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第六話 アース・ドラゴンと闘ってみた
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第六話 アース・ドラゴンと闘ってみた
黒髪少女のシルキアが、投げ出された。アース・ドラゴンの前に。
アース・ドラゴンは、十一名の将兵を喰って満腹したのか、座り込んだまま動かない。
だが、ギョロ目で凝視している。屋上の後方で密集している女生徒たち約三十名を。
すぐには、襲ってこないようだ。
逃げようとした。シルキアが。
それを阻止した。不良少女たちが。
その瞬間だった。
アース・ドラゴンが舌を伸ばした。十メートル近くも。
不良少女の一人が、巻き取られた。アース・ドラゴンの舌に。
悲鳴をあげた。その不良少女が。
その直後、断ち切った。アース・ドラゴンの長い舌を。
十吉郎だ。
いや、この異世界での名前は、トッキロだ。
風魔法から編み出した。
名付けて、エア・ソード。
空気を高密度に圧縮して、刀状にしたものだ。
この異世界には、存在しない発想だ。
圧縮空気で物を切り裂く、など。
不良少女が、切り落とされたアース・ドラゴンの舌を振りほどいた。
「いやぁ! ネバネバしてる!」
そう叫びながら、後方へ走って逃げた。
他の不良少女たちもシルキアを放置し、後退した。屋上の奥のほうへと。
切り落とされたアース・ドラゴンの長い舌は、のたうち回っている。屋上の石畳の上で。まるで、生きているかのように。
屋上の奥、壁際周辺に、女生徒たちが集まり、ひとかたまりの集団になっている。
シルキアも泣きながら後退したが、その集団の先頭にいた不良少女たちに、前方へと押し戻された。
トッキロは、アース・ドラゴンと女生徒集団の中間付近に立った。木製の杖を手にして。
その木製の杖は、古道具屋で買った。護身用に。
両手で持った木製の杖を振り上げ、構えた。
来る。もうすぐ。
そう思いながら、アース・ドラゴンをにらみつけた。
来た。
アース・ドラゴンが口を開いた瞬間に。
長い舌が。トッキロに向かって。
やはり、再生したのだ。
振り下ろした。木製の杖を。
同時に、頭上のエア・ソードも。
断ち切った。ふたたび。アース・ドラゴンの長い舌を。エア・ソードで。
数秒で、捕食用の長い舌は再生する。
その数秒間が、チャンスだ。
一気に、距離を詰めた。三メートルまで。
振り下ろした。アース・ドラゴンの鼻面に。エア・ソードを。
鮮血が吹き出した。アース・ドラゴンの鼻面から。
だが、皮膚を切り裂いただけだった。
骨は、断ち切れなかった。エア・ソードでは。
鮮血は、すぐに止まった。
切り裂いた皮膚から、傷口が消えた。
アース・ドラゴンは、皮膚もすぐに再生するようだ。
やっかいな相手だ。
圧縮空気程度では、アース・ドラゴンの骨は断ち切れない。
もっと強い攻撃魔法が必要か。
この異世界の魔法は、マナとエーテルで説明できる。
マナとは、すべての生物が持つ生命エネルギーのことだ。
エーテルは、空気中に存在している魔法エネルギー的なもののことだ。
魔法とは、人間のマナを体外に放出し、エーテルを動かすことで発現させる。
風魔法は、空気中のエーテルを動かせば、風が発生する。
水魔法は、エーテルを動かして空気中の水蒸気を一カ所に凝集させれば、発現する。球状に凝集させれば、ウオーターボールが出現する。
土魔法は、初歩的な手法としては、風魔法で砂や土埃などを巻き上げて球状に凝集し、サンドボールを作り出す。それに、水魔法で水分を加えれば、土が固まる。
火魔法の初歩的な手法は、風魔法で埃や枯れ葉の屑、あるいは糸くずなどの可燃物を巻き上げて凝集する。それから、小さな竜巻を起こして可燃物どうしを高速で擦り合わせれば発火する。
だが、真の土魔法と火魔法は、初歩的な手法とは異なる。魔法学の教科書を読んだだけでは、理解できないが。
しかし、日本の科学的知識を用いれば、理解できる。
真の土魔法は、空気中の二酸化炭素CO₂を炭素Cと酸素O₂に分離する。マナとエーテルを使って。
その炭素を固めた物が、真の土魔法による固形物のようだ。
真の火魔法は、炭素を固めた物を圧縮し、圧縮熱で発火させる。空気中の二酸化炭素を分離して炭素と酸素を供給し続ければ、ファイアー・ボールは、燃え続ける。
圧縮空気ではなく、水魔法で高圧水を用いるか。
一瞬、そう考えた。
だがその場合、かなりの水量を必要とする。
それだけの水蒸気を集めるのには、時間がかかる。
倒すには、いったい、どうすればいいのか。
