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第十六章 犯罪組織を追え
第二百二十六話 ヒーラー不在です
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身体の悲鳴がよく分かる程にアドレナリンの効果が薄くなり始め、イズミは脂汗をかきながら建物に入り込む。
イズミが廊下に出ると、既にベリアが男を捕らえていた。
男は脇腹から出血をしており、左脚には何かが貫通したかのような穴がある。
「何とか捕らえられたぞ。イズミは大丈夫そう…じゃないな?」
「結構キツいぜ」
近くにあった椅子に座ると、イズミは天井を見上げる。
たった一撃食らっただけでも、このダメージである。
一瞬の油断が命取りになるとは、よく言ったものだ。
ベリアが男をフラウリアの従者に引き渡す。
1人は建物への侵入を許してしまったが、子供達に怪我は無かったようだ。
銃身が切断されたマグナムをホルスターに仕舞おうとするが、身体の痛みで床へ落としてしまう。
手を伸ばそうとするが、身体中が悲鳴を上げてしまい思うように動けない。
「…瀕死のオーガでも一撃は重いからな、生身の人間で動けるだけでも大したもんだぞ」
ベリアがマグナムを回収し、ホルスターへ仕舞ってくれた。
「オーガの魔力を死と同時に爆発魔法に全変換する、敵ながら恐ろしい事をするわね」
フラウリアがため息をつきながら言った。
「久しぶりに多重防御魔法を広範囲に張ったから疲れたわ…侵入して来た男もかなりの手練れのようでしたけど、コレのお陰で楽勝でした」
腕時計を撫でながらフラウリアが顛末を説明してくれた。
男が廊下に現れた時点で、脇腹からの出血があったようだ。
コレはマグナムが掠ったのかしっかり食らったのかは分からない。
フラウリアを視認した男は、矢のような形をしたストーンバレットを繰り出したが、腕時計の魔法返し機能を活用して反撃し左脚に当てたのだそう。
左脚を負傷し転倒した男をベリアが捕らえた所で、自分が到着したと言う事だった。
子供達の看護をしている女性がイズミの容態を確認する。
「左腕と肋骨を痛めています。打撲傷も複数、臓器の損傷は無いようです」
「折れてるのか?…聞いたら余計に痛くなってきた気がするよ」
イズミは右手が使える事に安堵したが、戦闘には支障をきたしてしまう事に変わりは無い。
「ヒールで治療しても、骨まで痛めていると痛みが引くのは少し先になるぞ。何にせよ、安静にしている必要がある」
「おいおい、旅はまだ先があるってのに」
旅を続行するつもりのイズミを、ベリアが引き留める。
マスタングからも止められた。
「マスター、少し休息を取りましょう。私が対応した馬車に今回の襲撃に関する資料がありましたので、フラウリア様に調べて貰ってからでも、旅の再開は遅くありません」
マスタングはベリアを呼ぶと、破壊したという馬車まで走って行ってしまった。
「休息ね。骨折…折れてたりヒビが入った骨を治せるヒーラーって、何方?」
イズミがフラウリアに確認を取るが、視線を逸らされる。
目の前にいる女性も、首を横に振っている。
馬車から資料を回収し戻って来たベリアにも聞いてみるが、出来る訳無いだろと即答された。
つまり、現在イズミが必要とするヒーラーが居ないのである。
「…マジ?自然治癒は勘弁だぜ」
困ったイズミは何とかアーリアに魔法通信を繋げる。
アーリアなら対応出来るはずだ。
「イズミ、どうしたの?また何かやらかした?」
「やらかしたと言うか、油断したと言うか…」
「分かったわ。そっちに行くわね」
マスタングの元に転移して来たアーリアは、戦闘の形跡を見ておおよその事態を理解する。
ボロボロのイズミを見たアーリアは、心配の言葉よりも先にイズミの頭を叩いた。
「痛ぇ!」
「今度は何をしたのよ?こっ酷くやられてるし、派手にやらかしてるし」
ベリアがイズミに代わって説明をしてくれた。
呆れた顔でイズミを見ると、負傷状況を確認する。
「あー…これは治せるけど、1ヶ月位は違和感が残るわね」
「違和感?」
「傷は直ぐに治せても、負傷した事自体が無くなった訳じゃないから。身体が負傷した事を憶えていて、痛みだったり動きが鈍くなったりするのよ。患部を固定しての絶対安静が不用な事がヒールの利点ね」
「なるほど?」
魔法で治して動かせはするが、骨が折れた時の痛みがある程度続くのか。
幻肢痛みたいなものなのだろうか?
