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ドドソルニア編
鷹狩り(sideハヤト)
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(sideハヤト)
あの夜からラーフの野郎を避けるようになった。逃げているみたいで腹立たしいが、足が勝手に動くから仕方がない。
しかしラーフのクソ野郎のパーティメンバーであるジークさんからは討伐のアドバイスを受けたり、ロロさんとギルド職員のスピカさんとは飲み仲間になった。落ち人仲間であり現世について唯一共通の話題ができるイオとの交流も増えた。その隙を狙ってラーフの馬鹿によって宿にたびたび連れ込まれるようになった。最初は抵抗していたが、戦闘でも魔力でも敵わない格上の相手に逃げ切れるわけがなかった。
その上アイツはどうやって感知しているのか、俺の性欲が溜まってきてそろそろ発散しようかなというタイミングを狙ってやって来る。
俺も次第に諦めて流れに身を任せるようになっていった。一度してしまったものは何度しても同じだろう。そしてたまに女を抱きたいなと思ったときは目敏く察知され、そんな日は酷く抱かれた。翌朝は決まって高級ポーションを飲ませてくるのだが違う、そういうことじゃない。
ダメージが残らなきゃオッケーだとか思ってないか?
そんなセフレみたいな関係になってしばらくしたころ、依頼で数日町を離れていたイオが大怪我をして帰ってきた。後から聞くと落ち人を狙った誘拐事件が多発していて、それに巻き込まれたらしい。どうりで昨日から町を離れた依頼は受理されなかったわけだ。ただ、もう少し早く警戒していればイオは怪我をせずに済んだのではないかと、この世界の情報が回る遅さに辟易した。スマホどころか携帯電話もないもんな。トランシーバー的な短時間のやり取りができる魔道具はあるが一部にしか普及していないし、魔力が豊富でなければ扱うことはできないらしいので使える人が限られている。落ち人でそれ系の知識を持っている人はいないのだろうか?
学歴のない俺には無理だ。
イオが回復するまでの間、ジークさんたちは後処理に奔走していた。ラーフのトリ野郎も忙しくて俺に構っている暇がなさそうだ。だから俺はこの町初の娼館にでも行こうかなといそいそと出かけた。しかしなぜか受付で止められ、しばらく待つように言われる。大人しく待っていたらラーフのバカ野郎が額に青筋を立てて邪悪な笑みを浮かべてやって来た。
そしてそのまま娼館の空き部屋に押し込まれ、めちゃくちゃに抱かれた。こいつは娼館を買収してやがったのだ。この日は更に耳に穴を空けられた。元々ピアスは付けていたのだが、特に思い入れがあるわけではなかったのでこちらに落ちてきたときに換金した。その塞がった穴に無理やり白いピアスをぶっ刺された。
「全く、油断も隙もない人ですね。おいたはしないで下さいね?ああそのピアス、もう取れませんから。」
ピアスは確かに取れなかった。耳を引きちぎる勢いで引っ張っても耳ごと固定されて取れやしない。俺のほうが魔力が少ないので解除の魔法も効かない。
「耳を斬らない限り取れませんよ?まぁそれも保護魔法でガードされますけど。」
詰んだ。
イオの怪我が治ってから彼らのパーティはドドソルニアへ行くと聞いた。俺はイオとジークさんとロロさんにだけ個別に声をかけて挨拶を済ませた。ラーフのボケは知らん。アイツに付けられたピアスは馴染んで気にならなくなったので放っておくことにしたが、人に会う度にピアスをチラ見されてウザったい。
イオたちが旅立ってしばらくは魔獣討伐依頼に専念した。基本はソロだが、スピカさんの勧めでたまにメンバーが不足しているパーティに臨時で入ったりしていたら殊の外俺に合っていたようで、あちこちのパーティに出入りするようになった。
そんな中、あいつがいない今がチャンスだと思い娼館に行ったら勃たなかった。正直ショックだった。その日から娼館から足が遠のいてしまった。それがきっかけかどうかはわからないが、以前は高ランクの魔獣を討伐したときは気持ちが高ぶって発散したくなっていたのだが、最近はどんなに暴れようとも心は凪いでいた。常に賢者モード。俺はこの年で枯れてしまったのだろうか。
