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反省会
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NPWの地方興行は、最終の試合で、美香が男子選手と戦い、破廉恥な行為に見舞われ、それに逆上した美香が、その相手を絞め落とすという幕切れとなり、後味の悪い終わり方となった。
しかし、久美子はそんな美香の行為を責めようとはせず、逆に打ち上げの席で、男子選手に勝った美香を褒め称えた。
「ミカちゃん、今日の試合
本当にすごかったわね。
ワタシ、感動しちゃった。」
ビールを手に持った久美子が、美香と乾杯しながら言うと
「社長、すいません
ワタシ、カッとしちゃって…」
美香は、肩を落とし、力ない言い方で謝った。
「いいのよ。
あんな事されたんだから。
でも、よく試合を続けられたと思うわ。
ワタシだったら、そこで終わっちゃってたわ。」
しかし、山本だけは冷静で、今後の展開を危惧した。
「ですが、社長
こうなってしまったら、もう男子と試合を組むのも難しくなってきます。
そうなると、やはりニューハーフプロレスの団体と対戦形式で興行を打つのが一番だと思いますが、熊子の件がありましたので、それももう適いません。」
「そうね…
ここは、女子の団体に交渉をするしかないか。」
「ですが、今の時代
色々と難しくなってきてますからね。
トランスジェンダー問題っていうのが一周して、今度は逆風が吹いている状況です。
元々はそういった人たちの人権を認めようって動きでしたが、今は、それが逆差別につながるなんていう論議もされていて。
だから、安易に女子の団体と我々がやろうとすれば、うるさい連中が騒ぎ出す事も十分に考えられます。
ニューハーフだなんだって言ってるが、本当は男の下心を隠し持った連中が女子とプロレスしようとしているってね。」
「えーっ、ヒドイっ
ワタシらってそんなふうに見られてるの?」
アキが憤慨して言うと、山本は
「そういう連中もいるって事さ」
と、諭した。
「そうね…
真剣にこの先の事を考えるときが来たってことよね。」
久美子はそう言うと、静かに頷いた。
しかし、久美子はそんな美香の行為を責めようとはせず、逆に打ち上げの席で、男子選手に勝った美香を褒め称えた。
「ミカちゃん、今日の試合
本当にすごかったわね。
ワタシ、感動しちゃった。」
ビールを手に持った久美子が、美香と乾杯しながら言うと
「社長、すいません
ワタシ、カッとしちゃって…」
美香は、肩を落とし、力ない言い方で謝った。
「いいのよ。
あんな事されたんだから。
でも、よく試合を続けられたと思うわ。
ワタシだったら、そこで終わっちゃってたわ。」
しかし、山本だけは冷静で、今後の展開を危惧した。
「ですが、社長
こうなってしまったら、もう男子と試合を組むのも難しくなってきます。
そうなると、やはりニューハーフプロレスの団体と対戦形式で興行を打つのが一番だと思いますが、熊子の件がありましたので、それももう適いません。」
「そうね…
ここは、女子の団体に交渉をするしかないか。」
「ですが、今の時代
色々と難しくなってきてますからね。
トランスジェンダー問題っていうのが一周して、今度は逆風が吹いている状況です。
元々はそういった人たちの人権を認めようって動きでしたが、今は、それが逆差別につながるなんていう論議もされていて。
だから、安易に女子の団体と我々がやろうとすれば、うるさい連中が騒ぎ出す事も十分に考えられます。
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「えーっ、ヒドイっ
ワタシらってそんなふうに見られてるの?」
アキが憤慨して言うと、山本は
「そういう連中もいるって事さ」
と、諭した。
「そうね…
真剣にこの先の事を考えるときが来たってことよね。」
久美子はそう言うと、静かに頷いた。
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