異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通

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第九話 超巨大アース・ドラゴンが襲ってきた

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  第九話 超巨大アース・ドラゴンが襲ってきた
 三十メートル級のアース・ドラゴンは、ゆっくりと前進している。こちらに向かって。
 そのときだった。
 声をかけてきた。クラス委員長のアミーアが。
 「さっきの水魔法、すごかったわ。水魔法で物を切れるなんて」
 本当は、他人には見せたくなかった。教科書に載っていない魔法攻撃は。面倒ごとに巻き込まれそうだからだ。
 だが今は、そんなことを言ってる場合ではない。
 アミーアが言葉を続けた。
 「あの水魔法、たくさんの水が必要なんでしょ。途中で、ウオーター・ボールがどんどん小さくなっていったから。水の補給が必要なら、あたしの水魔法で手伝えるわ」
 「ありがとう。助かるよ」
 「あたしも手伝うわ」
 別の少女が、声をかけてきた。
 エメラルディアだ。金髪で緑色の瞳の美少女だ。彼女は、一組の副委員長だ。
 それを機に、次々に女生徒たちが声をかけてきた。自分も手伝う、と。二組や三組の女生徒たちもだ。
 アミーアが問いかけた。
 「それで、あの超巨大アース・ドラゴンを、例の水魔法で切れる?」
 「わからない。だけど、城壁のすぐ近くまで来れば、届くはず」
 アミーアの指示で、十数名の女生徒たちが、いっせいに魔法詠唱を始めた。外壁付近に横一列に並んで。
 トッキロの前方一メートルほどのところに、魔法の水球が出現した。
 魔法の水球が、徐々に大きくなっていった。
 大きくなると、重くなる。魔法の水球が、落下する危険がある。
 それを防ぐために、風魔法で下から風を吹かせ、支える必要がある。
 もっとも実際には、風ではなくエーテルで水球を支えている。
 だが多くの生徒は、エーテルへの意識が足りない。魔法詠唱に頼り、風が吹くという現象にばかり注意が集中しているためだ。
 マナとエーテルの説明は、魔法学の教科書の最初のほうに書いてあるのに。
 多くの人間は基本をバカにし、おろそかにする。そのため、充分に能力が伸びない。
 この異世界の魔法に関しても、同様だ。
 魔法の水球の位置が、少し下がった。
 下から支える風とエーテルが、足りない。
 エメラルディアが後方を振り返り、叫んだ。
 「みんな、手伝って! 風魔法でこのウオーター・ボールを支えてちょうだい!」
 風魔法くらいならできると思ったのか、十数名の女生徒たちが集まってきた。
 毒蛇姫が、大きな声で呼びかけた。残りの少女たちに。
 「みんな、トッキロを手伝うわよ!」
 全員が、外壁付近に集まった。
 毒薔薇姫やサソリ姫、それに、その取り巻きたちも。
 魔法の水球は、さらに大きくなった。直径三メートルを超えた。
 毒薔薇姫が、叫んだ。
 「もうすぐ真下よ!」
 三十メートル級のアース・ドラゴンは、堀の近くまで来た。
 堀の幅は二十五メートルほど。城壁の高さも、二十五メートルほど。
 近くで見ると、超巨大アース・ドラゴンは、尻尾を除いても三十メートルはある。
 幅二十五メートルの堀を、どう渡るのか。
 そう思って見ていると、堀の直前で、停止した。超巨大アース・ドラゴンが。
 首を上に上げた。城壁の屋上を見た。
 来る。捕食用の長い舌が。
 十メートル級のアース・ドラゴンは、十メートル以上先まで舌を伸ばした。
 三十メートル級ならば、舌も三十メートル以上伸びるはずだ。
 口を開けた。上を向いて。超巨大アース・ドラゴンが。
 来た。飛ぶように、一直線に。
 長い捕食用の舌が。城壁の屋上に向かって。
 悲鳴をあげた。女生徒たちが。
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