【本編完結】落ちた先の異世界で番と言われてもわかりません

ミミナガ

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本編

イオの過去(前半sideジーク)

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 (sideジーク)

 イオがサッと青ざめた。
 黒髪黒目の落ち人おちびとはどうやらイオのことを知っているようだ。いや、話しぶりからして弟の知り合いで間接的にイオを知ったということか?
 イオはジワジワと後退り「すみません、用事を思い出しました!」と言って走り出した。急いで追いかけるが木の陰でイオの体が隠れた途端、突然イオの気配が消えた。
 先程までそこにあった足音、魔力の気配、匂い全てが突如完全な無になった。どういう事だ?冷静になれなかった俺は連絡用魔道具でワグナーを呼び出した。

「ワグナー、イオが突然消えた。何も感知出来ない。」
「あー、大丈夫だ。その状態のイオには誰も手出しは出来ない。」
「は?なんでお前が知ってるんだ?」
「人に聞いておいてそれかよ!」

 俺の知らないイオを知っているワグナーに腹は立つが、危険な状態ではないということは信じよう。最後に感知した気配からして町に向かっているだろうから一先ずラーフとロロあいつらの所に戻ろう。

*********************************

(sideイオ)

 咄嗟に逃げてしまった。
 宿に戻り、布団に飛び込んでからやっと頭が回り始めた。魔力がほとんど無くなったのに〘認識阻害〙を使ったので本当にスッカラカンだ。 汚い体で布団に入るのは嫌だったが仕方がない。回復したら重ねがけしよう。魔力が無くなってもただ魔法が使えなくなるだけで特に体調に変化は出ない。よく物語で見る魔力枯渇で死にそうになるという事態は起こらない。時間が経てば回復するし、食事や睡眠で回復スピードは上がる。

 あの落ち人おちびとの人にも失礼なことをしてしまった。ジークたちも変に思っているだろうな。自分の中で消化できていると思っていた気持ちはまだ俺の心で燻っていたらしい。
 久しぶりに聞いた弟の名前。この世界では俺はイオとして誰もが接する。でも落ち人おちびとの彼にとっては「THUMUつむの兄」でしかない。久しぶりに感じる、僕がイオとして存在しない感覚。モヤモヤした気持ちでベッドでゴロついていたらいつの間にか眠っていた。

***************************

 扉を叩く音で目が覚めた。窓の外は真っ暗で、うっかり寝すぎてしまったようだ。半分ほど回復した魔力で自分とベッドに浄化魔法をかけて入口に向かう。誰だろう?ここに人が訪ねてくるのは初めてだ。扉を開けるとジークが心配そうな顔で立っていた。

「ジーク?どうしたんですか?」
「寝ていたのか?起こして悪かったな。腹は空いてないか?」

 そういえば何も食べずに寝たんだった。自覚した途端にぐぅっとお腹が鳴った。

「色々買ってきたから一緒に食べよう。入ってもいいか?」
「はい。あ、ここで靴は脱いで下さい。」
「靴を?」
「はい、慣れないでしょうが。」
「いや、獣人にも室内では靴を脱ぐ習慣のある種族もいるから珍しくはない。イオの国のことを知れて嬉しい。」

 俺が自分で決めた境目でジークが靴を脱ぐ。お客様用スリッパなんてないけどまぁいいか。そういえば依頼達成報告もせずに帰ってしまったので謝ると問題ないと返してくれた。
 確かに報告は代表者が1人いればできるものなので、ラーフさんとロロさんは毎回ジークに押し付けて帰っていた。俺はいつも報告まで付き合っていたので何度か宿まで送ってもらったことはあるが、中に招いたのは初めてだ。送ってもらうことは必要ないと断っても「俺がイオとまだ話したいんだ」と言われると断れなかった。
 何故か尻尾を振りながら部屋を眺めている。見て楽しめる物は何もないんだけど。机もない狭い部屋なので殺人蜂キラービー討伐のときに余った板をベッドに敷いて机代わりにした。他愛のない話をしながら食事を取る。並べられた沢山の料理のほとんどはジークの胃に収められた。本当によく食べるな。

 食後にコーヒーを飲む。過去の落ち人おちびとが栽培、焙煎に成功して世の中に広まったコーヒーは溶かすだけの粉タイプでも売っている。香りは薄いが味がしっかりとしていてミルクを入れて飲むのが美味しい。魔法でお湯を出して机がないので手でマグカップを持ったまま一息つく。コーヒーを飲み終わるとジークが俺のマグカップを取り、サッと浄化魔法をかけた。