ある日、ドドソルニアまでの犯罪者護送の依頼が入ってきた。騎士団から4人の冒険者パーティを希望されていたのだが、手が空いていて護送できるレベルの冒険者パーティが3人組しかいなかったので俺が臨時で加入することになった。以前もこのパーティとは組んだことがあるので問題ない。
護送依頼は話に聞いていた通り、魔獣討伐とはまた違った大変さだった。犯罪者とはこんなにも往生際が悪いのかと呆れたほどだ。
そして無事ドドソルニアに着き、偶然イオに会って今に至る。
イオがジークさんに抱えられてにいなくなったのでここで盗み聞きする必要もなくなり歩道に出る。あのウ◯娘、自分に自信があることを隠しもしないな。ジークがいなくなってすぐ別の男を誘っている。横を通り過ぎようと思ったら腕をガッツリと掴まれた。
「あなた見ない顔ね?人族?」
「はぁ、そうだけど⋯」
しまった。興味を持たれたようだ。
「綺麗な顔ね。気に入ったわ。名前は?」
「⋯ハヤト」
「私はウマ獣人のニギよ。ねぇハヤト、今から私とイイコトしない?」
「こんなに綺麗なお姉さんと?光栄だなぁ。」
性格はともかく、美人で身体付きもエロいし慣れていそうだ。これは俺の無反応な下半身も復活してくれるかもしれない。さて、どうするかなと思っていると後ろから仄暗く重い威圧を感じた。
「ハヤト、君はまだ女を抱けるんですか?」
振り返ると極上の笑みを浮かべたラーフが俺の肩をみしりと音が鳴るほど掴んでいた。
「はぁ?何なんだいきなり。」
「君はまだ女相手に勃つんですかと聞いているんです。」
「勃つに決まってんだろ!」
正直全くその気にはなっていないが、◯ンポ野郎だと思われるのはしゃくだ。
「おかしいですねぇ⋯このピアスの効果は持続しているはずですが?」
「⋯どういうことだ?」
「このピアスであなたの魔力の流れを操作して勃たないようにしていたんですよ。」
「お ま え の せ い か!」
「魔力コントロールの手助けもしてくれるお助け魔道具ですよ。」
「呪いのアイテムだよ!!」
確かに。体が性的に興奮しないだけで魔力操作はスムーズにできていた。むしろ前よりやりやすい。しかしそれはそれとして、
「俺の男としての尊厳を奪っておいてなんでお前が怒ってるんだよ!」
「ウマ獣人の誘いに乗るなんて許しませんよ。これはお仕置きが必要ですね。」
と言われた途端に意識を刈り取られた。
***********************
ふっと意識を取り戻すと騎乗位で串刺しにされていた。寝起きにこれは拷問じゃないか?久しぶりの快感に俺は為す術も無く揺さぶられ続けた。
俺は数日に渡る野宿の依頼を済ませたばかりでへとへとなんですけど!?
夕方に始まったそれは夜更けに俺が気絶するまで続けられた。
***********************
「ハヤトは色んなパーティに臨時加入しているんですよね。器用な君に向いているやり方で良いと思いますよ。」
「そりゃどーも。」
「護送依頼は大変だったようですね。私たちのときは手応えがなかったので羨ましいです。そうそう、イオに宿を進められましたよね?私もそれに賛成ですよ。ちょうどこの隣の部屋を借りる手続きをしちゃいましょうか。」
「ちょっと待て⋯」
「おや、一緒の部屋が良いですか?」
「違う、何でお前はソラレのことや護送依頼やイオと話したことについてそんな詳しいんだ!?」
ラーフはにっこりと笑ってピアスを指差し、
「常にしているわけではありませんが、ピアスを媒介にして魔力を遠隔操作すると周囲の音を拾えるんですよ。」
「盗聴器じゃねーか!!何のために!?」
「そりゃ君の番が現れたら消すためですよ。」
「俺の番⋯?」
「ええハヤト、もし番に出会っても一緒になることはできないので諦めて下さいね。」
俺の番⋯どこの誰だかわからないが、会えば俺を唯一にしてくれる存在だ。積み重ねた時間も、見た目も、性格も全て飛び越えて俺を選んでくれる存在。それを俺から取り上げるのか?なぜそこまで俺を求める?
