異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通

文字の大きさ
11 / 71

第十話 超巨大アース・ドラゴンと戦ってみた

しおりを挟む
  第十話 超巨大アース・ドラゴンと戦ってみた
 強く念じた。
 その瞬間、切り落とした。
 飛ぶように向かってきた超巨大アース・ドラゴンの捕食用の長い舌を。
 一筋の高圧水で。
 次の瞬間、口の中でつぶやいた。
 「ウオーター・アロー」
 矢のように高圧水が飛んでいった。魔法の水球から。
 つらぬいた。超巨大アース・ドラゴンの左目を。
 次の瞬間、つぶれるように、へたりこんだ。超巨大アース・ドラゴンが。
 魔法の水の矢、高圧水のウオーター・アローが、眼球を破壊し、脳にまで達したからだ。
 今がチャンスだ。脳が再生する前に、とどめを刺さなければ。
 「ウオーター・カッター」
 そう、つぶやきながら、イメージした。頭の中で。
 一筋の高圧水が、魔法の水球から、ほとばしった。ななめ下へ。一直線に。
 切断した。超巨大アース・ドラゴンの太い首を。数秒かかったが。
 女生徒たちが、歓声をあげた。
 感極まったアミーアが、涙ぐみながら叫んだ。
 「勝ったのよ! あたしたち!」
 切り落とされた首は、堀の水に浮かんだ。
 ゆっくりと流されていく。北の方へと。超巨大アース・ドラゴンの頭部が。
 堀の水は、川から引いた用水路で南西の堀の端から流し込み、北東の堀の端で別の用水路に排出する。北東の堀の端に排水調整弁があるため、堀の水を、常に満水にすることができる。
 過半の女生徒たちが歓声をあげて、喜んでいる。
 だが、まだ終わっていない。
 心臓を、破壊しなければ。
 ウオーター・カッターで、心臓の上の背中を、十字型に切断した。
 だいぶ奥まで切断できたようなので、心臓も十字型に切断されたはずだ。
 これでもう、再生しないはずだ。
 そのときだった。
 魔族が、出てきた。
 超巨大アース・ドラゴンの背中に設置した神輿みこしのような箱型建物から。天井にあるハッチを開けて。
 羽を広げた。魔族が。
 コウモリのような羽だ。
 ふわりと浮いた。一人目の魔族が。
 ななめ前の空中に。一気に五メートルほども。
 二人目が、現れた。ハッチの中から。
 「ウオーター・カッター」
 思わず、つぶやいた。
 切り裂いた。一筋の高圧水が、一人目の魔族を。
 空中で。左右真っ二つに。
 二人目が、逃げようとした。ななめ後方に飛んで。一気に五メートルほどだ。
 ふたたび、切り裂いた。左右真っ二つに。空中で。
 三人目が、ハッチから現れた。
 すぐさま、右手側に逃げた。羽を広げて、低空を滑空して。
 ウオーター・カッターで攻撃した。
 だが、外れた。
 もう一度、攻撃した。ウオーター・カッターで。
 また、外れた。
 城壁から離れるように、低空でスライドしたからだ。
 あの飛び方は、風魔法によるものだな。
 そう思った。
 魔法の水球は、直径がもう、半メートルほどまで縮小した。
 逃げられた。
 ウオーター・カッターの射的圏外へ。
 魔族は、城壁から離れ続けた。地面すれすれの超低空飛行で。
 もう、五十メートルは離れた。
 ふたたび、女生徒たちが歓声をあげた。
 「逃げていったわよ! 魔族が!」
 だが次の瞬間、方向転換した。その魔族が。五十メートル以上離れた地点で。
 ふわりと浮き上がり、一気に五十メートルは上昇した。
 そこから滑空した。城壁に向かって。
 ただし、一直線ではなく、トッキロの右手側に向かってだ。
 息をのんだ。女生徒たちが。
 反撃するつもりなのだ。あの魔族は。
 着地した。その魔族が。城壁の屋上に。
 トッキロの右手側、五十メートルほどの地点に。
 恐怖で、女生徒たちが泣き叫んだ。
 女生徒の一人が叫んだ。
 「デーモン・チーフよ!」
 いっせいに、悲鳴をあげた。少女たちが。恐怖にふるえて。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない

仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。 トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。 しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。 先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。 ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。 しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。 奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。 そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...