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冒険の始まり
ハバー大陸一周の旅 59
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「えー、僕もバレンに乗ってみたいのにぃ」
久々に、別行動になることを告げると、リョウが駄々をこね出した。
うん、最近、大人な発言が続いていたけど、まだ、子供で安心するね。
「今回は、俺が起こした被害状況観るためだし、じいちゃんが、リョウ達に頼みたい事があるって言っていただろ」
「あっ、…そうか、そうだね。じゃあ、その用事が終わったら、乗せてくれる?」
「そうだな。モンディール山が噴火したし、用事が済んだら、バレンで一気にシーズに帰ろうか、タリクさん達も心配してるだろうし、モン族の集落の様子も見たいしな」
「モンディール様が居るから、無事なのは分かりますが、気になりますものね」
「そうだね。よし、アガトー様、待たせて済みませんでした。お願いします」
うん、切り替えが早い、ウチの子達は、しっかりしていて安心するね。…なんて、すっかり親バカ気分になってる自分に気づき、複雑な心境になってしまった。
「大丈夫ですよ。それに、戻る前に是非見てもらいたい物があるんですよ」
アガトー様が、そう言って玉座の間の右手の扉の方へ向かい、俺達も招き寄せる。
「何があるの?」
リョウは、ワクワクとしながらアガトー様に続き、扉の中へ。
「うわー、カッコいい!雪ん子達が、造ったの?」
リョウの第一声を聞き、ドワーフぽい子達が、胸を張る。
「氷像ですか?今にも動き出しそうで、素晴らしいですね」
クラリーちゃんも、雪ん子達の作品を見上げ、感動している。
そして、更にテンション高く喜ぶ親子が…
「くーるる、るーぅ」
「父さんとワレじゃないですか!凄く威厳を感じるッス。素晴らしいッスよ」
そう、扉の向こうの広い部屋の中心に、デンと十メートル程の烈震と、三メートルぐらいありそうな地竜の剣の氷像が置かれていた。
しかも、烈震は、トゲネズミの様な今の姿ではなく、竜王本来の姿で造られ、地竜の剣も、トガレーの集落で最初に見た大太刀が、氷で造られていた。
「烈震くんって、本当の姿は、メチャクチャカッコいいんだね。今は、メチャクチャ可愛いけど」
「ぎゃぅ?」
「小さいから、可愛いでいいんだよ!」
「ぎゃーぎゃぎゃ?」
「うん、誉めてるんだよ」
「ガフン!」
んん?リョウと、烈震。やっぱり会話が成立してるよな?
「リョウ様、烈震様の言葉が分かるようになったのですか?」
不思議に思ったのは、俺だけではなかったようだ。クラリーちゃんが質問した。
「何となく、こんなこと言ってるなって感じられる程度だよ」
「それで会話が、ちゃんと成立するんスッね。リョウもスゴいッスねぇ」
「そ、そう?それより、雪ん子達の作品の方がスゴいよ」
思ってもみなかったところで誉められた所為か、リョウは、顔を真っ赤にしながら、雪ん子達方に話題をふった。
「ふふ、子供達は、皆、凄いことが出来るのですね。成長が楽しみですねぇ。ウチの子達が造る氷像も、増える予定なので、また、遊びに来てください」
「本当ですか?やったぁー」
「凄いですね。作品展、美術館の様になりそうですね。楽しみです」
リョウ達の反応をみて雪ん子達がフンスと、胸を叩く。
「では、お言葉に甘え、また、遊びに来ますね」
「是非、私達も楽しみにしてますので、じゃあ、リョウくん達、ユピロー様の所に戻ろうか、ディルさんは、氷の乙女に外まで案内させますのであちらに」
そう言って、アガトー様が指し示す方をみると、玉座の間の方とは逆にある扉の前で、氷の乙女が立っていた。
「では、よろしくお願いします。リョウ達も、何頼まれるか分からないが、気を付けてな。夕方には、合流するから」
