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第三章 無宿人の宿命
第三十四話 魔獣の狩人?
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「あの魔獣を俺が狩れば、報酬はくれるのか」
村の男はまた頷いた。
よし、これで交渉は成立だ。
俺はライフルに弾を込め、カレンと共に魔獣を狙える場所を探す。
幸いな事にカレンは故郷で魔獣狩りの経験があった。
村人達が追い立てている姿を確認出来たので、カレンに村人達に対して声をかけてもらった。
俺は村人達からは見えない所でライフルを構える。
魔獣の胴体…首元から前足付近に狙いを定めた。
村人達の追い立てが止んだと判断したのか、魔獣の動きが止まった。
俺は早る呼吸を抑えつつ、引き金にかける指を絞る。
銃声が聞こえるのと同時に、身体が反動に震えた。
見ると魔獣は倒れていた。
狙った場所からは逸れていたが、実家命中していたのだ。
ライフルに次弾を装填してから魔獣に近付く。
逃げる事は出来ないようだが、まだ生きていた。
カレンが魔獣に対して何かを唱えている。
その後、俺の方を見て告げた。
「止めを刺してあげて下さい」
それが狩人としての務めです。
そう言われた。
俺は静かに頷いてリボルバーを取り出し、魔獣の頭に狙いを付けて、引き金を引いた。
魔獣と目が合ったと感じた瞬間、賊を撃ち殺した時とは違う感情が、脳内に姿を見せた。
凶暴化した魔獣の角をカレンが取ってくれた。
長さは10センチくらいだろうか。
角や爪、もしくは牙が駆除した確証になると教えてくれた。
その後カレンは魔法で魔獣を燃やしてしまった。
凶暴化した魔獣の血肉は、土地や他の生物に悪影響を与えるからだと説明された。
俺はカレンにお礼を言って、角を受け取った。
村の宿屋に戻ると、先程話をした男がいた。
「これが確証になるのだったか?」
俺は魔獣の角を渡した。
亡骸はカレンが魔法で燃やしたと付け加えておいた。
「おぉ、ありがとうございます。本当に助かりました!」
「まさか魔獣の狩人だったとは!」
男が俺の手を握り、感謝の言葉を掛けてくれた。
悪い気はしないが、あまり気分が良くないのは…魔獣へ止めを刺した時に、目が合ったからなのかもしれない。
俺は報酬として銀貨を2枚受け取った。
布袋に仕舞ってから、部屋で休むと告げた。
部屋に入ってから、ライフルの弾抜きをして壁に立て掛けた。
ローブを脱いでリボルバーを取り出し、弾を込め直した。
リボルバーはベッドの枕元に、ホルスターはライフルの所に置いてから、ベッドへ横になった。
思った以上にメンタルに来ていたのか、気分が良くない。
カレンが夕食を取ってきてくれたので一緒に食べたのだが、あまり美味しく感じなかった。
疲れているのだろう。
俺は井戸へ水を汲みに向かい、深呼吸をしながら心を落ち着かせた。
命を奪う覚悟はしていたつもりだったが、やはり重いのだ。
溜め息が溢れるのが分かる。
だが、これは飲み込まねばならない。
これからも魔物を狩るだろうし、戦闘だってあるだろうから。
水を部屋に持って行くと、カレンが半分を魔法で温めてくれた。
布を浸して身体を拭こうとしたら、カレンが背中を拭いてくれた。
「イズミさん、手が震えてますよ」
気付いていなかったが、右手を見ると僅かに震えていた。
かなり堪えているのだと、改めて理解出来た。
「カレンは身体を拭かないのか」
今まではカレンが先に水浴びだったり身体を拭いたりしていたので、念の為に確認した。
「私達の村だけかもしれませんが、水浴びや身を清めるのは朝とされていますので」
聞くとそこまで厳密な教えや風習ではないようだが、習慣になっているらしい。
この辺りは個人の考えの違いがあるようだ。
俺も仕事が休みの日は朝にシャワーを浴びる事があったし、考え方の差との認識で良さそうだ。
今後はカレンの考え方を尊重するとしよう。
俺は気怠い身体をベッドに沈めた。
カレンはいつもの如く抱き着くように密着して眠る支度を整えていた。
いつもよりカレンの匂いを強く感じ、それがとても心地良い。
安心感の様なものを感じつつ、俺は眠りについた。
翌朝、目覚めるとカレンが居なかった。
辺りを見渡すと、カレンが朝食を取って来た所だった。
「おはようございます。良く眠れましたか?」
カレンは早く起きて身体を拭いたりしていたそうだ。
そんなタイミングで目覚めなくて良かったと思うべきだろうか?
