異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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新たな旅立ち

ダンジョン創り 22

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 シーズに行ってきたので、今日は、新鮮な野菜のサラダに、バーンさんに貰った牛タンをシチューにし、テオ粉のマフィンを焼いて夕食にした。
 夕食の話題は、ダンジョンについて。

「自分で設定したからか、なんか、簡単過ぎるかなぁって、思ったんだけど。ミンテちゃんも、罠、初心者なのに問題なく見つけてたし、解除もすんなりやってたもんね」

『うん。なんか、思っていたより、すんなりいって、本当に良いのかな?って、心配なの』

「しかし、転移者であるリョウが創ったのだし、ミンテは、祖父からの知識も受け継いでおるからな…二人を基準に考えるのは危険じゃぞ」

「確かに。こちらでは、初めての事だしな。手直しは、こちらの住人に試してもらい、意見を聞いてからにした方が良いと思うぞ」

「それなら、情報収集に適した鳥形や、解析能力が高い水系の魔物も置いといた方が良いんじゃない?ここのダンジョンは、練習用なんだから、死人は出ないようにしたいのでしょ?」

「そうじゃが、情報収集や解析は空で一括管理し、レベル調整しようと思っていたが、先の事を考えると、分割しておいて、ダンジョンごとにした方がよいかのう?」

「一括だと、似た様なダンジョンにならない?環境や能力の片寄りはあるけど、バランスが良すぎで面白味がなくなりそう」

「いやいや、それぞれ、癖の強い者達が揃っておるからな、空で何を言おうと聞く者はおらんじゃろう。最低限の抑止効果だけじゃよ。よって、その暴走を止めるためのレベル調整ということになる。地上の事を考えずに、冒険者が皆殺されては本末転倒だからな」

「…そういう心配なんだ。ハハ…死に戻り出来ないから、それは必要だね」

「そうであろ。まぁ、各ダンジョンの担当者を数人決めて、配置して、情報交換させればよいか、各ダンジョンの牽制にもなるだろう」

「「…」」

 クックックッ。
 癖の強い者達、暴走する神の中に、おっさんもシスも入ってるから、じいちゃんの言葉に、顔をしかめてる。

「ディル。何がそんなにおかしいのかしら?」

「ん?いや、何でもないよ。二人共、ダンジョン創りに手を貸すんでしょ? どんなのにするか、決めてるの?」

「そんなの分かっておるのではないか?ワシの所は、火山を利用したモノで、火属性の者が多いダンジョンになる。ラスボスは火竜を模したワシの分体だな。ワシに勝つことが出来たら、加護を付けてやるぞ。ハッハッハッ」

 はいはい、この戦闘狂がぁ!絶対、負ける気無いよな。

「私の所は、広い空間で、植物系の魔物と空気の精霊達による気象の変化を楽しんでもらう予定よ。初級者用だから、薬草も豊富な冒険者に優しいダンジョンを目指すわよ。ユピロー様が心配する事は何もごさいませんわ」

 ホホホ。と、笑ってシスが言うけど、何故か、じいちゃんもおっさんも、背筋を伸ばして、聞いている。
 初級者用でも、気を付けないといけないダンジョンなんだね。上級者用でも、おっさんが創る方が易しいのかも知れないな…


 なんだかんだで、一年後。

 トガレーのダンジョンは「始まりのダンジョン」と言われる様になり、孤児達が冒険者になるには、先ずこのハバー大陸で指導者について、一通り必要な事を教えてもらい、初アタックには、ベテラン冒険者と一緒に入り、攻略の仕方を教わってみてから、冒険者になるかどうか決めるようになった。
 理由の一つは、エルフの国なので、防具類や武器が、植物や生き物の素材から出来ているものが多く、軽くて扱いやすい上に、手頃な値段で手に入るからだ。
 そして、嬉しい誤算としては、冒険者になるつもりで来た子供達の中に、職人を希望し、弟子入り志願する子が出ている事だ。ただ、エルフの中でも、少数は他種族を受け付けない者もいて、ちょこちょこ問題にされるが、多くの人は、良い刺激をもらえると、弟子入り希望者を募集する工房も出てきている。

 成人冒険者は、各地に出来はじめているダンジョンに挑んでいるが…まだ、慣れないせいか、初級ダンジョンでかなり手こずっているらしい。そんな中、一番人気は、エンプ大陸の初級ダンジョンで、何でも、魔族との魔法合戦の様な形式でラスボスが魔王となっているので、リョウの様な転移者の冒険者が大勢詰め掛けているらしい。
 そのお陰で、マクーの地竜達を襲う者がいなくなったので、烈震も同属を匿っていた結界を解き、竜王の加護も無事に復活し、ガランはダンジョンを創り終えると、喜んで天上に帰っていったけど、烈震は、何故か俺らといて、ダンジョンに通っている。

 なんだかなぁ…?

 そして、俺はというと…トガレーの聖域の一画をもらい家造りをしている。
 ここは、リョウの仕事場としての役割もあるので、リョウの意見を聞き、ニホン家屋というものを建てているのだが、これがなかなか難しい、こちらの世界でいうと、スーンの一部とゲトーに似た建物があるのだが、木を多用していているので材料集めも結構大変だし。
 更に、リョウの希望として、タタミが欲しいと言われたのだが、それがよく分からなくて、タクマさん達の集落に通い、タクマさん達も巻き込んで、タタミを作り上げた。リョウは、勿論だけど、タタミの材料となるイグサを探していたタクマさん達が、似た植物がハバーにあった事を大いに喜んでくれたので良かった。そして、職人さんがいるので必要枚数を作ってもらっている。
 しかも、タクマさん達の所には、屋根にのせる瓦もニホン独自の物を作っていたので、分けてもらえる事になってる。
 後は、他にもいろいろな物があるらしいのだが、全ての職人が居るわけではないので、全部は揃えられないらしく、分かる範囲でどういうものか教えてもらい、造れそうなら挑戦するつもりでいる。
 と、いっても、やっと骨組みが完成したところ。家の中心のなるダイコクバシラを探すだけで、二ヶ月掛かったり、他の材料もやはり良いものを使いたいから、トレント材狙いで集めるの苦労したからね。

