23 / 67
第2章第七話 続・氷姫救出作戦
しおりを挟む
第2章第七話 続・氷姫救出作戦
砦の北側、つまり東城壁の側には、アース・ドラゴンの死骸が十体ある。
その十体の多くは、二匹ずつ折り重なっている。
だが、そのうち一体は、前足を砦の外壁にかけたまま、絶命している。仲間の死骸を踏み台にした状態で。
そのアース・ドラゴンの死骸を階段代わりに使い、一気に駆け上がった。
高く跳んだ。
アース・ドラゴンの頭部を、踏み台にして。
左手が、砦の屋上にかかった。
左手に力を入れて身体を引き上げ、右肘と右足を、砦の屋上の柵にかけた。
這いあがった。砦の屋上に。
立ちあがった。屋上の端に。
屋上の中央付近では、氷姫たちが包囲されていた。アース・ドラゴンの群れに。
だが、すでに十五匹は、毒入り魔法水矢により、弱っている。
まだ死んではいないが、戦闘停止状態だ。
残りのアース・ドラゴンは、あと十五匹。
その十五匹に、三方を包囲されていた。
トッキロから見て、左右と奥に、それぞれ五匹ずつだ。
砦の天井窓は、右手側のアース・ドラゴン一匹が、ふさいでいる。
砦の中から、兵士たちが槍で突き刺している。そのアース・ドラゴンの腹を。
だがアース・ドラゴンの傷口は、すぐに再生してふさがるため、兵士たちの攻撃は効果がない。
そのアース・ドラゴンによって、砦屋上の氷姫たちは、退路をふさがれている。
それに、砦の中にいる兵士たちも、氷姫のもとに救援に行けない。
手前の活動中止中のアース・ドラゴンの背中に、駆け上がった。尻尾から。
そのアース・ドラゴンは、まったくの無反応だ。背中に乗られても。よほど具合が悪いのか。毒の効果で、痺れて動けないのか。
十メートル級のアース・ドラゴンは、足を伸ばして立っているときは、体高三メートルほどだ。
しかし、両足を曲げて、うずくまっているときは、体高二メートルほどだ。
体高二メートルのアース・ドラゴンの背中に乗ったことで、見晴らしが良くなった。
サソリ毒入りの魔法の水球を、自分の頭上より二メートルほど高く上げた。空気中のエーテルを動かして。
氷姫は、奮戦中だ。
だいぶ、疲労が増しているようだ。一人で三方向のアース・ドラゴンと戦って。
兵士の数は、すでに五名にまで減っている。
残りの兵士は、喰われてしまったようだ。
氷姫が、魔法剣を振るう。三方向に、次々と。
一振りで、アース・ドラゴン五匹の捕食用の長い舌が凍りつく。
そのすきをついて、兵士たちが突撃する。アース・ドラゴンに。
首の周辺、とくに頸動脈を狙って槍を突いているようだ。
アース・ドラゴンの皮は、背中側は固いが、腹などの内側は比較的やわらかい。
そこを狙って槍を突いている。
だが、槍で頸動脈を突いても、大量に出血するのは、一瞬だけだ。二秒もすれば、傷口が再生して出血は止まる。
氷姫が、怒鳴っている。兵士たちに。
「削れ! 削れ! ドラゴンの再生能力は無限ではない! 近いうちに再生能力の限界に達するはずだ!」
氷結魔法剣によって凍りついた捕食用舌は、三十五度を超える真夏の暑さのために、五秒か六秒で溶けてしまう。
すると、ふたたびアース・ドラゴンは捕食用舌で攻撃してくる。
トッキロから見て左手側、つまり東側のアース・ドラゴンの一匹が、一人の兵士を捕らえた。捕食用舌で。
次の瞬間、氷姫が叫んだ。氷結魔法剣を振りながら。
「アイス・ブレード!」
切断された。長い捕食用舌が、飛んで来た氷の刃で。五メートル以上の距離があったにもかかわらず。
その兵士は、救われた。
だが次の瞬間、別の兵士が、別のアース・ドラゴンの捕食用舌につかまった。
氷姫が、魔法剣を振り上げた。
だが、間に合わない。
その瞬間だった。
トッキロが、つぶやいた。
「ウオーター・アロー」
サソリ毒入りの魔法水矢が飛翔した。
あたった。そのアース・ドラゴンの頭部に。
より正確には、眼球にあたり、頭蓋骨内に達した。魔法の水の矢が。
そのアース・ドラゴンは力を失い、潰れるようにうずくまった。捕食用舌も、力を失った。
次々に、ウオーター・アローを放った。右、左と。
左手側には、サソリ毒入りの魔法水矢を。右手側には植物性の毒が入った魔法水矢を。
十数秒で、左右のアース・ドラゴン合計十匹を、戦闘停止に追い込んだ。
残りのアース・ドラゴンは、あと五匹だ。
トッキロが、声をかけた。
「氷姫様! 後退してください! 矢を放ちますので!」
氷姫が、大きく一歩、跳びさがった。
振り返った。氷姫が。
目を丸くして、驚いた。トッキロを見て。
氷姫が叫んだ。
「何者だ!」
