異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通

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第七話 アース・ドラゴン軍団が襲ってきた

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  第七話 アース・ドラゴン軍団が襲ってきた
 右手側に跳んだ。アース・ドラゴンのつのを避けるために。
 同時に、右手を伸ばした。前方に。木製のつえと共に。
 「伸びろ! エア・ソード!」
 思わず、そう叫んだ。
 刃渡り二メートルほどのエア・ソードが、一気に三メートルまで伸びた。
 突き刺さった。
 アース・ドラゴンの左目に。深々と。エア・ソードが。
 もちろん風魔法で作ったエア・ソードは、人間の目には見えないが。
 アース・ドラゴンの動きが止まった。
 エア・ソードが脳に達したのだ。
 頭蓋骨には、複数の穴がある。
 たとえば、眼球の奥。視神経が通る穴だ。
 それは、人間も動物も同じだ。
 よって、アース・ドラゴンの場合も同様だと思った。
 だから、目を狙った。
 正解だったようだ。
 脳を破壊しても、また再生するかもしれない。
 そう思った。
 そこで念のため、エア・ソードの切っ先を頭蓋骨の奥まで突き入れ、かき混ぜた。脳がグチャグチャになるように。
 アース・ドラゴンは、そのまま動かなくなった。
 どうやら、死んだようだ。
 念のためだ。
 首を切り落とそう。
 集中して呪文を唱えた。小声で、ブツブツと。
 一メートル前方の頭上に、水球が出現した。水魔法で水蒸気を集めたのだ。
 城壁の外側には、満水の堀がある。
 今は、真夏だ。
 そのため城壁の屋上付近には、大量の水蒸気がある。
 大きな水球を作るのは、難しくない。
 本来は、魔法の発現に魔法詠唱は必要ない。
 だが魔法の教科書を読んでいると、魔法詠唱が必須だと思い込んでしまう。
 魔法詠唱は必要ないのだが、つぶやくことで、集中できる。
 特に時間をかけて発現させるより大きな魔法の場合は。
 集中力が乱れると、エーテルが乱れて魔法が発現しない、もしくは小さな魔法となってしまう。
 十数秒、ブツブツと小声で魔法詠唱していると、頭上の水球が直径二メートルを超えた。
 後方で、女生徒たちから驚きの声があがった。
 「あんな大きなウオーターボールが……」
 「トッキロ、魔法得意だったんだ……」
 「賄賂で裏口入学したんじゃなかったの? あれだけの魔法が使えるなんて……」
 おまえらと一緒にするなよ、と心の中でつぶやいた。
 そのときだった。
 アース・ドラゴンが、少し動いた。
 立ち上がろうとした。
 再生できるのだ。
 脳みそがグチャグチャに破壊されても。
 首を切り落とさなければ。
 右側面へ移動した。頭上の水球と共に。
 杖を振り下ろした。
 「切り裂け! 魔法の水刀、ウォーター・ソード!」
 糸のように細く圧縮した高圧水を振り下ろした。まるで、刀を振り下ろすように。
 鮮血が、ほとばしった。
 切り落とした。アース・ドラゴンの太い首を。
 さらに念のため、縦に切り裂いた。心臓を切り裂くために。胴体の左寄りに。
 そのまま数十秒待った。
 心臓を切り裂かれたアース・ドラゴンは、再生しなかった。
 ようやく、死んだようだ。
 ホッとしたときだった。
 女生徒たちが悲鳴をあげた。
 左右から、十数名の女生徒たちが逃げてきた。悲鳴をあげながら。
 二組と三組の女生徒たちだ。
 彼女たちを追いかけてきた。
 複数のアース・ドラゴンが。
 一匹でもやっかいなのに、複数を相手にしなければならないのか。
 そう思うと、一瞬、頭がクラッとした。
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