「ああ、良く眠れたと思う」
水を飲んでから朝食を取る。
大分気分も良くなっていた。
これなら、今後の旅路も大丈夫そうだ。
朝食を食べ終えてから髭剃りの準備をした。
元いた世界でヒゲ脱毛でしておけば…とか思ったりもしたが、俺は髭を剃ると言う動作に男の儀式めいたものを感じているので、脱毛はしていなかったのだ。
「イズミさん!」
カレンが声を荒らげて近付いて来た。
何事かと聞けば、髭剃りは私の役割だと言って聞く耳を持たない。
自分で剃るのも好きなのだが、カレンからすれば信用問題になるそうだ。
改めて今後は下準備まではやっても良いが、泡立ての工程からはカレンに委ねる取り決めとなった。
片付けを済ませて宿屋を出た所で、アーリアから魔法通信が来た。
「ちょっと話せないかしら」
マスタングに向かうと、アーリアが転移してきた所だった。
聞くとアーリアは昨日、とある魔族が主催するお茶会に招かれたそうで、そこで見た事も聞いた事も無い酒を出されたのだそうだ。
「イズミ、何か知らない?」
思い当たる節しか無い。
俺はラムネを実体化させてアーリアに渡す。
「そうだな…知ってはいる。あれは献上品だ」
丁重なおもてなしの一部かな。
そう答えておいた。
「そう。ルノ夫人の旦那様が大層気に入ってたから、近々お声がかかるかもね」
原初魔族の旦那様か…
俺が会っても良い御方なのだろうか。
その時が来たら、生きた心地はしないのだろうな。
アーリアの転移を見送ってから、マスタングに乗り込んだ。
次の目的地を設定するが、今夜は野宿になりそうだ。
マスタングなら普通に夕方までには到着するが、馬車での移動速度に準ずると一泊は野宿になるのだ。
やっと冒険者らしい旅路になると期待をしつつ、アクセルを踏み込んだ。
村の男はまた頷いた。
よし、これで交渉は成立だ。
俺はライフルに弾を込め、カレンと共に魔獣を狙える場所を探す。
幸いな事にカレンは故郷で魔獣狩りの経験があった。
村人達が追い立てている姿を確認出来たので、カレンに村人達に対して声をかけてもらった。
俺は村人達からは見えない所でライフルを構える。
魔獣の胴体…首元から前足付近に狙いを定めた。
村人達の追い立てが止んだと判断したのか、魔獣の動きが止まった。
俺は早る呼吸を抑えつつ、引き金にかける指を絞る。
銃声が聞こえるのと同時に、身体が反動に震えた。
見ると魔獣は倒れていた。
狙った場所からは逸れていたが、実家命中していたのだ。
ライフルに次弾を装填してから魔獣に近付く。
逃げる事は出来ないようだが、まだ生きていた。
カレンが魔獣に対して何かを唱えている。
その後、俺の方を見て告げた。
「止めを刺してあげて下さい」
それが狩人としての務めです。
そう言われた。
俺は静かに頷いてリボルバーを取り出し、魔獣の頭に狙いを付けて、引き金を引いた。
魔獣と目が合ったと感じた瞬間、賊を撃ち殺した時とは違う感情が、脳内に姿を見せた。
凶暴化した魔獣の角をカレンが取ってくれた。
長さは10センチくらいだろうか。
角や爪、もしくは牙が駆除した確証になると教えてくれた。
その後カレンは魔法で魔獣を燃やしてしまった。
凶暴化した魔獣の血肉は、土地や他の生物に悪影響を与えるからだと説明された。
俺はカレンにお礼を言って、角を受け取った。
村の宿屋に戻ると、先程話をした男がいた。
「これが確証になるのだったか?」
俺は魔獣の角を渡した。
亡骸はカレンが魔法で燃やしたと付け加えておいた。
「おぉ、ありがとうございます。本当に助かりました!」
「まさか魔獣の狩人だったとは!」
男が俺の手を握り、感謝の言葉を掛けてくれた。
悪い気はしないが、あまり気分が良くないのは…魔獣へ止めを刺した時に、目が合ったからなのかもしれない。
俺は報酬として銀貨を2枚受け取った。
布袋に仕舞ってから、部屋で休むと告げた。