「そんな⋯そんなこと言ってお前もお前の番に会えばそっちに行くんだろう!?」
「なんですかそんなこと⋯もう私は番を見つけてますよ。あなたも会ったことがあります。」
「え!?」
「今日⋯もう昨日ですね。イオと武器屋に行ったでしょう?あそこのシエロという店主の鍛冶職人が私の番ですよ。」
「ええ!?じゃおま⋯番がいながら俺に粉かけ⋯」
「いいえ?彼とは仕事の付き合い以外一切関わりはありませんよ?」
どういうことだ?番は獣人にとって唯一無二で出会ったら必然的に一緒になるものかと思っていたのに⋯?
「⋯なんで一緒にならなかったんだ?」
「顔が好みじゃなかったからです。」
⋯は???
「え?は?顔?」
「ええ、そしてあの鍛冶馬鹿も"仕事の邪魔だから片割れはいらない"と言って武器のメンテだけして私を店から追い出しました。」
「ソウデスカ⋯え?ちなみに何で俺?」
「顔が好みだったからです。」
え、何こいつ。結局顔?
俺の顔しか見てねぇの?
「何ですかその不服そうな顔は。そもそも君も私の顔で抱けるか判断したでしょう?」
「う⋯まぁ、確かに。」
「それに顔なんてきっかけでしかありませんよ。私は君の意外とチョロいところも、器用に見せて人に踏み込めない不器用さも、愛情に飢えているところも好ましいと思っていますよ。」
「お前⋯俺のこと好きなの?」
「当たり前でしょう。」
そうか、好きなのか。自分の番を選ばず、俺のまだ出会っていない番に殺意を抱くほどの感情がいま、俺に向けられている。
「ハヤト、私は狙った獲物は逃がしません。諦めて下さい。」
俺はとんでもない獣に捕まってしまったようだ。
*************************
束縛も盗聴も罪悪感一切無し。
・ラーフとシエロの関係
個人として全く興味はないが、仕事に関してはお互い認めている。
あの夜からラーフの野郎を避けるようになった。逃げているみたいで腹立たしいが、足が勝手に動くから仕方がない。
しかしラーフのクソ野郎のパーティメンバーであるジークさんからは討伐のアドバイスを受けたり、ロロさんとギルド職員のスピカさんとは飲み仲間になった。落ち人仲間であり現世について唯一共通の話題ができるイオとの交流も増えた。その隙を狙ってラーフの馬鹿によって宿にたびたび連れ込まれるようになった。最初は抵抗していたが、戦闘でも魔力でも敵わない格上の相手に逃げ切れるわけがなかった。
その上アイツはどうやって感知しているのか、俺の性欲が溜まってきてそろそろ発散しようかなというタイミングを狙ってやって来る。
俺も次第に諦めて流れに身を任せるようになっていった。一度してしまったものは何度しても同じだろう。そしてたまに女を抱きたいなと思ったときは目敏く察知され、そんな日は酷く抱かれた。翌朝は決まって高級ポーションを飲ませてくるのだが違う、そういうことじゃない。
ダメージが残らなきゃオッケーだとか思ってないか?
そんなセフレみたいな関係になってしばらくしたころ、依頼で数日町を離れていたイオが大怪我をして帰ってきた。後から聞くと落ち人を狙った誘拐事件が多発していて、それに巻き込まれたらしい。どうりで昨日から町を離れた依頼は受理されなかったわけだ。ただ、もう少し早く警戒していればイオは怪我をせずに済んだのではないかと、この世界の情報が回る遅さに辟易した。スマホどころか携帯電話もないもんな。トランシーバー的な短時間のやり取りができる魔道具はあるが一部にしか普及していないし、魔力が豊富でなければ扱うことはできないらしいので使える人が限られている。落ち人でそれ系の知識を持っている人はいないのだろうか?