砦の北側、つまり東城壁の側には、アース・ドラゴンの死骸が十体ある。
その十体の多くは、二匹ずつ折り重なっている。
だが、そのうち一体は、前足を砦の外壁にかけたまま、絶命している。仲間の死骸を踏み台にした状態で。
そのアース・ドラゴンの死骸を階段代わりに使い、一気に駆け上がった。
高く跳んだ。
アース・ドラゴンの頭部を、踏み台にして。
左手が、砦の屋上にかかった。
左手に力を入れて身体を引き上げ、右肘と右足を、砦の屋上の柵にかけた。
這いあがった。砦の屋上に。
立ちあがった。屋上の端に。
屋上の中央付近では、氷姫たちが包囲されていた。アース・ドラゴンの群れに。
だが、すでに十五匹は、毒入り魔法水矢により、弱っている。
まだ死んではいないが、戦闘停止状態だ。
残りのアース・ドラゴンは、あと十五匹。
その十五匹に、三方を包囲されていた。
トッキロから見て、左右と奥に、それぞれ五匹ずつだ。
砦の天井窓は、右手側のアース・ドラゴン一匹が、ふさいでいる。
砦の中から、兵士たちが槍で突き刺している。そのアース・ドラゴンの腹を。
だがアース・ドラゴンの傷口は、すぐに再生してふさがるため、兵士たちの攻撃は効果がない。
そのアース・ドラゴンによって、砦屋上の氷姫たちは、退路をふさがれている。
それに、砦の中にいる兵士たちも、氷姫のもとに救援に行けない。
手前の活動中止中のアース・ドラゴンの背中に、駆け上がった。尻尾から。
そのアース・ドラゴンは、まったくの無反応だ。背中に乗られても。よほど具合が悪いのか。毒の効果で、痺れて動けないのか。
十メートル級のアース・ドラゴンは、足を伸ばして立っているときは、体高三メートルほどだ。
しかし、両足を曲げて、うずくまっているときは、体高二メートルほどだ。
体高二メートルのアース・ドラゴンの背中に乗ったことで、見晴らしが良くなった。
サソリ毒入りの魔法の水球を、自分の頭上より二メートルほど高く上げた。空気中のエーテルを動かして。
氷姫は、奮戦中だ。
だいぶ、疲労が増しているようだ。一人で三方向のアース・ドラゴンと戦って。
兵士の数は、すでに五名にまで減っている。
残りの兵士は、喰われてしまったようだ。
氷姫が、魔法剣を振るう。三方向に、次々と。
一振りで、アース・ドラゴン五匹の捕食用の長い舌が凍りつく。
そのすきをついて、兵士たちが突撃する。アース・ドラゴンに。
首の周辺、とくに頸動脈を狙って槍を突いているようだ。
アース・ドラゴンの皮は、背中側は固いが、腹などの内側は比較的やわらかい。
そこを狙って槍を突いている。
だが、槍で頸動脈を突いても、大量に出血するのは、一瞬だけだ。二秒もすれば、傷口が再生して出血は止まる。
氷姫が、怒鳴っている。兵士たちに。
「削れ! 削れ! ドラゴンの再生能力は無限ではない! 近いうちに再生能力の限界に達するはずだ!」
氷結魔法剣によって凍りついた捕食用舌は、三十五度を超える真夏の暑さのために、五秒か六秒で溶けてしまう。
すると、ふたたびアース・ドラゴンは捕食用舌で攻撃してくる。
トッキロから見て左手側、つまり東側のアース・ドラゴンの一匹が、一人の兵士を捕らえた。捕食用舌で。
次の瞬間、氷姫が叫んだ。氷結魔法剣を振りながら。
「アイス・ブレード!」
切断された。長い捕食用舌が、飛んで来た氷の刃で。五メートル以上の距離があったにもかかわらず。
その兵士は、救われた。
だが次の瞬間、別の兵士が、別のアース・ドラゴンの捕食用舌につかまった。
氷姫が、魔法剣を振り上げた。
だが、間に合わない。
その瞬間だった。
トッキロが、つぶやいた。
「ウオーター・アロー」
サソリ毒入りの魔法水矢が飛翔した。
あたった。そのアース・ドラゴンの頭部に。
より正確には、眼球にあたり、頭蓋骨内に達した。魔法の水の矢が。
そのアース・ドラゴンは力を失い、潰れるようにうずくまった。捕食用舌も、力を失った。
次々に、ウオーター・アローを放った。右、左と。
左手側には、サソリ毒入りの魔法水矢を。右手側には植物性の毒が入った魔法水矢を。
十数秒で、左右のアース・ドラゴン合計十匹を、戦闘停止に追い込んだ。
残りのアース・ドラゴンは、あと五匹だ。
トッキロが、声をかけた。
「氷姫様! 後退してください! 矢を放ちますので!」
氷姫が、大きく一歩、跳びさがった。
振り返った。氷姫が。
目を丸くして、驚いた。トッキロを見て。
氷姫が叫んだ。
「何者だ!」
41
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる