない。
だけど。
最高の初体験をするのは決して遠い将来の話ではないと、自分たちから教わったような気がした。
10
あなたにおすすめの小説
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる