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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百六十八話 誘う者
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光の教会のテントから出たイズミは、少し早めの休憩に入る事にして身体を横にした。
近くに居た敵は無力化したとはいえ、オブリビアの夜は危険なのだ。
休める時に身体を休めておくべきだ。
薬の保管についてはロレッタの報告資料に『大容量のアイテムボックスを所有する者が一時的な保管を買って出てくれたので現時点では問題ないが、速やかな回収が出来るように手配をお願いしたい』と記載をしてもらった。
「イズミ…そろそろ起きておいた方が良さそうだぞ」
「何かあったか?」
夕暮れ時、焚火や夕食の準備をしていたベリアがイズミを起こしに来たので、目覚ましに白湯を飲んで気を落ち着けさせた。
「月の色が変わった」
「それは…面倒な事になったな」
野菜の入ったスープを受け取ったイズミが空を見あげると、暗くなってゆく空に浮かぶ青白い月が見える。
「屋敷の方は大丈夫なのか?」
「さっき教会の御子様だったか、護衛と一緒に装備を持って行ったよ」
「この前みたいにグールと戦闘にならなければ良いけど」
食事を終えたイズミは片付けをした後でマスタングからパトライトもどきな魔道具を取り出し、ルーフに設置して浄化機能を発動させておく。
「マスター、ダンジョン入口付近に魔物の反応が出現しました」
「この拠点近辺はどうだ?」
「問題ありません」
マスタングの索敵が魔物を捉えたようだ。
直ぐに戦闘準備をしてベリアに声を掛け、夜警中の冒険者に話を通しておく。
マスタングに乗り込んで領主の屋敷へと向かうと、何人かが出て来た所だった。
「どうした?」
「きゅ、急に月が赤黒くなって…そしたらグールが出て来たんだ!俺達は拠点に報告を任されて、何とか此処まで」
「分かった、報告は任せる。中にはまだ居るのか」
「ロレッタ様が来てくださって、それで対応は出来てますが、これ以上はなんとも」
イズミは報告に向かう冒険者を見送ると、まず単身で敷地内へ入って武器を構える。
問題が無ければベリアにも入ってもらいたいが、まだ状況が把握しきれていない。
遠くで爆発音が鳴り響いたので走って向かうと、冒険者がグールに囲まれた所だった。
ダンジョン警備の人員よりも魔物の数が多く、このままでは壊滅も有り得るので加勢する事にした。
「!助かった…」
「敵の数は多い。同時に複数体を相手にし難いなら、仲間と背中を任せつつ手分けして相手をするんだ」
マグナムで4体のグールを倒したイズミは素早くリロードをすると、ショルダーホルスターに仕舞いショットガンに持ち替える。
「ロレッタ達は?」
「ダンジョン入口の方に向かった。俺は退避ルートの確保を任されたんだ」
「ならベリアにも力を借りよう」
イズミは魔法通信でベリアに連絡を取り、この冒険者の仕事のサポートを頼む。
「マスタング、一旦は待機で頼む。何かあれば連絡をくれ」
「かしこまりました」
ベリアは直ぐに来てくれたのでこの屋敷の外までの退避ルート確保を頼むと、イズミは探索用ライトをショットガンに布と紐で括り付けてダンジョン入口へと向かう。
屋敷の外周を走って移動するとグール達の背後を取ることが出来たので、味方へ被害が出ないように考えながらショットガンを撃って無力化してゆく。
グールの群れはロレッタが発動した聖魔法の結界を突破出来ないのか、結界を叩いているばかりで後続が押し寄せているようだが、これで多少は綺麗になっただろう。
「無事そうだな」
「ここまでの結界を張れたので、何とか守り切れたと言う所ですね」
渡していたワンドを手にするロレッタは、イズミの言葉を聞いて険しかった表情を少し和らげる。
グールの数が想定よりもかなり多く、警備をしていた冒険者とロレッタ達だけでは対応は困難だったのか、防戦に重きをおいて戦闘をしていたようだ。
空になりかけたドラムマガジンを交換し、尚も接近してくるグールを蹴散らしながらベリア達からの連絡を待つ。
「ロレッタさん、ダンジョンの入口近辺を堅持する理由ってなんです?」
「ダンジョン調査中の部隊が何らかの理由で撤退して来た際に、外にも魔物がいると壊滅する恐れがあるからです。それに外の魔物がダンジョンに入り込む可能性もあります」
「逃げ道を失う可能性がある訳か…なら一時的な全員退避も微妙か?」
そんな事を考えている間に近くへ寄ってきたグールの頭をショットガンで吹き飛ばし、胴体に蹴りを入れて地面へ転がていると視界の端にベリアの姿が見えた。
「待たせた!退避ルートの確保が出来たぞ」
一部の冒険者がベリア達が用意した退避ルート…火魔法で出口までの道を一直線状にした…を駆けだすのを見たイズミは、ダンジョンの入口へと近付いてゆく。
探索用ライトで周辺を照らしてみると、倒れたグール達が動き出す所だったので改めて無力化する。