「治ったわよ」
「…確かに、少しは動かしても大丈夫みたいだ」
ゆっくりとイズミが身体を動かしてみるが、そこまで痛みを感じはしなかった。
「油断は禁物よ?」
アーリアが治した肋骨辺りを。軽く指でなぞる。
「いってぇ!」
「ほら」
イズミは治療を終えたアーリアに礼を言うと、後でちゃんとした礼をしなければと考えつつ、ゆっくりとマスタングの元へ歩き出した。
イズミが廊下に出ると、既にベリアが男を捕らえていた。
男は脇腹から出血をしており、左脚には何かが貫通したかのような穴がある。
「何とか捕らえられたぞ。イズミは大丈夫そう…じゃないな?」
「結構キツいぜ」
近くにあった椅子に座ると、イズミは天井を見上げる。
たった一撃食らっただけでも、このダメージである。
一瞬の油断が命取りになるとは、よく言ったものだ。
ベリアが男をフラウリアの従者に引き渡す。
1人は建物への侵入を許してしまったが、子供達に怪我は無かったようだ。
銃身が切断されたマグナムをホルスターに仕舞おうとするが、身体の痛みで床へ落としてしまう。
手を伸ばそうとするが、身体中が悲鳴を上げてしまい思うように動けない。
「…瀕死のオーガでも一撃は重いからな、生身の人間で動けるだけでも大したもんだぞ」
ベリアがマグナムを回収し、ホルスターへ仕舞ってくれた。
「オーガの魔力を死と同時に爆発魔法に全変換する、敵ながら恐ろしい事をするわね」
フラウリアがため息をつきながら言った。
「久しぶりに多重防御魔法を広範囲に張ったから疲れたわ…侵入して来た男もかなりの手練れのようでしたけど、コレのお陰で楽勝でした」
腕時計を撫でながらフラウリアが顛末を説明してくれた。
男が廊下に現れた時点で、脇腹からの出血があったようだ。
コレはマグナムが掠ったのかしっかり食らったのかは分からない。
フラウリアを視認した男は、矢のような形をしたストーンバレットを繰り出したが、腕時計の魔法返し機能を活用して反撃し左脚に当てたのだそう。
左脚を負傷し転倒した男をベリアが捕らえた所で、自分が到着したと言う事だった。
子供達の看護をしている女性がイズミの容態を確認する。
「左腕と肋骨を痛めています。打撲傷も複数、臓器の損傷は無いようです」
「折れてるのか?…聞いたら余計に痛くなってきた気がするよ」
イズミは右手が使える事に安堵したが、戦闘には支障をきたしてしまう事に変わりは無い。
「ヒールで治療しても、骨まで痛めていると痛みが引くのは少し先になるぞ。何にせよ、安静にしている必要がある」
「おいおい、旅はまだ先があるってのに」
旅を続行するつもりのイズミを、ベリアが引き留める。
マスタングからも止められた。
「マスター、少し休息を取りましょう。私が対応した馬車に今回の襲撃に関する資料がありましたので、フラウリア様に調べて貰ってからでも、旅の再開は遅くありません」
マスタングはベリアを呼ぶと、破壊したという馬車まで走って行ってしまった。
「休息ね。骨折…折れてたりヒビが入った骨を治せるヒーラーって、何方?」
イズミがフラウリアに確認を取るが、視線を逸らされる。
目の前にいる女性も、首を横に振っている。
馬車から資料を回収し戻って来たベリアにも聞いてみるが、出来る訳無いだろと即答された。
つまり、現在イズミが必要とするヒーラーが居ないのである。
「…マジ?自然治癒は勘弁だぜ」
困ったイズミは何とかアーリアに魔法通信を繋げる。
アーリアなら対応出来るはずだ。
「イズミ、どうしたの?また何かやらかした?」
「やらかしたと言うか、油断したと言うか…」
「分かったわ。そっちに行くわね」
マスタングの元に転移して来たアーリアは、戦闘の形跡を見ておおよその事態を理解する。
ボロボロのイズミを見たアーリアは、心配の言葉よりも先にイズミの頭を叩いた。
「痛ぇ!」
「今度は何をしたのよ?こっ酷くやられてるし、派手にやらかしてるし」
ベリアがイズミに代わって説明をしてくれた。
呆れた顔でイズミを見ると、負傷状況を確認する。
「あー…これは治せるけど、1ヶ月位は違和感が残るわね」
「違和感?」
「傷は直ぐに治せても、負傷した事自体が無くなった訳じゃないから。身体が負傷した事を憶えていて、痛みだったり動きが鈍くなったりするのよ。患部を固定しての絶対安静が不用な事がヒールの利点ね」
「なるほど?」
魔法で治して動かせはするが、骨が折れた時の痛みがある程度続くのか。
幻肢痛みたいなものなのだろうか?
「治ったわよ」
「…確かに、少しは動かしても大丈夫みたいだ」
ゆっくりとイズミが身体を動かしてみるが、そこまで痛みを感じはしなかった。
「油断は禁物よ?」
アーリアが治した肋骨辺りを。軽く指でなぞる。
「いってぇ!」
「ほら」
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