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本編
ギルマスの独白(sideワグナー)
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(sideワグナー/冒険者ギルドマスター)
*************************************
5年前に異世界から落ちてきたイオは随分と大人しい少年だった。淡々と状況を受け入れていて、それは諦めにも近い印象を受けた。落ち人は落ちてきてすぐのときは自暴自棄になるか、現実逃避をするか、とにかく冷静に話すことができなくなる。
この目の前の少年のように。
「もしかして異世界転生!?僕って勇者なの!?魔王を倒しに行くんだよね!」
「いや、勇者なんていないぞ。魔王もいない。」
「でも剣と魔法の世界なんでしょ?俺TUEEE展開キタ!?」
「剣も魔法もあるが"ちーと"はないぞ。」
「えー!じゃあ何のための異世界なのさ!神様に抗議する!」
「"カミサマ"もいないぞ。お前はここに来る前にそのカミサマとやらに会ったりしたのか?」
「会ってないけど⋯」
5年ぶりの落ち人は典型的な「勇者脳(=自分を勇者だと思い込む)」の14歳の少年だった。ちなみに少女の場合は「聖女脳」のパターンが多い。
過去の落ち人たちに話を聞くと、どうやら異世界では勇者や聖女になって魔王を倒す創作物が流行っているらしい。落ち人を保護したらまずはこの誤解を正すことから始まる。
落ち人の歴史は古く、この国が建国されたときから存在していたらしい。
異世界と一言に言っても、同じ世界とは限らない。同じ名前の国出身でも実は別世界だったということもある。何にせよ、この世界以外はまとめて異世界と呼んでいる。
落ち人は優秀な人物もいれば、なんの特技もない普通の人物もいる。共通しているのは元の世界で命を落とした人族ということだった。
この世界に落ち人が現れたら近くのギルドが保護をするという決まりは俺が作ったものだ。その理由については俺の「半身」の存在が大きく関わってくる。
俺の半身は「人族の国」の貴族の娘だった。閉鎖的な自国「龍人の国」を飛び出して各国を転々としていたらこの国で半身に出会った。猛烈なアピールの結果、条件付きで交際を許された。そのころ人族の国の周辺国との関係は戦争とまではいかないが、小競り合いは頻繁に起こっていた。1人いれば周辺国の牽制になるくらい龍人の力は絶大だったので、人族は俺を国に縛る道具として彼女を利用した。
条件とは彼女の死後も人族の国に居を構え、国に尽力すること。俺はそれを受け入れ、契約魔法をかけた。考えなしに決めた訳ではない。人族の寿命は約100歳。対して龍人は1000歳だ。もたもたしていたら半身の寿命が尽きてしまう。特に俺の半身は身体が弱かった。
魔力が高ければ平均寿命は延びる。また、伴侶が長命だと一緒にいるうちにある程度寿命は引っ張られる。長くは生きられないと言われた俺の半身は112歳まで生きてこの世を去った。人族としては長い寿命だが、俺にとっては瞬く間だった。彼女がいなくなったと同時に家名は意味を成さない物になったので捨てた。子供は望めず、彼女にとって政略結婚のようなものだったが、最期には幸せだったと笑っていた。
契約は半身の死後も続く。しかしある程度時が経つと国の上層部は入れ替わっている。俺は才能ある若者たちに剣や魔法を指南して人脈を広げていった。
世代交代で上層部のほとんどの人間が俺の教え子に代わり活動しやすくなったころ、冒険者ギルドに腰を据えることにした。今ではのらりくらりと余生を楽しませてもらっている。
落ち人の保護については半身が学生のときの友人に落ち人がいて、自分は運良く貴族に保護されたが後ろ盾もなく突然異世界に放り出されて野垂れ死んでしまう人もいると聞いたそうだ。
それを不憫に思い、どうにかしたいと相談をされたことがきっかけだった。俺は放浪していたときに知り合ったドワーフの国とエルフの国の友人に協力してもらい魔道具を作った。
それはある範囲内に落ち人が現れると居場所がわかる仕組みだ。これを各ギルドに配布し、落ち人保護に関するルールを作った。
