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第十五章 ハルハンディア共和国
第二百十二話 やり過ぎです
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買い物を済ませた2人は屋敷に戻り、明日から移動を開始するとグラテミアに事前連絡をする。
荷物をマスタングに収納し一呼吸ついていると、入り口の方から声を掛けられた。
見てみるが、ここ数日の間に見た方では無いようだ。
「なんでしょう?」
「…」
ショートカットの小柄なラミア族に見える女だった。
イズミの事を舐めるように観察すると、髪の毛がブワッと逆立った。
殆ど睨み合いに近い状態だったが、イズミがクシャミをすると相手がポカンと口を開け、根負けしたのかのような笑顔を作った。
「貴方…何とも無いのね」
「おっと失礼、鼻がむず痒くて。何かありましたか?」
「…真に勝手ながら、貴方を試させて頂きました」
ラミアの女性はそう言うと、小さく頭を下げる。
「私はフラウリアと申します。貴方方が連れ帰って下さいました娘の、姉に当たります」
「成程です。で、何を試したのです?」
「貴方に誘惑と金縛りの魔法を掛けようとしたのですが、何故か両方とも空振りでした」
フラウリアがゆっくりとマスタングへ近づくが、マスタングは敵では無いと判断したようで特にアクションを起こさなかった。
「貴方、魔法は使えるの?」
「イズミです。魔法は全く使えません、魔術師協会のお墨付きがあります」
「よろしくお願いしますわ、イズミさん…使えないとは?簡単な火も水も出せないの?日常魔法も?」
「全て、使えません」
正直に伝えただけなのだが、フラウリアは愕然とした表情でイズミを見つめる。
「い、妹の成長が凄かったから、きっと高名な魔術師が居るのかと思ったのですが…」
「卵の中での成長ですか?」
「はい。あの様子なら、もう一月もあれば産まれるでしょう。将来が非常に有望ですわ」
細かい事は聞かないと決め、イズミはマスタングから少し離れる。
その瞬間、フラウリアが驚いた表情でイズミとマスタングを交互に確認する。
「ちょっと待って…どうして貴方達、全く同じ魔力をしているの?」
何処かの貴族の御令嬢と同じ質問である。
この質問をされると言う事は、目の前のラミア族…フラウリア…は、かなりの実力者である事が分かる。
「紹介しましょう…マスタング。私が契約をしているアーティファクトです。最高で最強の、頼もしい相棒です」
「フラウリア様、よろしくお願い致します」
マスタングの紹介をすると、直ぐに挨拶をしてくれた。
「初めて見るタイプのアーティファクトね…何が出来るかを聞くのは、流石に問題ですよね?」
「内容によりけりです」
フラウリアは深呼吸をすると、言葉を紡いだ。
「妹の魔力には複数の力が融合されています。魔剣の話は聞きましたが、それだけでは足りません。何をしましたか?」
「…マスタング、何かしたか?」
質問に答えられないので、マスタングに話を振った。
「マスターより、『必ず卵を守れ』との指示を受けたので、卵にて眠る子供へ守護魔法を使わせて頂きました」
「初耳なのだが?」
「守り方の指定はありませんでしたので」
マスタングからの真っ当な指摘を受けたイズミは、あっさりと納得した。
「確かに…だ、そうです」
「具体的には、どの様な守護魔法なのでしょうか?私にはプロテクトまでは分かったのですが」
当然ながら守護魔法にも種類がある。
どのレベルの魔法なのか、判断が出来なかったようだ。
「病、呪い、攻撃性魔法の全てを防ぎ退けます。反射魔法の付与もしましたので、確実かつ効果増大状態での呪い返しを約束します。物理防御に関しては魔剣が担う事で、この守護魔法が完成しました」
「…ついこの間までは、そこまででは無かったのか?」
マスタングの説明を聞いたイズミが、追加で確認を取る。
「魔剣のお陰で、より高次元の魔法になっただけです。マスターが私に毎日魔力を充填して下さるので、過去最高レベルの魔法となっております」
「ど、どのようなレベルですか?」
余りにも興味深い説明にフラウリアの語気が強まる。
「守護魔法の制御を会得し研鑽を積めば、魔王や原初魔族、偉大なる6柱にも匹敵する防御力となります」
「それはやり過ぎじゃないか?」
「マスターは卵を守る為なら、国や世界を敵に回しても構わないと仰りました。その覚悟に見合った守護魔法です」
イズミもフラウリアも、開いた口が塞がらなかった。