一通り片付けた後でダンジョンの入口をライトで照らすと、見覚えのある奴が螺旋階段を登って来るのが分かった。
それは、白装束を身に纏っていた。
近くに居た敵は無力化したとはいえ、オブリビアの夜は危険なのだ。
休める時に身体を休めておくべきだ。
薬の保管についてはロレッタの報告資料に『大容量のアイテムボックスを所有する者が一時的な保管を買って出てくれたので現時点では問題ないが、速やかな回収が出来るように手配をお願いしたい』と記載をしてもらった。
「イズミ…そろそろ起きておいた方が良さそうだぞ」
「何かあったか?」
夕暮れ時、焚火や夕食の準備をしていたベリアがイズミを起こしに来たので、目覚ましに白湯を飲んで気を落ち着けさせた。
「月の色が変わった」
「それは…面倒な事になったな」
野菜の入ったスープを受け取ったイズミが空を見あげると、暗くなってゆく空に浮かぶ青白い月が見える。
「屋敷の方は大丈夫なのか?」
「さっき教会の御子様だったか、護衛と一緒に装備を持って行ったよ」
「この前みたいにグールと戦闘にならなければ良いけど」
食事を終えたイズミは片付けをした後でマスタングからパトライトもどきな魔道具を取り出し、ルーフに設置して浄化機能を発動させておく。
「マスター、ダンジョン入口付近に魔物の反応が出現しました」
「この拠点近辺はどうだ?」
「問題ありません」
マスタングの索敵が魔物を捉えたようだ。
直ぐに戦闘準備をしてベリアに声を掛け、夜警中の冒険者に話を通しておく。
マスタングに乗り込んで領主の屋敷へと向かうと、何人かが出て来た所だった。
「どうした?」
「きゅ、急に月が赤黒くなって…そしたらグールが出て来たんだ!俺達は拠点に報告を任されて、何とか此処まで」
「分かった、報告は任せる。中にはまだ居るのか」
「ロレッタ様が来てくださって、それで対応は出来てますが、これ以上はなんとも」
イズミは報告に向かう冒険者を見送ると、まず単身で敷地内へ入って武器を構える。
問題が無ければベリアにも入ってもらいたいが、まだ状況が把握しきれていない。
遠くで爆発音が鳴り響いたので走って向かうと、冒険者がグールに囲まれた所だった。
ダンジョン警備の人員よりも魔物の数が多く、このままでは壊滅も有り得るので加勢する事にした。
「!助かった…」
「敵の数は多い。同時に複数体を相手にし難いなら、仲間と背中を任せつつ手分けして相手をするんだ」
マグナムで4体のグールを倒したイズミは素早くリロードをすると、ショルダーホルスターに仕舞いショットガンに持ち替える。
「ロレッタ達は?」
「ダンジョン入口の方に向かった。俺は退避ルートの確保を任されたんだ」
「ならベリアにも力を借りよう」
イズミは魔法通信でベリアに連絡を取り、この冒険者の仕事のサポートを頼む。
「マスタング、一旦は待機で頼む。何かあれば連絡をくれ」
「かしこまりました」
ベリアは直ぐに来てくれたのでこの屋敷の外までの退避ルート確保を頼むと、イズミは探索用ライトをショットガンに布と紐で括り付けてダンジョン入口へと向かう。
屋敷の外周を走って移動するとグール達の背後を取ることが出来たので、味方へ被害が出ないように考えながらショットガンを撃って無力化してゆく。
グールの群れはロレッタが発動した聖魔法の結界を突破出来ないのか、結界を叩いているばかりで後続が押し寄せているようだが、これで多少は綺麗になっただろう。
「無事そうだな」
「ここまでの結界を張れたので、何とか守り切れたと言う所ですね」
渡していたワンドを手にするロレッタは、イズミの言葉を聞いて険しかった表情を少し和らげる。
グールの数が想定よりもかなり多く、警備をしていた冒険者とロレッタ達だけでは対応は困難だったのか、防戦に重きをおいて戦闘をしていたようだ。
空になりかけたドラムマガジンを交換し、尚も接近してくるグールを蹴散らしながらベリア達からの連絡を待つ。
「ロレッタさん、ダンジョンの入口近辺を堅持する理由ってなんです?」
「ダンジョン調査中の部隊が何らかの理由で撤退して来た際に、外にも魔物がいると壊滅する恐れがあるからです。それに外の魔物がダンジョンに入り込む可能性もあります」
「逃げ道を失う可能性がある訳か…なら一時的な全員退避も微妙か?」
そんな事を考えている間に近くへ寄ってきたグールの頭をショットガンで吹き飛ばし、胴体に蹴りを入れて地面へ転がていると視界の端にベリアの姿が見えた。
「待たせた!退避ルートの確保が出来たぞ」
一部の冒険者がベリア達が用意した退避ルート…火魔法で出口までの道を一直線状にした…を駆けだすのを見たイズミは、ダンジョンの入口へと近付いてゆく。
探索用ライトで周辺を照らしてみると、倒れたグール達が動き出す所だったので改めて無力化する。
一通り片付けた後でダンジョンの入口をライトで照らすと、見覚えのある奴が螺旋階段を登って来るのが分かった。
それは、白装束を身に纏っていた。
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