学歴のない俺には無理だ。
イオが回復するまでの間、ジークさんたちは後処理に奔走していた。ラーフのトリ野郎も忙しくて俺に構っている暇がなさそうだ。だから俺はこの町初の娼館にでも行こうかなといそいそと出かけた。しかしなぜか受付で止められ、しばらく待つように言われる。大人しく待っていたらラーフのバカ野郎が額に青筋を立てて邪悪な笑みを浮かべてやって来た。
そしてそのまま娼館の空き部屋に押し込まれ、めちゃくちゃに抱かれた。こいつは娼館を買収してやがったのだ。この日は更に耳に穴を空けられた。元々ピアスは付けていたのだが、特に思い入れがあるわけではなかったのでこちらに落ちてきたときに換金した。その塞がった穴に無理やり白いピアスをぶっ刺された。
「全く、油断も隙もない人ですね。おいたはしないで下さいね?ああそのピアス、もう取れませんから。」
ピアスは確かに取れなかった。耳を引きちぎる勢いで引っ張っても耳ごと固定されて取れやしない。俺のほうが魔力が少ないので解除の魔法も効かない。
「耳を斬らない限り取れませんよ?まぁそれも保護魔法でガードされますけど。」
詰んだ。
イオの怪我が治ってから彼らのパーティはドドソルニアへ行くと聞いた。俺はイオとジークさんとロロさんにだけ個別に声をかけて挨拶を済ませた。ラーフのボケは知らん。アイツに付けられたピアスは馴染んで気にならなくなったので放っておくことにしたが、人に会う度にピアスをチラ見されてウザったい。
イオたちが旅立ってしばらくは魔獣討伐依頼に専念した。基本はソロだが、スピカさんの勧めでたまにメンバーが不足しているパーティに臨時で入ったりしていたら殊の外俺に合っていたようで、あちこちのパーティに出入りするようになった。
そんな中、あいつがいない今がチャンスだと思い娼館に行ったら勃たなかった。正直ショックだった。その日から娼館から足が遠のいてしまった。それがきっかけかどうかはわからないが、以前は高ランクの魔獣を討伐したときは気持ちが高ぶって発散したくなっていたのだが、最近はどんなに暴れようとも心は凪いでいた。常に賢者モード。俺はこの年で枯れてしまったのだろうか。
ある日、ドドソルニアまでの犯罪者護送の依頼が入ってきた。騎士団から4人の冒険者パーティを希望されていたのだが、手が空いていて護送できるレベルの冒険者パーティが3人組しかいなかったので俺が臨時で加入することになった。以前もこのパーティとは組んだことがあるので問題ない。
護送依頼は話に聞いていた通り、魔獣討伐とはまた違った大変さだった。犯罪者とはこんなにも往生際が悪いのかと呆れたほどだ。
そして無事ドドソルニアに着き、偶然イオに会って今に至る。
イオがジークさんに抱えられてにいなくなったのでここで盗み聞きする必要もなくなり歩道に出る。あのウ◯娘、自分に自信があることを隠しもしないな。ジークがいなくなってすぐ別の男を誘っている。横を通り過ぎようと思ったら腕をガッツリと掴まれた。
「あなた見ない顔ね?人族?」
「はぁ、そうだけど⋯」
しまった。興味を持たれたようだ。
「綺麗な顔ね。気に入ったわ。名前は?」
「⋯ハヤト」
「私はウマ獣人のニギよ。ねぇハヤト、今から私とイイコトしない?」
「こんなに綺麗なお姉さんと?光栄だなぁ。」
性格はともかく、美人で身体付きもエロいし慣れていそうだ。これは俺の無反応な下半身も復活してくれるかもしれない。さて、どうするかなと思っていると後ろから仄暗く重い威圧を感じた。
「ハヤト、君はまだ女を抱けるんですか?」
振り返ると極上の笑みを浮かべたラーフが俺の肩をみしりと音が鳴るほど掴んでいた。
「はぁ?何なんだいきなり。」
「君はまだ女相手に勃つんですかと聞いているんです。」
「勃つに決まってんだろ!」
正直全くその気にはなっていないが、◯ンポ野郎だと思われるのはしゃくだ。
「おかしいですねぇ⋯このピアスの効果は持続しているはずですが?」
「⋯どういうことだ?」
「このピアスであなたの魔力の流れを操作して勃たないようにしていたんですよ。」
「お ま え の せ い か!」
「魔力コントロールの手助けもしてくれるお助け魔道具ですよ。」
「呪いのアイテムだよ!!」
確かに。体が性的に興奮しないだけで魔力操作はスムーズにできていた。むしろ前よりやりやすい。しかしそれはそれとして、
「俺の男としての尊厳を奪っておいてなんでお前が怒ってるんだよ!」
「ウマ獣人の誘いに乗るなんて許しませんよ。これはお仕置きが必要ですね。」
と言われた途端に意識を刈り取られた。
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ふっと意識を取り戻すと騎乗位で串刺しにされていた。寝起きにこれは拷問じゃないか?久しぶりの快感に俺は為す術も無く揺さぶられ続けた。
俺は数日に渡る野宿の依頼を済ませたばかりでへとへとなんですけど!?
