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26章 建国祭
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この王都を護る存在である第6師団に任せるのが、普通であろう。第6師団でも手こずるようであれば、この王都には先ほどのリベラや統括師団長などの討伐戦経験者がいる。シェリーは彼らの職務を奪い取りたいわけではないので、白い石板を返そうとグレットに差し出したところで、どこからか鈴の様な音色が響いてきた。
その音に反応して、シェリーは腰のカバンに手を入れ、一つの魔道具を取り出す。それは赤いブローチの様な装飾品だった。
そのブローチは赤く光り点滅している。
「どうかされましたか?」
シェリーは赤いブローチに向かって話しかける。そうこれはラースを監視するための魔道具であり、通信機の役割もはたしている“女神の涙”というものだ。
『シェリーちゃん。助けて欲しいの』
シェリーの呼びかけに応える声は野太く焦っている声だった。
「オーウィルディア様、どうかされましたか?」
『次元の悪魔が公都グリードの上空に20体ぐらいいるのよ!こんな数、戦えきれないわ』
なんとラース公国の公都の上空にも次元の悪魔が出現しているらしい。それもこの王都メイルーンの倍の数だ。
「クソ勇者に頼んでください」
シェリーはこの為のナオフミなのだから、悪魔との戦いはナオフミに任せればいいと言う。
『それが、ナオフミとビアンカは兄上が戻ってきたからって、家に帰っちゃったのよ!何度もビアンカに通信を送っても繋がらないし!わたしとディスタと兄上だけじゃ、公都を護りながらは戦うのは無理なのよ!』
「ちっ!肝心なときに使えない。オーウィルディア様。少々お待ちください。……ここは第6師団長さんに任せていいのですよね」
シェリーは確認のためグレットにこの王都の護りを任せても問題ないことを聞いた。もちろんシェリーのこの言葉の中にはルークの身の安全の確保が含まれている。
『シェリーさん。大丈夫です。任せてください。シェリーさんはシェリーさんの成すべきことをしてください』
突然白い石板が起動したかと思うとユーフィアの声が聞こえてきた。ということは起動していない通信機を傍受していたことになる。それはいいのだろうか。
『私も戦いますよ』
ユーフィアの嬉しそうな声が通信機から聞こえてきたが、ただ単に本格的に魔武器を使える機会ができてウキウキしているようにしか思えなかった。
『シェリーさん。その通信機を持って行って下さい。もし魔武器が必要であれば、お届けします』
「これに物理的な物を送る機能があるのですか?」
『いいえ、私が転移でお送りしますから大丈夫です』
何が大丈夫何かは分からないが、ユーフィアはこの通信機の座標に転移をすると言っているのだろう。しかし、ユーフィアが勝手に移動することは番であるクストが許すとは思えないが、ユーフィアと直接連絡を取るのであれば、今までのように手紙でやり取りして、侍女のマリアの背後にユーフィアがいるということは無くなるだろう。
『奥様。まずは私が行ってまいりますので、お屋敷にいてくださいませ』
『マリアずるいわ。私も改良版の性能を確認したいわ』
『奥様、駄犬から結界の魔道具の予備はないのかと問い合わせが来ていましたので、ルジオーネ様に渡してまいります!』
この国は戦える者たちがたくさんいる。ならば、シェリーがいなくても問題ないだろう。
シェリーは再び赤いブローチに話しかけた。
「オーウィルディア様、こちらは問題なさそうですので、そちらに行けそうです。どちらに転移をすればよろしいでしょうか?」
そう話しているシェリーの周りでは悲鳴や叫声が聞こえている。既に多くの者たちに頭上の次元の悪魔の存在が認識され、軍部による避難の指示の辺りに響き渡っているのだ。その周りの声にオーウィルディアも王都メイルーンの異常に気がつく。
『公都の神殿前にいるのだけど……もしかして、そっちでも何かが起こっているの?』
「ええ、次元の悪魔が10体ほど空から落ちてきそうですね」
そう、上を見上げれば、既に黒い巨体の殆どが割れた歪から出てきている。この巨体が空から降ってくるとなれば、恐怖しかない。
そして、シェリーは普通に答えているが、王都メイルーンにも公都グリードにも次元の悪魔が同時に顕れるなど、普通ではありえない。はっきり言って作為的だと言っていいだろう。
『なんですって!それならラースには来なくていいわよ。私達でなんとかするから』
「オーウィルディア様。メイルーンに出現した悪魔は10体なので、この国の人達でなんとかできるでしょう。まだ、次元の悪魔ですから」
シェリーはそう言ってグレットを見る。見られたグレットもシェリーに同意するように頷いている。
まだ次元の悪魔しか居ない。そして、いつ戦いになってもいいように第6師団では、この約数ヶ月の間に準備をしていたのだ。ここでシェリーが居なくても問題にはならない。
そして、シェリーはグレットに白い石板の通信機をもらうことを告げ、魔石を取り出す。その行動に慌ててシェリーの番たちがシェリーの周りに駆け寄り、転移陣が展開されたかと思えば、6人の姿がその場から消えた。……消えたその場に空から巨体が降ってきて土煙が立ち上る。
「通信機を取られてしまったんッスけど、どうすればいいんっすかね」
ユーフィアが勝手に通信機をシェリーに渡していいと承諾してしまった為にグレットはただ一人、次元の悪魔と向き合うことになってしまったのだった。
その音に反応して、シェリーは腰のカバンに手を入れ、一つの魔道具を取り出す。それは赤いブローチの様な装飾品だった。
そのブローチは赤く光り点滅している。
「どうかされましたか?」
シェリーは赤いブローチに向かって話しかける。そうこれはラースを監視するための魔道具であり、通信機の役割もはたしている“女神の涙”というものだ。
『シェリーちゃん。助けて欲しいの』
シェリーの呼びかけに応える声は野太く焦っている声だった。
「オーウィルディア様、どうかされましたか?」
『次元の悪魔が公都グリードの上空に20体ぐらいいるのよ!こんな数、戦えきれないわ』
なんとラース公国の公都の上空にも次元の悪魔が出現しているらしい。それもこの王都メイルーンの倍の数だ。
「クソ勇者に頼んでください」
シェリーはこの為のナオフミなのだから、悪魔との戦いはナオフミに任せればいいと言う。
『それが、ナオフミとビアンカは兄上が戻ってきたからって、家に帰っちゃったのよ!何度もビアンカに通信を送っても繋がらないし!わたしとディスタと兄上だけじゃ、公都を護りながらは戦うのは無理なのよ!』
「ちっ!肝心なときに使えない。オーウィルディア様。少々お待ちください。……ここは第6師団長さんに任せていいのですよね」
シェリーは確認のためグレットにこの王都の護りを任せても問題ないことを聞いた。もちろんシェリーのこの言葉の中にはルークの身の安全の確保が含まれている。
『シェリーさん。大丈夫です。任せてください。シェリーさんはシェリーさんの成すべきことをしてください』
突然白い石板が起動したかと思うとユーフィアの声が聞こえてきた。ということは起動していない通信機を傍受していたことになる。それはいいのだろうか。
『私も戦いますよ』
ユーフィアの嬉しそうな声が通信機から聞こえてきたが、ただ単に本格的に魔武器を使える機会ができてウキウキしているようにしか思えなかった。
『シェリーさん。その通信機を持って行って下さい。もし魔武器が必要であれば、お届けします』
「これに物理的な物を送る機能があるのですか?」
『いいえ、私が転移でお送りしますから大丈夫です』
何が大丈夫何かは分からないが、ユーフィアはこの通信機の座標に転移をすると言っているのだろう。しかし、ユーフィアが勝手に移動することは番であるクストが許すとは思えないが、ユーフィアと直接連絡を取るのであれば、今までのように手紙でやり取りして、侍女のマリアの背後にユーフィアがいるということは無くなるだろう。
『奥様。まずは私が行ってまいりますので、お屋敷にいてくださいませ』
『マリアずるいわ。私も改良版の性能を確認したいわ』
『奥様、駄犬から結界の魔道具の予備はないのかと問い合わせが来ていましたので、ルジオーネ様に渡してまいります!』
この国は戦える者たちがたくさんいる。ならば、シェリーがいなくても問題ないだろう。
シェリーは再び赤いブローチに話しかけた。
「オーウィルディア様、こちらは問題なさそうですので、そちらに行けそうです。どちらに転移をすればよろしいでしょうか?」
そう話しているシェリーの周りでは悲鳴や叫声が聞こえている。既に多くの者たちに頭上の次元の悪魔の存在が認識され、軍部による避難の指示の辺りに響き渡っているのだ。その周りの声にオーウィルディアも王都メイルーンの異常に気がつく。
『公都の神殿前にいるのだけど……もしかして、そっちでも何かが起こっているの?』
「ええ、次元の悪魔が10体ほど空から落ちてきそうですね」
そう、上を見上げれば、既に黒い巨体の殆どが割れた歪から出てきている。この巨体が空から降ってくるとなれば、恐怖しかない。
そして、シェリーは普通に答えているが、王都メイルーンにも公都グリードにも次元の悪魔が同時に顕れるなど、普通ではありえない。はっきり言って作為的だと言っていいだろう。
『なんですって!それならラースには来なくていいわよ。私達でなんとかするから』
「オーウィルディア様。メイルーンに出現した悪魔は10体なので、この国の人達でなんとかできるでしょう。まだ、次元の悪魔ですから」
シェリーはそう言ってグレットを見る。見られたグレットもシェリーに同意するように頷いている。
まだ次元の悪魔しか居ない。そして、いつ戦いになってもいいように第6師団では、この約数ヶ月の間に準備をしていたのだ。ここでシェリーが居なくても問題にはならない。
そして、シェリーはグレットに白い石板の通信機をもらうことを告げ、魔石を取り出す。その行動に慌ててシェリーの番たちがシェリーの周りに駆け寄り、転移陣が展開されたかと思えば、6人の姿がその場から消えた。……消えたその場に空から巨体が降ってきて土煙が立ち上る。
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