異世界人拾っちゃいました…

kaoru

文字の大きさ
148 / 149
新たな旅立ち

ダンジョン創り 21

しおりを挟む
 帰ってきたリョウ達に、大人げなく、大工道具や裁縫道具を自慢すると、リョウが少年らしい丸い目を更にまん丸にした。

「へ?ミスリル製の…?え?それって、この世界だと普通なの?」

 そんな風に驚いて神々を見る。

「普通という括りが分からんが、わりとあるぞ。素材が特殊な物があるからな。まぁ、今回の中では、スミツボが、一番数が少ないな」

 代表でおっさんが答える。

「えっと、この世界に…というか、魔術がある世界にスミツボとか必要なの?」

「まぁ、どうしても必要かと問われれば、否、と答えるな。しかし、こういった道具は、精霊達と楽しみながら作業をするための物なのだ。まぁ、言ってしまえば、精霊の玩具だな」

「そ、そうなんだ…ミスリルの大工道具に裁縫道具…ハハハ…」

 リョウが子供らしかぬ乾いた笑いをもらす。

 俺だって、こんな道具初めて見たからな…少し気持ちは分かるが、これで、出来ることが増えたのだ。ふっふっふっ、喜びの方が大きくて、小躍りしたくなる。

「…なんか、ディルが、キモい」

 なっ?

「リョウくん?何気に酷くないかい?」

「えー、だって、そんなニタニタ笑顔で、採寸されるの怖いよ。まぁ、理由は分かったけど、あんまり凝ったものは作らないでね」

 なっ?

「凝った物って?鎧の下に着る物だから、普通のシャツやタイツだぞ」

「ホントに?神様達みたいに、なんか付与とかしない?」

「そういうことは、俺は、出来ないぞ。素材をいかすだけだ」

「はぁ、それなら良かった。クラリーちゃんの鎧みたいに、過剰な効果つけられるのかと思った」

「「「え?」」」

 採寸を終えた俺は、早速、型紙作りに取りかかる為に、机に移動しようとすると、固まっている三柱の神の姿が視界に入ってきた。

「じいちゃん達どうしたの?」

「物に何かしら効果を付けるのは、よくないのかのう?」

 戸惑いながら、じいちゃんがリョウに聞いた。

「ううん。スゴく便利でありがたいけど…あんまり、多いのはちょっと…」

「モンディールのは、過剰に盛りすぎなのね?」

「…まぁ、クラリーちゃんに危険がないようにだから、しょうがないのかもしれないけど…ちょっとね。その時その時の状態で、より良い装備を揃えたりしたいじゃん。自分の成長具合も確かめられるし」

「モンディールは、過保護過ぎたのね。ふふ、じゃぁ、リョウくんは、装備にどんな効果が付いてたら嬉しい?」

「どんな…そうだなぁ」

 ここで、バーンさんから預かった装備を思い出した。
 …リョウに、白い目でみられてしまったが、仕方がないじゃないか、やりたいことが目の前にあったんだから…

 はい、ごめんなさい。

 リョウは、バーンさんが作った装備を見て嬉しそうな顔をしたが、直ぐに、困った顔になる。

「どうしたんだ?何か、おかしな所があったか?」

「ううん。素材の良さも聞いてるし、デザインもカッコイイから、嬉しいけど…」

「ん?」

「…この色は、僕に合わないよね?」

 青銀のミスリルスパイダーの外殻と、ベルト類は白っぽい皮で出来ている軽装備を見て、リョウを見てみる。
 黒い髪に黒い瞳、肌は俺達エルフとダークエルフの中間のような日に焼けた肌をしている。
 うーん、リョウの肌の色からいえば、確かに、青みがかった色より、黄色、橙、なんかの暖色系が似合うな。

「…ちょっと、微妙な感じはするかな?」

「いや、ちょっと、じゃないよね。スッゴい違和感あると思うよ」

「クク、そんな心配は無用だぞ。ちゃんと、色を変える方法があるから安心してよいぞ。大抵の場合、ミスリルスパイダーの素材というのを自慢したいから、色を変える者は少ないのだがな」

「えー、そうなの?まぁ、タリクさんとかならそのままでも似合うけど…僕には無理、もうちょっと暗い色にして」

 「それなら、楽だ」と、おっさんが手をかざし、装備を一撫ですると、ちょっと霞がかった夜空のような色になった。

「なにしたの?」

「熱しただけだ。熱して表面を少し焦がしたのだ。余りやり過ぎると強度が落ちるが、上手くやれば、耐久性を上げることが出来る。どうだ、この色は?」

「もう少し、黒っぽくならないかなぁ?」

 という言葉を聞き、おっさんがまた装備を一撫ですると、深い青みを帯びた光沢のある黒になった。

「おお、これなら大丈夫だよね」

 喜んで装備を身に纏う。

 今までは、お金もなかったから、一般的な皮の装備を着せてたけど、やはりオーダーメイドだとキッチリ身体に合うから、格好いい。子供ながら、一人前の冒険者に見える。

「今までの、皮より軽い…それに、メチャ動きやすい」

 靴の時と同じように、跳んだりして確かめている。
 あの装備に合った靴がいるな、後、頭部はどうしようか…

「リョウくん、とても似合っているわよ。モンディールが自動サイズ調整は付けてたみたいね。他に、何か欲しいものはある?」

 シスが今回の目的である付与の話をし出すと、ちょっとだけ、空気になっていたじいちゃんや烈震親子にユキにミンテが、夕飯はどうなっているのか気にし出した。

 あ…

 俺は、ミンテを連れて慌てて外に飛び出し、夕食の準備をする。その後から、ユキや烈震達も来て、肉を多めになんて言っている。
 
 いくら楽しみな事があっても、ちゃんと食事はしないとな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる

まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。 そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...