部屋に入ってから、ライフルの弾抜きをして壁に立て掛けた。
ローブを脱いでリボルバーを取り出し、弾を込め直した。
リボルバーはベッドの枕元に、ホルスターはライフルの所に置いてから、ベッドへ横になった。
思った以上にメンタルに来ていたのか、気分が良くない。
カレンが夕食を取ってきてくれたので一緒に食べたのだが、あまり美味しく感じなかった。
疲れているのだろう。
俺は井戸へ水を汲みに向かい、深呼吸をしながら心を落ち着かせた。
命を奪う覚悟はしていたつもりだったが、やはり重いのだ。
溜め息が溢れるのが分かる。
だが、これは飲み込まねばならない。
これからも魔物を狩るだろうし、戦闘だってあるだろうから。
水を部屋に持って行くと、カレンが半分を魔法で温めてくれた。
布を浸して身体を拭こうとしたら、カレンが背中を拭いてくれた。
「イズミさん、手が震えてますよ」
気付いていなかったが、右手を見ると僅かに震えていた。
かなり堪えているのだと、改めて理解出来た。
「カレンは身体を拭かないのか」
今まではカレンが先に水浴びだったり身体を拭いたりしていたので、念の為に確認した。
「私達の村だけかもしれませんが、水浴びや身を清めるのは朝とされていますので」
聞くとそこまで厳密な教えや風習ではないようだが、習慣になっているらしい。
この辺りは個人の考えの違いがあるようだ。
俺も仕事が休みの日は朝にシャワーを浴びる事があったし、考え方の差との認識で良さそうだ。
今後はカレンの考え方を尊重するとしよう。
俺は気怠い身体をベッドに沈めた。
カレンはいつもの如く抱き着くように密着して眠る支度を整えていた。
いつもよりカレンの匂いを強く感じ、それがとても心地良い。
安心感の様なものを感じつつ、俺は眠りについた。
翌朝、目覚めるとカレンが居なかった。
辺りを見渡すと、カレンが朝食を取って来た所だった。
「おはようございます。良く眠れましたか?」
カレンは早く起きて身体を拭いたりしていたそうだ。
そんなタイミングで目覚めなくて良かったと思うべきだろうか?
「ああ、良く眠れたと思う」
水を飲んでから朝食を取る。
大分気分も良くなっていた。
これなら、今後の旅路も大丈夫そうだ。
朝食を食べ終えてから髭剃りの準備をした。
元いた世界でヒゲ脱毛でしておけば…とか思ったりもしたが、俺は髭を剃ると言う動作に男の儀式めいたものを感じているので、脱毛はしていなかったのだ。
「イズミさん!」
カレンが声を荒らげて近付いて来た。
何事かと聞けば、髭剃りは私の役割だと言って聞く耳を持たない。
自分で剃るのも好きなのだが、カレンからすれば信用問題になるそうだ。
改めて今後は下準備まではやっても良いが、泡立ての工程からはカレンに委ねる取り決めとなった。
片付けを済ませて宿屋を出た所で、アーリアから魔法通信が来た。
「ちょっと話せないかしら」
マスタングに向かうと、アーリアが転移してきた所だった。
聞くとアーリアは昨日、とある魔族が主催するお茶会に招かれたそうで、そこで見た事も聞いた事も無い酒を出されたのだそうだ。
「イズミ、何か知らない?」
思い当たる節しか無い。
俺はラムネを実体化させてアーリアに渡す。
「そうだな…知ってはいる。あれは献上品だ」
丁重なおもてなしの一部かな。
そう答えておいた。
「そう。ルノ夫人の旦那様が大層気に入ってたから、近々お声がかかるかもね」
原初魔族の旦那様か…
俺が会っても良い御方なのだろうか。
その時が来たら、生きた心地はしないのだろうな。
アーリアの転移を見送ってから、マスタングに乗り込んだ。
次の目的地を設定するが、今夜は野宿になりそうだ。
マスタングなら普通に夕方までには到着するが、馬車での移動速度に準ずると一泊は野宿になるのだ。
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