異世界人拾っちゃいました…

kaoru

文字の大きさ
115 / 149
冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 60

しおりを挟む
「どういうルートで回りますか?」

  リョウ達と別れ、バレンと上空に、女王の吹雪の結界も今は解除されていて、城の回りは見渡す限りの銀世界。かなり遠くの方に、木々が見えるから、そちらに飛べば魔族の集落があるのかな?

「そうだなぁ。バレンは、今の正確な位置って分かるか?」

「エンプ大陸の北東ですね。南東に進むとスーン大陸の北側を少し見てハバー大陸に戻れますよ」

 成る程、頭に世界地図を思い浮かべた。

「じゃぁ、南南東に進みスーン大陸を観て、東に進み、マクー大陸の北の街、ガーランド辺りを観て、北上しゲトー大陸からハバー大陸に戻ろうか」

「そのルートで、夕方までにハバーに戻るには、海上ではかなりのスピードになりますが宜しいですか?」

「シスからペンダントも貰ってるし、大丈夫だと思う。遠慮なく飛ばしてくれ」

「分かりました。では、南南東に向かいます。途中、エンプの南東の街、ヨーハイムも観れますよ」

「バレンは、世界を回ったことがあるのか?」

「すべての島を回った訳ではありませんが、主だった街には使いで何度か訪れたことがあります」

「それは、助かるな。何か気がついたら教えて欲しい」

「分かりました」

 流石は、風の精霊、しかも、シスの元で地上での使いをしていたのか、それなら、道案内として最高じゃないか。
 改めて、シスに感謝だな。

「見えてきました。ヨーハイムです。生活に関係している魔道具の製造、販売が盛んな街で、人族も多く暮らしています」

「ああ、スーンに近いから、共同の研究所がある街がここか」

「そうです。上からだと特に変わったところはないようですね」

「プレートの境は西の方だから、揺れも少なかったのかな?ちょっと、安心した…」

 天上と空の住人が総出で、対処してくれたんだもんなぁ…

「直ぐに、スーンが見えますよ。沿岸部は津波の影響があったようです。壊れた船もあるようですね」

「海沿いの道が崩れている所もあるな…」

「ええ、しかし、集落があるような所では、被害は無いように見えます。ユピロー様は、大津波と仰ってましたが、この程度で済んで良かったのではないでしょうか?」

「まぁ…内陸部まで達していたらと思うとゾッとするな」

 エンプ大陸からスーン大陸の北に出て、沿岸部を観た。何艘か浜に打ち上げられたり、ぶつかり合って、壊れてしまったような船も見え、人々が集まって居る…
 そこから、少し南下してから東に進んでみた。

「うっ、こっちの方が境に近いから、ちょっと酷いな…」

「こちらは東の玄関口で、マクー大陸との貿易が盛んですからね」

「ドワーフの職人が居るからか、船もデカイなぁ…」

「ですが、防波堤や防風林が有ったおかげか、こちらも民家には被害がないようですよ」

「でも、その防波堤が、ほとんど流され船に穴を開けたりしてるよな…本来は、内陸部まで波が来たんじゃないか?」

「あ、そういえば、そうですね。ああ、天上や空の住人が総出で最小限に抑えてくれたのですね。ここには、火竜の『岩漿』もいますから、障壁や結界で防いでくれたのでしょう」

「やっぱりそういうことだよなぁ…」

 次のマクー大陸は大地震…ガランと眷属の精霊や魔獣が頑張ってくれたようで、こちらも街などには被害がないようだったが、二ヶ所程、坑道の入口が崩れているのを発見した。全ヶ所見えるわけではないから、もっと多いかもしれない。しかも、大陸の南、東に飛び出た箇所が有ったのだが、そこが、プレートの境だったらしい…大陸に南北の亀裂が走り海水が入り込んでる。

「これは…」

 バレンも、言葉が続かない。

「大陸が二つに割れた…階層は?この場合、階層はどうなるんだ?」

 焦りが出てきた。この衝撃で、魔物が溢れてきたら…

「階層と言っていますが、異空間の繋がりですので、大地が割れたからといって、地下世界まで影響があるとは思えませんが…ユピロー様に確認した方が良いですね」

「そう…なのか?地震で、階層を隔てる結界が壊れるわけではないのか?」

「確か、違っていたと思います。以前、シス様が説明してくださった時は、地震等の外的要因ではなく、生き物の魔力の質の影響により、綻びが生じると仰っていましたよ」

「魔力の質?」

「はい。その事についても、ユピロー様に尋ねた方が良いですね」

「だな…」

 そこから北上しゲトー大陸に、南に広がる森や中央都市には大きな変化はないようだったが、北西にある幅百メートル(バレン談)の河が反乱し、五百メートル程になっていたらしい…今は、落ち着いて二百メートル程の幅になっているが、河辺はぬかるんだ土に木々や岩が所々埋まっていた。

「おや、ディルさん、早かったですね」

 突然かけられた声に驚き振り向くと、アガトー様が、飛んでいた。

「アガトー様?あ、じいちゃんが言っていた川ってこの河だったんですね」

「そうなんですけどね…大雨の影響だけかと思っていたら、津波の影響で海水まで混じってしまって、聞き分け悪くなっていて困ってます」

「あ…申し訳ないです。何か、手伝えることありますか?」

「いや、ディルさんの所為ではないですよ」

「そんなことはないですよね。今回の事は、俺の責任ですよね」

「いえいえ、これは、便乗効果なので、ディルさんの所為ではなく、精霊の処置だと思いますよ」

「は?便乗ーってなんです?」

 







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる

まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。 そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...