夕方に始まったそれは夜更けに俺が気絶するまで続けられた。
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「ハヤトは色んなパーティに臨時加入しているんですよね。器用な君に向いているやり方で良いと思いますよ。」
「そりゃどーも。」
「護送依頼は大変だったようですね。私たちのときは手応えがなかったので羨ましいです。そうそう、イオに宿を進められましたよね?私もそれに賛成ですよ。ちょうどこの隣の部屋を借りる手続きをしちゃいましょうか。」
「ちょっと待て⋯」
「おや、一緒の部屋が良いですか?」
「違う、何でお前はソラレのことや護送依頼やイオと話したことについてそんな詳しいんだ!?」
ラーフはにっこりと笑ってピアスを指差し、
「常にしているわけではありませんが、ピアスを媒介にして魔力を遠隔操作すると周囲の音を拾えるんですよ。」
「盗聴器じゃねーか!!何のために!?」
「そりゃ君の番が現れたら消すためですよ。」
「俺の番⋯?」
「ええハヤト、もし番に出会っても一緒になることはできないので諦めて下さいね。」
俺の番⋯どこの誰だかわからないが、会えば俺を唯一にしてくれる存在だ。積み重ねた時間も、見た目も、性格も全て飛び越えて俺を選んでくれる存在。それを俺から取り上げるのか?なぜそこまで俺を求める?
「そんな⋯そんなこと言ってお前もお前の番に会えばそっちに行くんだろう!?」
「なんですかそんなこと⋯もう私は番を見つけてますよ。あなたも会ったことがあります。」
「え!?」
「今日⋯もう昨日ですね。イオと武器屋に行ったでしょう?あそこのシエロという店主の鍛冶職人が私の番ですよ。」
「ええ!?じゃおま⋯番がいながら俺に粉かけ⋯」
「いいえ?彼とは仕事の付き合い以外一切関わりはありませんよ?」
どういうことだ?番は獣人にとって唯一無二で出会ったら必然的に一緒になるものかと思っていたのに⋯?
「⋯なんで一緒にならなかったんだ?」
「顔が好みじゃなかったからです。」
⋯は???
「え?は?顔?」
「ええ、そしてあの鍛冶馬鹿も"仕事の邪魔だから片割れはいらない"と言って武器のメンテだけして私を店から追い出しました。」
「ソウデスカ⋯え?ちなみに何で俺?」
「顔が好みだったからです。」
え、何こいつ。結局顔?
俺の顔しか見てねぇの?
「何ですかその不服そうな顔は。そもそも君も私の顔で抱けるか判断したでしょう?」
「う⋯まぁ、確かに。」
「それに顔なんてきっかけでしかありませんよ。私は君の意外とチョロいところも、器用に見せて人に踏み込めない不器用さも、愛情に飢えているところも好ましいと思っていますよ。」
「お前⋯俺のこと好きなの?」
「当たり前でしょう。」
そうか、好きなのか。自分の番を選ばず、俺のまだ出会っていない番に殺意を抱くほどの感情がいま、俺に向けられている。
「ハヤト、私は狙った獲物は逃がしません。諦めて下さい。」
俺はとんでもない獣に捕まってしまったようだ。
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束縛も盗聴も罪悪感一切無し。
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