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想いと思い
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久美子の提案に対し、誰も肯定も否定も出来ず、打ち上げは、そのままお開きとなった。
美香達は、それぞれがホテルに戻り、あてがわれた二人部屋に入っていった。
美香は、もちろんサオリと。
美月は、ミサトと同じ部屋だった。
荷物を床に置き、ベッドに腰掛けた美香は、サオリに隣に座るように言った。
サオリが頷いて横に座ると、暫くの間があったが、美香がゆっくり話し始めた。
「ねえ、サオリ
どう思った?」
「えっ?」
「社長がさっき言った話の事だよ。」
「あー、その事か。
ワタシは、なんかわかるようなわかんないような…
少し、複雑な心境だったわ。」
「なんでなんで?」
「ワタシらのニューハーフプロレスってさあ、やってる本人達は真剣そのものだけど、見る人達からしたら、やっばイロモノなんだよね。
実際、経営は赤字続きだったわけだし、今日のアイツのミカちゃんに対するセクハラ攻撃を見て、決心がついたんじゃないかと思う。」
「どういう決心?」
「ストロングスタイルの放棄よ。」
「…」
「やっぱりワタシらが強さを突き詰めて行っても、結局はニューハーフが何かやってるくらいにしか世間は見ないのよ。
それだと未来は見えないし、収益化させるためには、社長の言っていたように違う路線で勝負して、もっと露出を増やすべきって考えるのはフツーの事だと思う。」
「なるほどね。」
「自分はともかく、ウチの団体のレスラーってホントに美人揃いで可愛いじゃん。
きっと上手くいくよ、タレントみたいな活動をしてもね。」
サオリはそう言うと、美香の肩に手を置いて微笑んだ。
美香達は、それぞれがホテルに戻り、あてがわれた二人部屋に入っていった。
美香は、もちろんサオリと。
美月は、ミサトと同じ部屋だった。
荷物を床に置き、ベッドに腰掛けた美香は、サオリに隣に座るように言った。
サオリが頷いて横に座ると、暫くの間があったが、美香がゆっくり話し始めた。
「ねえ、サオリ
どう思った?」
「えっ?」
「社長がさっき言った話の事だよ。」
「あー、その事か。
ワタシは、なんかわかるようなわかんないような…
少し、複雑な心境だったわ。」
「なんでなんで?」
「ワタシらのニューハーフプロレスってさあ、やってる本人達は真剣そのものだけど、見る人達からしたら、やっばイロモノなんだよね。
実際、経営は赤字続きだったわけだし、今日のアイツのミカちゃんに対するセクハラ攻撃を見て、決心がついたんじゃないかと思う。」
「どういう決心?」
「ストロングスタイルの放棄よ。」
「…」
「やっぱりワタシらが強さを突き詰めて行っても、結局はニューハーフが何かやってるくらいにしか世間は見ないのよ。
それだと未来は見えないし、収益化させるためには、社長の言っていたように違う路線で勝負して、もっと露出を増やすべきって考えるのはフツーの事だと思う。」
「なるほどね。」
「自分はともかく、ウチの団体のレスラーってホントに美人揃いで可愛いじゃん。
きっと上手くいくよ、タレントみたいな活動をしてもね。」
サオリはそう言うと、美香の肩に手を置いて微笑んだ。
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