「なぁイオ。なにを怖がってるんだ?」
 
 いきなり核心をつかれた。

「俺は一緒の時間を過ごしてきてイオを大切な人だと思っている。俺に少しでも気を許してくれるならその胸の内を明かしてはくれないか?」

 "大切な人"と言われたことが単純に嬉しい。でも誰にも言ったことのない気持ちを話すのは怖い。

「俺の気持ちなんて人から見たら大したことのない自分勝手で醜くて話せるようなものじゃないです。」
「それは⋯イオからすると"大したこと"なんだろう?」

 どきりとした。

「俺は絶対にイオを軽んじたりしない。信じられないか?」

 話してもいいのかな?
 地味でつまらないの日常だった過去のこと。
 幻滅したりしないかな?
 うまく説明できない嫉妬と虚無感に駆られた気持ちのこと。
 
「あまり面白くない話ですけど聞いてくれますか?」

 ぽつりぽつりと思い出しながらこの世界に来る前のことを話し始めた。

*********************************

 僕の母は日本で生まれ育ったアメリカ人だった。金髪碧眼で子供から見ても綺麗だと思える人だった。僕と1つ下の弟はいわゆるハーフダブルで、弟は母そっくりの金髪碧眼を持った天使のように可愛い子だった。オムツのパッケージに採用された写真は今でもリビングに飾られている。
 僕は髪と目は明るい茶色だったが、顔は純日本人の父に似たので、学校では事あるごとに地毛証明書の提出を求められた。
 弟はどこに行っても可愛がられていて、いつでも沢山の人に囲まれていた。1つ下の年齢差なんてあってないようなものだが、僕はそんな弟のことをとても可愛がっていた。
 
 弟は5歳のときにダンススクールでダンスを始め、メキメキと頭角を現していった。小学生になると全国大会のキッズ部門で優勝し、有名歌手のバックダンサーとしてMVに出たり、ライブに出演するようになっていた。
 父は1年の半分ほどは海外で仕事をしていたのでほとんど家にいなかった。母は1人で弟のダンススクールなどの送迎に奔走していた。そのころ僕は地域の陸上クラブに入り、ハードル競技の楽しさにのめり込んでいた。ただ、大会での成績はあまりパッとしなかった。
 家族仲は良かった。ほとんど家にいない父が弟の活躍を直に見られないと嘆くので、弟の活躍を書いた手紙と、たまに「THUMUつむ」という名前でモデルの仕事をしている弟の写真が掲載された雑誌を同封して海外の父に定期的に送った。

 弟が活躍するにつれて、僕の周りにも人が集まるようになった。ただその全てが「弟を紹介して」「弟に物を渡して」と言ってくる人たちだった。
 小学5年生のとき、いつものように弟に手紙を渡してくれという同級生がいた。いつものように断ると「なんで?手紙くらい渡してくれてもいいじゃない。小さい手紙1枚手間にもならないのに?ひどい⋯!!」と泣き出した。
 大泣きする女の子と慰める友達という意味のわからない状況で、周りの人たちは「手紙くらい渡してやればいいじゃん」「弟が有名だからって調子に乗ってるよな」と言う声が聞こえ始めた。居た堪れなくなりとりあえず手紙を受け取った。
 受け取ったものは仕方がないので夜に弟がダンススクールから帰ってきたときに手紙を渡した。

「手紙とかもらってこないでって言ったじゃん。一度受け取ったら返事の催促とか読んだ確認されたりとか面倒なんだよ。」

 やっぱりこうなった。次は受け取らないようにしよう。一応手紙は渡せたので依頼完了だ。次は夕飯の支度をする母の元へ行く。

「母さん。来月大会があるんだけど。」
「18日だっけ?ああ、ごめんその日はつむの撮影があるわ。交通費とご飯代多めに渡しておくわね。」

 やっぱりそうなった。母さんが俺の大会を最後に見に来てくれたのはいつだろうか。でも確かに全国区の弟と比べたら地域の大会なんて取るに足りないものだろうな。いつからか試合結果も聞かれなくなっていた。

****************************

 小学6年生になったころ、5年生の弟は誰もが知っている有名人になっていた。土日や放課後はダンスの練習や撮影の仕事をこなしつつ学校にはちゃんと通っていた。弟がいる場所は常に人集りができていた。
 そして僕は似ていない兄として知られるようになり、廊下を歩くとこそこそと

THUMUつむくんのお兄さんだって」
「ええ~似てなさすぎでしょ~。」
「でも仲良くしたらTHUMUつむくんに会えるかも?」

 などと話されるようになった。そして未だに手紙や物を渡されるのだが、泣かれようが逆ギレされようが全て断るようにした。

 冬休みに入り、弟は年末に人気歌手のバックダンサーの1人としてライブに参加することが決まっていた。
 母は用意された家族席でライブを見られることをずっと楽しみにしていた。しかし本番前日、僕は風邪を引いて熱を出し、当日になっても熱は下がらなかった。父は海外、頼れる身内も近くにはいなかったので弟の送迎は同じ出演者のダンスチームの親がすることになった。
 夜、喉が渇いたので部屋からふらふらとリビングに降りると電話をしている母の声が聞こえた。