「わかった。ディルとバレンも気を付けてね」
久々に、別行動になることを告げると、リョウが駄々をこね出した。
うん、最近、大人な発言が続いていたけど、まだ、子供で安心するね。
「今回は、俺が起こした被害状況観るためだし、じいちゃんが、リョウ達に頼みたい事があるって言っていただろ」
「あっ、…そうか、そうだね。じゃあ、その用事が終わったら、乗せてくれる?」
「そうだな。モンディール山が噴火したし、用事が済んだら、バレンで一気にシーズに帰ろうか、タリクさん達も心配してるだろうし、モン族の集落の様子も見たいしな」
「モンディール様が居るから、無事なのは分かりますが、気になりますものね」
「そうだね。よし、アガトー様、待たせて済みませんでした。お願いします」
うん、切り替えが早い、ウチの子達は、しっかりしていて安心するね。…なんて、すっかり親バカ気分になってる自分に気づき、複雑な心境になってしまった。
「大丈夫ですよ。それに、戻る前に是非見てもらいたい物があるんですよ」
アガトー様が、そう言って玉座の間の右手の扉の方へ向かい、俺達も招き寄せる。
「何があるの?」
リョウは、ワクワクとしながらアガトー様に続き、扉の中へ。
「うわー、カッコいい!雪ん子達が、造ったの?」
リョウの第一声を聞き、ドワーフぽい子達が、胸を張る。
「氷像ですか?今にも動き出しそうで、素晴らしいですね」
クラリーちゃんも、雪ん子達の作品を見上げ、感動している。
そして、更にテンション高く喜ぶ親子が…
「くーるる、るーぅ」
「父さんとワレじゃないですか!凄く威厳を感じるッス。素晴らしいッスよ」
そう、扉の向こうの広い部屋の中心に、デンと十メートル程の烈震と、三メートルぐらいありそうな地竜の剣の氷像が置かれていた。
しかも、烈震は、トゲネズミの様な今の姿ではなく、竜王本来の姿で造られ、地竜の剣も、トガレーの集落で最初に見た大太刀が、氷で造られていた。
「烈震くんって、本当の姿は、メチャクチャカッコいいんだね。今は、メチャクチャ可愛いけど」
「ぎゃぅ?」
「小さいから、可愛いでいいんだよ!」
「ぎゃーぎゃぎゃ?」
「うん、誉めてるんだよ」
「ガフン!」
んん?リョウと、烈震。やっぱり会話が成立してるよな?
「リョウ様、烈震様の言葉が分かるようになったのですか?」
不思議に思ったのは、俺だけではなかったようだ。クラリーちゃんが質問した。
「何となく、こんなこと言ってるなって感じられる程度だよ」
「それで会話が、ちゃんと成立するんスッね。リョウもスゴいッスねぇ」
「そ、そう?それより、雪ん子達の作品の方がスゴいよ」
思ってもみなかったところで誉められた所為か、リョウは、顔を真っ赤にしながら、雪ん子達方に話題をふった。
「ふふ、子供達は、皆、凄いことが出来るのですね。成長が楽しみですねぇ。ウチの子達が造る氷像も、増える予定なので、また、遊びに来てください」
「本当ですか?やったぁー」
「凄いですね。作品展、美術館の様になりそうですね。楽しみです」
リョウ達の反応をみて雪ん子達がフンスと、胸を叩く。
「では、お言葉に甘え、また、遊びに来ますね」
「是非、私達も楽しみにしてますので、じゃあ、リョウくん達、ユピロー様の所に戻ろうか、ディルさんは、氷の乙女に外まで案内させますのであちらに」
そう言って、アガトー様が指し示す方をみると、玉座の間の方とは逆にある扉の前で、氷の乙女が立っていた。
「では、よろしくお願いします。リョウ達も、何頼まれるか分からないが、気を付けてな。夕方には、合流するから」
「わかった。ディルとバレンも気を付けてね」
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