勇者の血を継ぐ者

エコマスク

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【170話】 目前のエリフテン塔

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リリア達は制圧した施設の建物内でミーティング中

お昼前までに施設全体をほぼ制圧して馬車を砦壁内に入れた。全員大きな怪我も事故も無く午前中の作戦を終了できたのは良い事だ。前衛の武闘派集団が活躍してくれて予定より早く制圧に成功した事も大きい。
施設内に馬車を乗り入れ、イベントスタッフ達が式の準備を開始する予定。
先ほどまでギャレーで安全に昼食を済ませることができた。


「…ではくれぐれもイベントスタッフ達とお留守番組は残存兵力気を付けてね。しらみつぶしに回ったけど建物の影とかは気を付けて一人で行動しなようにね」リリアが注意を促して全体ミーティングは開催。

ここからはエリフテン塔制圧作戦ミーティング
「じゃ、エリフテン組のミーティングよ。前衛と後衛は今朝と一緒。コトロは留守番のリーダー、ピョン子とニャン子は荷物係り交代よ。ピョンは午前中がんばった。午後はゆっくりしてね。ニャンはあたしとロメリオの後ろをついてくれば良いから。それから…」
リリアは地図を指さして伝える。
「塔は10階建てよ。塔だけに10階建ては伊達じゃないわねぇ。なんちゃって、うっふっふ… 誰も笑ってくれないのね… えぇっと… 砦の様に壁があってここから塔までの道もつづら折り?って言うの?… 真っすぐじゃなからね。 壁内は建物がこれとこれと… で、これが塔。とうとう塔… なんちゃって、うっふっふ… 皆疲れているのね、笑うってエネルギー必用だものね…  で、えっと… 塔は二階まで大きく、簡単に攻めあがれないように通路が細かったり曲がっていたり厄介。三階四階と規模が小さくなってその上はいわゆる塔って感じよね。九階にドラゴンが泊まる予定よ。このベランダになっている場所から入るみたいだよ。で、十階に今回の花嫁さんがお泊りのお部屋っと… ここまで魔物を倒して進むわよ。それで二階は会場と準備に使うし、四階までは全魔物を排除。五階はクッションとしておき、六階七階八階は抵当に魔物を残すの。ドラゴンと花嫁さんが泊まる階は当然オールクリアね」リリアが説明をする。
「なぁ、やっぱり魔物を残すのか?」質問が返ってくる。
「うん、ドラゴンからお姫様を救出する演出というか伝統行事の一環みたいだよ。王子役が魔物を倒し九階にたどり着いてドラゴンを倒し、お姫様を救い出す、この演出ね。余興みたいな感じでそれらを招待客が見るんじゃないの?… 貴族の慣習とか興味ないけど…」リリアが言う。
「そうか… 俺達はやる事やるだけだからな…」
「よし、それではちゃんとお昼休みを取って気力を回復したら門の前に集合よ!いったん解散!」
こんな流れで午後のミーティングは終了した。


「皆待機!あたしとロメリオで砦壁上の狙撃手を排除するから!ニャンじっとていて!」
リリア達はニャンが持ち歩いていた大きな盾の後ろに隠れている。

丘を塔門まで接近していたら壁の上にスケルトン狙撃手が現れた。
「射合いならリリアちゃん方が上よ!ロメリオ勝負する?」リリアが気が付いて弓を引き出したら大勢わらわらと狙撃兵が壁の上に姿を現した。
「多いぞ!気を付ける」
たちまち雨のように矢が降り始めた。
「ニャン!慌てて逃げちゃだめだよ!」
「危険ニャン!死にたくないニャン」と逃げようとするネーコをリリアが引き止める。
「盾よ!盾を使うの!そのための盾!」
リリアがネーコを押えて盾の後ろに隠す。全員お互いに身を寄せて防御。

「ブラック、ザンドンを治癒してあげて。ゴーザル、ロメリオは大丈夫そうだね」
「リリア、おまえ矢が刺さってるぞ」ダカットが言う。
慌てて逃げるニャンを抑えていて矢に当たってしまったようだ。
「大丈夫今矢を抜っつ!!!! 痛いよ!抜くなら一言先に言ってよ!」
「こういうのは一瞬で終わらせた方が痛くないぜ」ゴーザル。
「嫌ニャン!帰りたいニャン!」ネーコはすっかりビビっている。まぁ、彼女は仕方がない…
「討ち返したいが数が多い、迂闊に顔を出せない」ロメリオ。
「藁君を置いてきちまったすね先輩」ブラック。
「ちょっと待ってね、ダカット、あなたの出番よ、ちょっと相手の数を確認してよ」
リリアがホウキの柄を頭の上に掲げる。
「ひでぇ扱いだぜ、矢が… うお! 矢が凄い!…」
「早く報告しないといつもでもこの状態よ」
「… ホウキの使い方間違ってるぜ… わぁ! えぇ… 三十人はいるぜ… もうちょっとか?」
「一回撤退するわよ。このまま後ろに下がる」リリアが言う。
「いや、難しだろう。下がったら近寄れなくなるぜ」ザンドン。
「俺も同じ意見っすね、前に出て壁に取り付いた方が安全っす」
「…… わかった… ちょっと待って… わかった… 門の右手の方が数的に手薄ね… 壁まで走って何とか登るわよ… ロメリオが盾を持ってネーコが後ろをついていくように。ネーコ震えてる暇ないよ、後にとっておいて夕ご飯の時にたっぷり震えたらいいから。ゴーザルとザンドンは鎧があるから外を固めて、ブラックは自分の盾があるからリリアはそれと一緒に走るから」
「それしかねぇな、壁の下から場所取りして登るぞ。脳無し連中だ、登っちまえば何とかなるぞ」
「よし、準備良い?ドッキドキよ!ニャンはロメリオにしっかりついて走って! OK?
OKね! せぇのぉ… GO!GO!GO!」
「にゃ~~~~~~~~、 ネーコ二度とやらないニャン!」
とにかく降り注ぐ矢の中を全員ダッシュ。


リリア達は治療と回復休憩中。
壁の下まで走った後は、魔法と弓の撃ち合いなった。近距離で危険だが、リリア達を狙おうと密集するところを囮を使って攻撃を繰り返して何とか数を減らし、ロープで壁に登って乱戦を制した。
幸運だったのは壁の上の兵士以外は想像より数が少なかった事。

「ニャン、よく頑張った!怪我は無いのね… まだリリア達に反応してないスケルトン達もいるけど今のに比べれば少ないから… 治療して回復よ」リリアも怪我をして息があがっている。
「何とか逃げたニャン… ポーションと薬草を荷物から出すニャン?」ネーコ。
「お、俺後ろから切られたのを防いだぞ… 俺の柄、傷が入ってないか?」ダカット。
「久々、血沸き肉躍る戦いだったな… さすがに無傷とはいかなかったな…」ゴーザル。
「血の気が多いから失血くらいがちょうどいいだろう」ザンドン。
「今の戦いだけで一ヶ月分の矢を放った気がするよ」ロメリオ

「ここからなら建物の屋根にあがって、もっと楽に戦えるはずだよ。塔への侵入も目の前ね」リリア

リリアが壁の上から施設を見下ろすと、スケルトン兵士の数も少ないようだ。十分に回復したら十分塔まで抜けられるだろう。
「よし、とっとと塔を制圧して今夜は屋上でBBQよ、皆がんばよ!」
リリアが見上げると逆光の中、重厚な塔が見えた。
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