ついでに周辺国との和平協定を結び、5カ国から争いを無くした。各国トップが放浪時代の顔見知りばかりだったから楽なもんだった。
こうして落ち人保護の仕組みが整い、多くの異世界人を保護した。イオはその何人もの落ち人の中の1人に過ぎなかった。
**************************
「ギルドカードを作るからこの魔道具に手を当ててみろ。」
「ステータスイベントだ!」
なんだそりゃ。
魔道具で少年の魔力量を測る。うん、多いな。イオのときは少なすぎて頭を抱えた。しかし彼は魔力が少ないなりに自分で工夫して立派に冒険者として活動している。
「名前を登録するぞ。あだ名でも偽名でもいいぞ。」
「本名で登録しなくてもいいの?」
「魔力で個人を特定するからな。名前は重要ではない。」
ある程度の説明をしてから教育係にスピカを呼び出す。
「めっちゃ美人!!ハーレム展開期待できる!?」
「そいつ男だぞ。」
******************************
「ギルマス!何なんですかあの子!」
落ち人教育担当のスピカが執務室に飛び込んできたと同時に積み上げていた書類が音を立てて崩れた。
「ああもう!また書類溜め込んで!部屋も汚い!」
「明日イオに部屋掃除の指名依頼出してるからいいんだよ。」
「ついでに書類処理も手伝わせるつもりですね?イオは職員じゃないんですよ。」
「あああ~職員は元Aランク冒険者って条件つけたの誰だぁー俺だぁー!」
ギルド職員は人気職だ。しかし冒険者同士の争いを体を張って止めたり、新人冒険者の指導、ランクアップ試験の監督、有事のときには戦闘に参加する義務などがあるため強さが求められる。
なので強さの基準がわかりやすい元Aランク冒険者という条件を入れた。スピカも元Aランク冒険者だ。しかもこいつは成人して2年でAランクになり即ギルド職員になった変わり者だった。
イオは几帳面な奴だとすぐにわかったので、どうしても人手が足りないときに執務室の片付けをやらせてみたら期待以上に綺麗にしてくれた。ついでに書類の処理をやらせてみるとすぐに覚えた。とにかく計算が早い。
そもそも文字を書けるということが即戦力になる。この国の平民は商人以外は文字の読み書きができない者は多いので、自分の名前さえ書けたら大概はどうにかなる。そして落ち人は文字は読めるが書けないという者が多い。
しかしイオは「文字を読める力が突然無くなったら困るから」という理由で独学で文字を書けるようになっていた。これでもし言葉を聞き取る力が無くなっても筆談はできると言っていた。危機管理能力も高い。職員にスカウトしたいがイオはまだCランクだ。
「それで?新人くんがなんだ?依頼はこなしてるんだろう?」
生活や冒険者活動に必要な知識は教え終わって、今は草原での薬草採取と低ランク魔獣の討伐で実践経験を積んでいる頃だろう。
「薬草採取の依頼はあまりやりたがらず、処理も雑です。そしてとにかく討伐をやりたがる。魔法も魔力の多さに胡座をかいて大技を連発してすぐに魔力切れを起こしています。そのくせ草原には低ランク魔獣しかいないと不満を漏らしています。」
定型的な「勇者脳」タイプだな。自分には秘められた力があると信じて疑わず、ピンチになると力を発揮すると思っている。ここでのピンチは="死"だ。
冒険者は最も死に近い職業だ。いつどこで何をきっかけに命を落とすかわからない。それだけリターンも大きいのだが。
今日もAランク冒険者のギルドカードが1枚持ち込まれた。Aランクパーティが赤毛熊の討伐に失敗して、1人の犠牲者が出た。死体を運ぶことが困難な場合は個人を特定できるギルドカードを持ち帰る決まりがある。同じパーティメンバーに限らず、冒険者の死体を見つけた場合でも発見者がギルドカードを回収する。
「イオと組ませてあいつの几帳面さを学ばせるか?」
「絶対合わないです。余計なことはやめて下さい。」
こいつ俺が以前イオと要注意パーティを勝手に組ませた事を根に持っているな。
イオはあまり人と関わらないようにしていた。依頼の受注や報告も混雑時を避け、時間が空くとギルドの図書室に籠もっている。今回新しい落ち人が来たことすら知らないんじゃないか?
