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準決勝
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準決勝の組み合わせは
紅陽対咲聖
そして新田まどか率いる鐘ヶ岡は真風との対戦となった。
紅陽対咲聖は、圧倒的に紅陽が有利と予想されており、その勝利を疑う者は一人もいなかった。
しかし!
第一セットを咲聖が先取するという、大事件が起きていた。
試合会場となった、県立の体育館では、観客がざわつき始めていた。
ひょっとしたらジャイアントキリングが行われるかもしれない。
会場がそんな空気に包まれる中、紅陽のメンバー達は、その重圧に押し潰されそうになっていた。
特に、エースアタッカーの古川恵美梨は、第一セット終了後、円陣の中で、青ざめた顔をし、タオルで口の辺りを押さえていた。
「どうした?
古川
全然合ってないじゃないか!」
藤井は努めて冷静でいようとしたが、恵美梨のあまりの不甲斐なさに、ついつい声を荒げてしまった。
「すいません…」
恵美梨は、今にも泣きそうな顔で、頭を下げた。
「おい、近森
ちょっとトス上げるタイミングがズレてるんだよ。
古川の打点の高さを頭にしっかり入れろ
いいな!」
「はいっ!」
自分のせいにされてしまった近森未唯菜は、泣きそうな顔で返事をした。
「思惑通りですね。」
高山は、隣の佐藤校長にだけ聞こえるように耳元で言った。
二人は、鐘ヶ岡の試合を見ず、あろう事か、紅陽の試合を見にきていたのだ。
「古川さんの不振の原因は、やはり…」
佐藤もまた、小さな声で高山に質問した。
「新田さんのおかげですよ。
彼女はこの難しいミッションを見事にクリアしてくれました。
これ以上ない結果をもたらしてくれたのです。」
「しかし、そんな事で急にダメになるもんですか?
私にはそれがどうにも解せません。」
「校長先生
新田さんに使った薬の効能などについては、我々にも解明出来ていないことがまだまだたくさんあるんですよ。
しかし、今回の実験で、わかったことが一つあります。」
「ほう…
それはどんな?」
「新田さんは、性転換して下腹部に男性器が備わりましたが、それと同時に不思議な力をも得たようです。」
「不思議な力…
ですか?」
「ええ。
新田さんの精子にその成分が含まれているのかもしれませんが、とにかく、新田さんと性行為をした人間は、運動能力が低下するということです。」
「そんなことが?」
「厳密に言えば運動能力の低下というより、性行為により、ホルモンバランスが大きく乱れ、アスリートにとっては負の力がはたらいてしまうのです。」
「つまり、古川選手が今日の試合で精彩を欠いているのは、それが原因だと?」
「そういうことです。
まさに見ての通りですよ。」
高山は、そう言うと、佐藤の肩に手を置き、ニヤッと笑った。
紅陽対咲聖
そして新田まどか率いる鐘ヶ岡は真風との対戦となった。
紅陽対咲聖は、圧倒的に紅陽が有利と予想されており、その勝利を疑う者は一人もいなかった。
しかし!
第一セットを咲聖が先取するという、大事件が起きていた。
試合会場となった、県立の体育館では、観客がざわつき始めていた。
ひょっとしたらジャイアントキリングが行われるかもしれない。
会場がそんな空気に包まれる中、紅陽のメンバー達は、その重圧に押し潰されそうになっていた。
特に、エースアタッカーの古川恵美梨は、第一セット終了後、円陣の中で、青ざめた顔をし、タオルで口の辺りを押さえていた。
「どうした?
古川
全然合ってないじゃないか!」
藤井は努めて冷静でいようとしたが、恵美梨のあまりの不甲斐なさに、ついつい声を荒げてしまった。
「すいません…」
恵美梨は、今にも泣きそうな顔で、頭を下げた。
「おい、近森
ちょっとトス上げるタイミングがズレてるんだよ。
古川の打点の高さを頭にしっかり入れろ
いいな!」
「はいっ!」
自分のせいにされてしまった近森未唯菜は、泣きそうな顔で返事をした。
「思惑通りですね。」
高山は、隣の佐藤校長にだけ聞こえるように耳元で言った。
二人は、鐘ヶ岡の試合を見ず、あろう事か、紅陽の試合を見にきていたのだ。
「古川さんの不振の原因は、やはり…」
佐藤もまた、小さな声で高山に質問した。
「新田さんのおかげですよ。
彼女はこの難しいミッションを見事にクリアしてくれました。
これ以上ない結果をもたらしてくれたのです。」
「しかし、そんな事で急にダメになるもんですか?
私にはそれがどうにも解せません。」
「校長先生
新田さんに使った薬の効能などについては、我々にも解明出来ていないことがまだまだたくさんあるんですよ。
しかし、今回の実験で、わかったことが一つあります。」
「ほう…
それはどんな?」
「新田さんは、性転換して下腹部に男性器が備わりましたが、それと同時に不思議な力をも得たようです。」
「不思議な力…
ですか?」
「ええ。
新田さんの精子にその成分が含まれているのかもしれませんが、とにかく、新田さんと性行為をした人間は、運動能力が低下するということです。」
「そんなことが?」
「厳密に言えば運動能力の低下というより、性行為により、ホルモンバランスが大きく乱れ、アスリートにとっては負の力がはたらいてしまうのです。」
「つまり、古川選手が今日の試合で精彩を欠いているのは、それが原因だと?」
「そういうことです。
まさに見ての通りですよ。」
高山は、そう言うと、佐藤の肩に手を置き、ニヤッと笑った。
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