そう、思った直後だった。
突撃してきた。アース・ドラゴンが。鋭い角で突き殺そうと。凄まじいスピードで。
黒髪少女のシルキアが、投げ出された。アース・ドラゴンの前に。
アース・ドラゴンは、十一名の将兵を喰って満腹したのか、座り込んだまま動かない。
だが、ギョロ目で凝視している。屋上の後方で密集している女生徒たち約三十名を。
すぐには、襲ってこないようだ。
逃げようとした。シルキアが。
それを阻止した。不良少女たちが。
その瞬間だった。
アース・ドラゴンが舌を伸ばした。十メートル近くも。
不良少女の一人が、巻き取られた。アース・ドラゴンの舌に。
悲鳴をあげた。その不良少女が。
その直後、断ち切った。アース・ドラゴンの長い舌を。
十吉郎だ。
いや、この異世界での名前は、トッキロだ。
風魔法から編み出した。
名付けて、エア・ソード。
空気を高密度に圧縮して、刀状にしたものだ。
この異世界には、存在しない発想だ。
圧縮空気で物を切り裂く、など。
不良少女が、切り落とされたアース・ドラゴンの舌を振りほどいた。
「いやぁ! ネバネバしてる!」
そう叫びながら、後方へ走って逃げた。
他の不良少女たちもシルキアを放置し、後退した。屋上の奥のほうへと。
切り落とされたアース・ドラゴンの長い舌は、のたうち回っている。屋上の石畳の上で。まるで、生きているかのように。
屋上の奥、壁際周辺に、女生徒たちが集まり、ひとかたまりの集団になっている。
シルキアも泣きながら後退したが、その集団の先頭にいた不良少女たちに、前方へと押し戻された。
トッキロは、アース・ドラゴンと女生徒集団の中間付近に立った。木製の杖を手にして。
その木製の杖は、古道具屋で買った。護身用に。
両手で持った木製の杖を振り上げ、構えた。
来る。もうすぐ。
そう思いながら、アース・ドラゴンをにらみつけた。
来た。
アース・ドラゴンが口を開いた瞬間に。
長い舌が。トッキロに向かって。
やはり、再生したのだ。
振り下ろした。木製の杖を。
同時に、頭上のエア・ソードも。
断ち切った。ふたたび。アース・ドラゴンの長い舌を。エア・ソードで。
数秒で、捕食用の長い舌は再生する。
その数秒間が、チャンスだ。
一気に、距離を詰めた。三メートルまで。
振り下ろした。アース・ドラゴンの鼻面に。エア・ソードを。
鮮血が吹き出した。アース・ドラゴンの鼻面から。
だが、皮膚を切り裂いただけだった。
骨は、断ち切れなかった。エア・ソードでは。
鮮血は、すぐに止まった。
切り裂いた皮膚から、傷口が消えた。
アース・ドラゴンは、皮膚もすぐに再生するようだ。
やっかいな相手だ。
圧縮空気程度では、アース・ドラゴンの骨は断ち切れない。
もっと強い攻撃魔法が必要か。
この異世界の魔法は、マナとエーテルで説明できる。
マナとは、すべての生物が持つ生命エネルギーのことだ。
エーテルは、空気中に存在している魔法エネルギー的なもののことだ。
魔法とは、人間のマナを体外に放出し、エーテルを動かすことで発現させる。
風魔法は、空気中のエーテルを動かせば、風が発生する。
水魔法は、エーテルを動かして空気中の水蒸気を一カ所に凝集させれば、発現する。球状に凝集させれば、ウオーターボールが出現する。
土魔法は、初歩的な手法としては、風魔法で砂や土埃などを巻き上げて球状に凝集し、サンドボールを作り出す。それに、水魔法で水分を加えれば、土が固まる。
火魔法の初歩的な手法は、風魔法で埃や枯れ葉の屑、あるいは糸くずなどの可燃物を巻き上げて凝集する。それから、小さな竜巻を起こして可燃物どうしを高速で擦り合わせれば発火する。
だが、真の土魔法と火魔法は、初歩的な手法とは異なる。魔法学の教科書を読んだだけでは、理解できないが。
しかし、日本の科学的知識を用いれば、理解できる。
真の土魔法は、空気中の二酸化炭素CO₂を炭素Cと酸素O₂に分離する。マナとエーテルを使って。
その炭素を固めた物が、真の土魔法による固形物のようだ。
真の火魔法は、炭素を固めた物を圧縮し、圧縮熱で発火させる。空気中の二酸化炭素を分離して炭素と酸素を供給し続ければ、ファイアー・ボールは、燃え続ける。
圧縮空気ではなく、水魔法で高圧水を用いるか。
一瞬、そう考えた。
だがその場合、かなりの水量を必要とする。
それだけの水蒸気を集めるのには、時間がかかる。
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そう、思った直後だった。
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