「そうそう、上の子が風邪引いちゃって。本当にタイミングが悪かったわ。送迎ありがとうね?ああ~現場で見たかった!本当に何でいま風邪引くのよって感じよ。」

 そんなこと言われてもと思った。それにこの風邪は弟からもらったものだ。僕は冬休みに入ってから一歩も外に出ていないし、なんなら誰とも会っていない。唯一顔を合わせていた弟が数日前に風邪を引いていて母をヒヤヒヤさせていたことを思い出した。

*******************************

 中学1年生のときが1番平和だった。6年生になった弟が中学受験で全ての活動を1年休業することになったからだ。ちなみに中学受験も活動休止も全て本人が決めた。弟は勉強もよく出来た。母は勿体ないと渋っていた。
 小学校と違って弟が同じ学校にいないという違いは大きく、僕が「THUMUつむの兄」ということは同じ小学校出身の人しか知らず、僕が仲介を一切しないとも理解されていたので騒がれることはなかった。
 それでも人と関わることが怖かった僕は図書室に居場所を求めた。いつでも解放されている図書室で本を読んでいると1人の同級生に「何読んでるの?」と声をかけられた。

 相原あいはらとはいつも本の話をした。僕はミステリー、彼はライトノベルが好きでお互いお勧めの本を読み合ったりもした。相原あいはらは特に異世界転生物が好きなようで、僕が実際落ち人おちびとになったときにパニックにならなかったのは似たような本を読んでいたおかげだろう。
 相原あいはらとはクラスは離れていたので図書室以外で交流することはなかったが、交友関係が極端に狭い僕には貴重な時間だった。2年生になっても彼とはクラスは離れたままだったが、図書室で話すことは続いていた。

 弟が受験に合格し、活動も再開すると同時に再び僕の周りにも人が増え始めた。いつでもどこでも誰にでも「THUMUつむの兄」「THUMUつむのお兄さん」と呼ばれた。担任にまで「THUMU兄つむあに」と呼ばれたときには微妙な気持ちになった。

 中学では陸上部でハードルを続けていた。相変わらず大会の成績はパッとするものではなかったが、走っていると余計なことを考えずに集中出来るので部活は好きだった。大会のある土日は大抵弟の予定も入るので親が見に来ることはなかった。

 冬休みに入る前の最後の部活が終わった。寒くなると怪我をしやすくなるので念入りにストレッチをする。体の柔らかさはちょっと自慢だ。
 着替えを済ませたあと、教室に今日の宿題を忘れてしまったことを思い出して取りに向かっていると、ある教室から大きな声で喋る生徒たちの声が聞こえた。その内の1人の声は相原あいはらだとすぐにわかった。

「えっ!あんたもTHUMUつむ兄と仲良くなってTHUMUつむを紹介してもらうつもり!?」
「そりゃそうだろ。でも紹介してくれなんて皆言ってるだろ?こういうのは興味ないふりして自分から言わせるようにするんだよ。」

 ああ、そういうことか。僕はどこまでも弟の付属品なんだ。「THUMUつむの兄」としか人は僕を見てくれない。僕は何なんだろう。
 冬休みまでの残り数日、僕は図書室に行かなかった。図書室という場所がなければ僕は相原あいはらと会うこともない。連絡先も交換なんてしていない。少なくとも僕は友人だと思っていたんだけどな。図書室に行く気になれなかったので、終業式までの数日は授業が終わるとすぐ家に帰った。

 年末の弟は2年前と同じ歌手のライブに出ることになっていた。母は今年こそはと張り切っていた。当日は遅くなるので弟とホテルに泊まってくると言って僕に食事代を持たせてくれた。普段は栄養に気を使った料理を母が作っていたし、コンビニ弁当でも美味しいものは沢山あるので自炊はしたことがなかった。

 母たちが出発する朝、僕は体調を崩していた。なんてタイミングだ。2年前、僕に直接は言わないものの、何度も現場で見たかったと母が愚痴をこぼしていたので今年は邪魔をするわけにはいかない。2人が出発したあとで部屋から出た。今日はかかりつけの病院は休みだ。他の病院は遠いので選択肢にも入らない。薬はあるし寝ていれば治るだろう。

 夜中、熱が上がってきたことがわかる。さきほど体温計で測ったときは39度を超えていた。そのときより辛いからもしかしたら40度を超えているかもしれない。解熱剤を飲んだばかりなので効き目が出るまでひたすら我慢だ。

 我慢して
 我慢して
 我慢して

 眠るように意識を飛ばし、目が覚めたら草原にぽつんと1人で立っていた。

*********************************

 イオは整っていて清潔感のある顔というイメージです。比較対象の母親と弟がド派手なため地味に見られます。
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