荷物をマスタングに収納し一呼吸ついていると、入り口の方から声を掛けられた。
見てみるが、ここ数日の間に見た方では無いようだ。
「なんでしょう?」
「…」
ショートカットの小柄なラミア族に見える女だった。
イズミの事を舐めるように観察すると、髪の毛がブワッと逆立った。
殆ど睨み合いに近い状態だったが、イズミがクシャミをすると相手がポカンと口を開け、根負けしたのかのような笑顔を作った。
「貴方…何とも無いのね」
「おっと失礼、鼻がむず痒くて。何かありましたか?」
「…真に勝手ながら、貴方を試させて頂きました」
ラミアの女性はそう言うと、小さく頭を下げる。
「私はフラウリアと申します。貴方方が連れ帰って下さいました娘の、姉に当たります」
「成程です。で、何を試したのです?」
「貴方に誘惑と金縛りの魔法を掛けようとしたのですが、何故か両方とも空振りでした」
フラウリアがゆっくりとマスタングへ近づくが、マスタングは敵では無いと判断したようで特にアクションを起こさなかった。
「貴方、魔法は使えるの?」
「イズミです。魔法は全く使えません、魔術師協会のお墨付きがあります」
「よろしくお願いしますわ、イズミさん…使えないとは?簡単な火も水も出せないの?日常魔法も?」
「全て、使えません」
正直に伝えただけなのだが、フラウリアは愕然とした表情でイズミを見つめる。
「い、妹の成長が凄かったから、きっと高名な魔術師が居るのかと思ったのですが…」
「卵の中での成長ですか?」
「はい。あの様子なら、もう一月もあれば産まれるでしょう。将来が非常に有望ですわ」
細かい事は聞かないと決め、イズミはマスタングから少し離れる。
その瞬間、フラウリアが驚いた表情でイズミとマスタングを交互に確認する。
「ちょっと待って…どうして貴方達、全く同じ魔力をしているの?」
何処かの貴族の御令嬢と同じ質問である。
この質問をされると言う事は、目の前のラミア族…フラウリア…は、かなりの実力者である事が分かる。
「紹介しましょう…マスタング。私が契約をしているアーティファクトです。最高で最強の、頼もしい相棒です」
「フラウリア様、よろしくお願い致します」
マスタングの紹介をすると、直ぐに挨拶をしてくれた。
「初めて見るタイプのアーティファクトね…何が出来るかを聞くのは、流石に問題ですよね?」
「内容によりけりです」
フラウリアは深呼吸をすると、言葉を紡いだ。
「妹の魔力には複数の力が融合されています。魔剣の話は聞きましたが、それだけでは足りません。何をしましたか?」
「…マスタング、何かしたか?」
質問に答えられないので、マスタングに話を振った。
「マスターより、『必ず卵を守れ』との指示を受けたので、卵にて眠る子供へ守護魔法を使わせて頂きました」
「初耳なのだが?」
「守り方の指定はありませんでしたので」
マスタングからの真っ当な指摘を受けたイズミは、あっさりと納得した。
「確かに…だ、そうです」
「具体的には、どの様な守護魔法なのでしょうか?私にはプロテクトまでは分かったのですが」
当然ながら守護魔法にも種類がある。
どのレベルの魔法なのか、判断が出来なかったようだ。
「病、呪い、攻撃性魔法の全てを防ぎ退けます。反射魔法の付与もしましたので、確実かつ効果増大状態での呪い返しを約束します。物理防御に関しては魔剣が担う事で、この守護魔法が完成しました」
「…ついこの間までは、そこまででは無かったのか?」
マスタングの説明を聞いたイズミが、追加で確認を取る。
「魔剣のお陰で、より高次元の魔法になっただけです。マスターが私に毎日魔力を充填して下さるので、過去最高レベルの魔法となっております」
「ど、どのようなレベルですか?」
余りにも興味深い説明にフラウリアの語気が強まる。
「守護魔法の制御を会得し研鑽を積めば、魔王や原初魔族、偉大なる6柱にも匹敵する防御力となります」
「それはやり過ぎじゃないか?」
「マスターは卵を守る為なら、国や世界を敵に回しても構わないと仰りました。その覚悟に見合った守護魔法です」
イズミもフラウリアも、開いた口が塞がらなかった。
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※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
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