『ディル!負けたですぅ。リョウ達が、怪我して、ココとタマちゃん大忙しですぅ』

 区切りが良いので一休みと思っていたら、ミンテから緊急の念話が届いた。

「はぁ?おっさん、何してくれるんだ!」

 俺は、聖域から飛び出し、始まりのダンジョンへ、入り口を管理している守衛に挨拶をし、ダンジョンに入り、直ぐに、おっさんのダンジョンに転移する。
 俺の特異体質は、ダンジョン化した四階層と本当に相性が良くて、空間が分けられててもダンジョン内の魔力により、自由に行き来が出来るのだ。

「おっさん!よくも、ウチの子に怪我させたな!」

 モンディールのダンジョン、通称『火龍の住まい』は五階層になっていて、最終の地下五階に火龍姿のおっさんが待ち構えてる。
 今、その場所は、火の海になっていて、中央では、リョウとクラリーちゃんが背中合わせに座っていて、ココとタマちゃんが怪我の治療をしているようだ。そして、そのまわりをユキが飛び回り、火の威力を抑えていて…念話をしてきたミンテがいない!

『ミンテ?何処だ?』

『リョウ達の影の中ですぅ。空間を創り地竜の剣と地熱を抑えているです』

 無事なのか、良かった。

 俺は、リョウ達とおっさんの間で、火龍姿のおっさんに大弓はを構える。

『おい、ディル!その弓は止めろ!』

 ドや顔で、リョウ達を観ていたおっさんが、俺の姿を見て慌て出す。

「ウチの子、怪我させた罰だ!半年ぐらいおとなしくしてろ!」

 そう言って、俺は、俺の魔力を込めた矢を放つ。

『ぎゃわん』

 火龍が情けない声をだし、光の粒になり消え去った。

「くっ、お前が出て来るのは、反則であろう。リョウ達の負けは変えられんぞ」

 辺りの炎も消え、空間の温度も少し下がってくる。リョウ達の顔色も良くなり、ミンテ達も影から出てきた。
 火龍の姿が消え、人形ひとがたのおっさんが隣に立つ。

「それは、別にいいよ。怪我をさせたお返しだけだから」

「……怪我のお返しが、我の魔力八割も支払うのか…割りに合わんのう。暫く、火龍が出せんではないか」

「良いじゃん。ダンジョン出来て五ヶ月。リョウ達が初めて来たんでしょ?もう半年ぐらい必要ないって」

「ちっ、出番が嬉しくて、つい…痛い目に合ったわい」

 ふっふっふっ、このダンジョン内の魔力は俺にとって本当に相性が良く、かなり自由に出きる。ここでなら、俺でも、おっさん達、神格化した大精霊に負けないというか、おっさん達をも上回る力が出せる。
 今回の大弓も、大精霊の魔力を消し去るもので、この矢で消された魔力は、いくら大精霊でも回復するのに時間が掛かるようにしてあるのだ。

「ちぇっ、やっと、五階に来れたのに、瞬殺だったね」

「…そうですね。覚悟していたのに、モンディール様の魔力に触れた途端、体がすくんでしまいました」

「だね。訓練で慣れていると思ったのに、本番は、やっぱり違うんだね…」

「そうですね。まだまだ、修行が必要ですね」

 落ち込むだけでなく、ちゃんと次をみている。ウチの子、やはり優秀だね♪

「そう簡単には、ヤられる訳にはいかんからな。まだ、成人もしとらんお前達に、負けるわけにはいかんだろう。ハッハッハッ」

 ムッ!

「ちょっ!ディル!その弓を向けるでない!我が消滅してしまうであろう」

「ふん!消滅?神格化してるのだから、消滅なんてしないだろ。冬眠するようなもんじゃないか」

「わわわ!ディル、待った!過激すぎだよ。全部消したら、一年間以上、モンディール様の加護が無くなるんじゃないの?」

「あっ…」

 そうでした。下手になくすと、ハバーの加護やクラリーちゃんの加護が失くなってしまう。
 冷静にならないとね。

「もう、過保護すぎですよ。ディル様」

「ごめん。つい…」

「はぁ、疲れたから、帰ってご飯にしよう」

「よし!市場によって、いろいろ買って帰るか」

「ワンさんのところも寄って行こうね」

「母様に、デザート貰って来ますね」

 今の居住地は、シーズの貸家にそのまま住んでいて、トガレーの家が完成したらそちらに引っ越す予定になっている。
 皆の送り迎えをしていて、貸家の留守番役でもあるバレンを呼んで、帰路につく。

 おっさんには、負けてしまったが、それなりにアイテムが手に入ったので、ギルドで課金し市場へ行き、食べたい物を言い合いながら市場をまわる。

 これから暫くは、こんな感じの生活が続くのだろうなぁと思いながら子供達をみた。

  ※※※※※※※※※※※※※※

 これで一応、完結にしたいと思います。
 今まで、読んでくださりありがとうございました。
 ダンジョンについて書きたい事があったのですが、それは、ディル目線ではなく、リョウ目線で書きたいと思ったので、終わらせることにしました。
 続編として、リョウに語ってもらおうと思っていますので、書き始めたら、よろしくお願いいたします。

 誤字、脱字で読みにくい箇所もあったと思いますが、最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
              カオル 拝

 

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