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勧誘
しおりを挟む土曜日の午前11時、俺は懐かしき友との再会を果たす為、待ち合わせ場所に足を運んだ。
「五分前か…」
俺はポリシーとして待ち合わせに遅れない。
たとえ相手が男でもだ。
残念ながら女と待ち合わせた事は一度もないが。
根本の事だ。どうせギリギリに来るか
平気で遅れてくるだろう… 男同士の待ち合わせなんてみんなそんなものだろうし。
案の定、待ち合わせ場所に設定した駅前広場の大時計前に根本らしき人物は来ていなかった。
(まあ、そんなもんだ)
俺はそう思い、辺りを見回した。
そういえば根本と会うのは八年振りだし、お互いの顔を見てすぐに気付くんだろうか…
俺はもう一度周囲をぐるりと見回した。
やはりいない。
と、思った矢先に、俺の左側約三メートルのところに立っていた女性が近づいてきた。
(やべー勧誘かな?)
東京という街は恐ろしい善良な社会生活を送る田舎の青年を騙そうとする奴らが山ほどいる。
俺は待ち合わせしてますよ~オーラを最大限に出し、腕時計を見て眉間にシワを寄せた。
だけど、その女は臆することなく近づいてきた。
(何を買わそうとしているんだ… 童貞を嵌めるためにこんな美人を用意しやがって。)
俺は横目で女を見ながら、ちゃんと時間通りに来ない根本の事を心底恨んだ。
「ひょっとして… 愁ちゃん?」
(最近の勧誘は名前まで… ?)
「えっ?」
「ごめん、あの… 根本…」
その美女は自分の胸に人差し指を向けて言った。
「… えっ?」
「ごめん先に言ってたら良かったんだけど…
ワタシ、ニューハーフになっちゃって…」
「ニューハーフ… えっ?
えええーっ!!」
俺は突然の事に事態が理解出来ず、パニクりまくった。
まあ、後から考えたら単純な事なんだけど、根本 蒼はニューハーフとなって、八年振りに俺の目の前に現れた。
ただ、それだけの事だ。
いやいや、そんな単純な事じゃないって!
一体なんなんだよっ !
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