何か理由あってのことだとは思うがこのまま人を避けても良いことはないので荒療治のつもりでパーティを組ませた。
龍人は子供を谷に突き落として強さを身に着けさせる。俺には子供はいないが過去の教え子たちも我が子のように厳しく指南してきた。イオにも反骨精神を学んで欲しかったのだが、やり方を間違えたようでスピカにめちゃくちゃ怒られた。耄碌爺は言い過ぎじゃない?見た目は40代だよ?
長命種はある程度大きくなると成長がゆっくりになる。半身には「あなたばかり若くてずるいわね」と言われたものだが俺の半身は年を取っても美しかった。
「もう少し草原で経験を積ませとけ。その様子じゃ森はまだ許可できないな。」
「わかりました。しかし僕も常に依頼に付き合えるわけではないですよ?」
「そこまでおんぶに抱っこじゃそいつのためにならんだろ。Dランクになるまで森は立ち入り禁止だと言っておけ。」
******************************
Bランクパーティから魔狼の群れの討伐完了の報告が届いた。先日イオが情報提供したやつだな。魔狼は単体だとCランク冒険者でも討伐できるが、群れになるとBランクパーティでも討伐は難しくなる。情報提供を受けてすぐに討伐依頼を出すことにした。
そして討伐完了報告と共に魔狼の餌場から持ち出された落ち人冒険者くんのギルドカードも提出された。
******************************
ギルマスこそが俺TUEEEのチート持ち。
私はチートのない異世界で生き残れる気がしません。
以下、読まなくても大丈夫な設定。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
【落ち人保護共通マニュアル】
冒険者ギルド/商業ギルド/医療ギルド各位
・落ち人が現れた際、最寄りの各ギルドのギルドマスターが主体となって保護をする
・落ち人が12歳以下の場合は孤児院に預ける
・保護後、速やかにギルドカードを作成し国に報告する
・落ち人に衣食住を提供し、職業を斡旋する
・かかった費用は落ち人が就職してから無理のない範囲で徴収する
・もし落ち人が何らかの理由で返済が不可能になった場合は国が負担をする(手続き要)
・落ち人を不当に扱った場合は罪に問われる
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5年前に異世界から落ちてきたイオは随分と大人しい少年だった。淡々と状況を受け入れていて、それは諦めにも近い印象を受けた。落ち人は落ちてきてすぐのときは自暴自棄になるか、現実逃避をするか、とにかく冷静に話すことができなくなる。
この目の前の少年のように。
「もしかして異世界転生!?僕って勇者なの!?魔王を倒しに行くんだよね!」
「いや、勇者なんていないぞ。魔王もいない。」
「でも剣と魔法の世界なんでしょ?俺TUEEE展開キタ!?」
「剣も魔法もあるが"ちーと"はないぞ。」
「えー!じゃあ何のための異世界なのさ!神様に抗議する!」
「"カミサマ"もいないぞ。お前はここに来る前にそのカミサマとやらに会ったりしたのか?」
「会ってないけど⋯」
5年ぶりの落ち人は典型的な「勇者脳(=自分を勇者だと思い込む)」の14歳の少年だった。ちなみに少女の場合は「聖女脳」のパターンが多い。
過去の落ち人たちに話を聞くと、どうやら異世界では勇者や聖女になって魔王を倒す創作物が流行っているらしい。落ち人を保護したらまずはこの誤解を正すことから始まる。
落ち人の歴史は古く、この国が建国されたときから存在していたらしい。
異世界と一言に言っても、同じ世界とは限らない。同じ名前の国出身でも実は別世界だったということもある。何にせよ、この世界以外はまとめて異世界と呼んでいる。
落ち人は優秀な人物もいれば、なんの特技もない普通の人物もいる。共通しているのは元の世界で命を落とした人族ということだった。
この世界に落ち人が現れたら近くのギルドが保護をするという決まりは俺が作ったものだ。その理由については俺の「半身」の存在が大きく関わってくる。
俺の半身は「人族の国」の貴族の娘だった。閉鎖的な自国「龍人の国」を飛び出して各国を転々としていたらこの国で半身に出会った。猛烈なアピールの結果、条件付きで交際を許された。そのころ人族の国の周辺国との関係は戦争とまではいかないが、小競り合いは頻繁に起こっていた。1人いれば周辺国の牽制になるくらい龍人の力は絶大だったので、人族は俺を国に縛る道具として彼女を利用した。
条件とは彼女の死後も人族の国に居を構え、国に尽力すること。俺はそれを受け入れ、契約魔法をかけた。考えなしに決めた訳ではない。人族の寿命は約100歳。対して龍人は1000歳だ。もたもたしていたら半身の寿命が尽きてしまう。特に俺の半身は身体が弱かった。
魔力が高ければ平均寿命は延びる。また、伴侶が長命だと一緒にいるうちにある程度寿命は引っ張られる。長くは生きられないと言われた俺の半身は112歳まで生きてこの世を去った。人族としては長い寿命だが、俺にとっては瞬く間だった。彼女がいなくなったと同時に家名は意味を成さない物になったので捨てた。子供は望めず、彼女にとって政略結婚のようなものだったが、最期には幸せだったと笑っていた。
契約は半身の死後も続く。しかしある程度時が経つと国の上層部は入れ替わっている。俺は才能ある若者たちに剣や魔法を指南して人脈を広げていった。
世代交代で上層部のほとんどの人間が俺の教え子に代わり活動しやすくなったころ、冒険者ギルドに腰を据えることにした。今ではのらりくらりと余生を楽しませてもらっている。
落ち人の保護については半身が学生のときの友人に落ち人がいて、自分は運良く貴族に保護されたが後ろ盾もなく突然異世界に放り出されて野垂れ死んでしまう人もいると聞いたそうだ。
それを不憫に思い、どうにかしたいと相談をされたことがきっかけだった。俺は放浪していたときに知り合ったドワーフの国とエルフの国の友人に協力してもらい魔道具を作った。
それはある範囲内に落ち人が現れると居場所がわかる仕組みだ。これを各ギルドに配布し、落ち人保護に関するルールを作った。
ついでに周辺国との和平協定を結び、5カ国から争いを無くした。各国トップが放浪時代の顔見知りばかりだったから楽なもんだった。
こうして落ち人保護の仕組みが整い、多くの異世界人を保護した。イオはその何人もの落ち人の中の1人に過ぎなかった。
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「ギルドカードを作るからこの魔道具に手を当ててみろ。」
「ステータスイベントだ!」
なんだそりゃ。
魔道具で少年の魔力量を測る。うん、多いな。イオのときは少なすぎて頭を抱えた。しかし彼は魔力が少ないなりに自分で工夫して立派に冒険者として活動している。
「名前を登録するぞ。あだ名でも偽名でもいいぞ。」
「本名で登録しなくてもいいの?」
「魔力で個人を特定するからな。名前は重要ではない。」
ある程度の説明をしてから教育係にスピカを呼び出す。
「めっちゃ美人!!ハーレム展開期待できる!?」
「そいつ男だぞ。」
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「ギルマス!何なんですかあの子!」
落ち人教育担当のスピカが執務室に飛び込んできたと同時に積み上げていた書類が音を立てて崩れた。
「ああもう!また書類溜め込んで!部屋も汚い!」
「明日イオに部屋掃除の指名依頼出してるからいいんだよ。」
「ついでに書類処理も手伝わせるつもりですね?イオは職員じゃないんですよ。」
「あああ~職員は元Aランク冒険者って条件つけたの誰だぁー俺だぁー!」
ギルド職員は人気職だ。しかし冒険者同士の争いを体を張って止めたり、新人冒険者の指導、ランクアップ試験の監督、有事のときには戦闘に参加する義務などがあるため強さが求められる。
なので強さの基準がわかりやすい元Aランク冒険者という条件を入れた。スピカも元Aランク冒険者だ。しかもこいつは成人して2年でAランクになり即ギルド職員になった変わり者だった。
イオは几帳面な奴だとすぐにわかったので、どうしても人手が足りないときに執務室の片付けをやらせてみたら期待以上に綺麗にしてくれた。ついでに書類の処理をやらせてみるとすぐに覚えた。とにかく計算が早い。
そもそも文字を書けるということが即戦力になる。この国の平民は商人以外は文字の読み書きができない者は多いので、自分の名前さえ書けたら大概はどうにかなる。そして落ち人は文字は読めるが書けないという者が多い。
しかしイオは「文字を読める力が突然無くなったら困るから」という理由で独学で文字を書けるようになっていた。これでもし言葉を聞き取る力が無くなっても筆談はできると言っていた。危機管理能力も高い。職員にスカウトしたいがイオはまだCランクだ。
「それで?新人くんがなんだ?依頼はこなしてるんだろう?」
生活や冒険者活動に必要な知識は教え終わって、今は草原での薬草採取と低ランク魔獣の討伐で実践経験を積んでいる頃だろう。
「薬草採取の依頼はあまりやりたがらず、処理も雑です。そしてとにかく討伐をやりたがる。魔法も魔力の多さに胡座をかいて大技を連発してすぐに魔力切れを起こしています。そのくせ草原には低ランク魔獣しかいないと不満を漏らしています。」
定型的な「勇者脳」タイプだな。自分には秘められた力があると信じて疑わず、ピンチになると力を発揮すると思っている。ここでのピンチは="死"だ。
冒険者は最も死に近い職業だ。いつどこで何をきっかけに命を落とすかわからない。それだけリターンも大きいのだが。
今日もAランク冒険者のギルドカードが1枚持ち込まれた。Aランクパーティが赤毛熊の討伐に失敗して、1人の犠牲者が出た。死体を運ぶことが困難な場合は個人を特定できるギルドカードを持ち帰る決まりがある。同じパーティメンバーに限らず、冒険者の死体を見つけた場合でも発見者がギルドカードを回収する。
「イオと組ませてあいつの几帳面さを学ばせるか?」
「絶対合わないです。余計なことはやめて下さい。」
こいつ俺が以前イオと要注意パーティを勝手に組ませた事を根に持っているな。
イオはあまり人と関わらないようにしていた。依頼の受注や報告も混雑時を避け、時間が空くとギルドの図書室に籠もっている。今回新しい落ち人が来たことすら知らないんじゃないか?
何か理由あってのことだとは思うがこのまま人を避けても良いことはないので荒療治のつもりでパーティを組ませた。
龍人は子供を谷に突き落として強さを身に着けさせる。俺には子供はいないが過去の教え子たちも我が子のように厳しく指南してきた。イオにも反骨精神を学んで欲しかったのだが、やり方を間違えたようでスピカにめちゃくちゃ怒られた。耄碌爺は言い過ぎじゃない?見た目は40代だよ?
長命種はある程度大きくなると成長がゆっくりになる。半身には「あなたばかり若くてずるいわね」と言われたものだが俺の半身は年を取っても美しかった。
「もう少し草原で経験を積ませとけ。その様子じゃ森はまだ許可できないな。」
「わかりました。しかし僕も常に依頼に付き合えるわけではないですよ?」
「そこまでおんぶに抱っこじゃそいつのためにならんだろ。Dランクになるまで森は立ち入り禁止だと言っておけ。」
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Bランクパーティから魔狼の群れの討伐完了の報告が届いた。先日イオが情報提供したやつだな。魔狼は単体だとCランク冒険者でも討伐できるが、群れになるとBランクパーティでも討伐は難しくなる。情報提供を受けてすぐに討伐依頼を出すことにした。
そして討伐完了報告と共に魔狼の餌場から持ち出された落ち人冒険者くんのギルドカードも提出された。
******************************
ギルマスこそが俺TUEEEのチート持ち。
私はチートのない異世界で生き残れる気がしません。
以下、読まなくても大丈夫な設定。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
【落ち人保護共通マニュアル】
冒険者ギルド/商業ギルド/医療ギルド各位
・落ち人が現れた際、最寄りの各ギルドのギルドマスターが主体となって保護をする
・落ち人が12歳以下の場合は孤児院に預ける
・保護後、速やかにギルドカードを作成し国に報告する
・落ち人に衣食住を提供し、職業を斡旋する
・かかった費用は落ち人が就職してから無理のない範囲で徴収する
・もし落ち人が何らかの理由で返済が不可能になった場合は国が負担をする(手続き要)
・落ち人を不当に扱った場合は罪に問われる
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