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第十八章 手掛かりを探して
第二百五十七話 ランクアップ
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「そこでベリアのAランク冒険者カードが効果を発揮する訳か。元々ランクアップの話があった事もあり、渡りに船ってやつか」
「なんかアタイのAランク冒険者ってのが餌で、イズミが獲物に見えて来た」
ベリアお得意のジト目がヨーレムに突き刺さっているが、ヨーレムは苦笑いを浮かべているだけだった。
「そんなもんさ。大きな組織になればなるほど、際どい話や黒い話もあるし、他者を上手く利用して円滑なギルド運営を出来たら儲けもんだろ」
「うーん、なんか納得し辛いぞ」
「何時だって利用し、利用される定めなのさ。組織に所属するってのはな」
遠い目をするイズミを見たベリアは、椅子の上であぐらをかいて考え込んだ。
「アタイがイズミに対応を頼んだ場合、イズミに金は入るのか?」
「原則ですと、冒険者ギルド登録者のベリア氏にのみ支払われます。我々が依頼出来るのはベリア氏のみですから」
ある意味当然の回答である。
冒険者ギルドが依頼出来るのは原則として、冒険者ギルドに登録をしてある冒険者のみなのだ。
「イズミ氏に支払いが発生する事例は、魔物が現れ冒険者ギルドが緊急依頼を出す前に、その魔物を討伐した場合ですね。港町で発生したグリフォン騒動では、イズミ氏に報酬が出ていますので」
あの騒動では大多数の人間がイズミがグリフォンを打ち倒したのを見ていたが故に、冒険者ギルドとしても例外として対応する他無かったのだ。
「つまり冒険者ギルドからアタイに緊急依頼が来た場合は、既に依頼が出ているので例外にならない。上手く出来てるな」
「そう言う狡猾さも、大きな組織で上に立つ者には必要だぞ」
グヌヌとうめき声をあげて悩むベリアだったが、イズミはあっけらかんと答えた。
「受け取れば良いと思うぞ」
「でもなぁ…」
「緊急依頼が来て俺に協力を仰いで対応に動いても、現場に間に合う保証は無い。到着した時には既に手遅れでした…とかでも冒険者ギルドは何も文句は言えないんだ。そうだろ?」
イズミの言葉を聞いたヨーレムは苦い顔で頷いた。
「それに、緊急依頼よりも重要事案を対応していた場合は、例外にもなりそうだ。例えば…依頼が来る前に上級貴族から直接受けたの依頼を対応していたり、上位魔族の対応をしていたりとかな」
「…冒険者ギルドに対して発言権のある方が先に依頼をしていた場合、そちらが優先にはなります」
イズミの読みは正しかった。
これはつまり、ソフィアから受け取った免状が有効活用出来る事を意味する。
「持つべきものは貴族の友人って事か」
「なんか言ったか?」
イズミがボソリと呟いた言葉を確認して来たベリアに対し、何でもないと答えてからテーブルへと目をやった。
「ちゃちゃっと受け取って、ランク昇格祝いでもしようぜ」
「…分かった」
悩みを断ち切ったベリアがAランクの冒険者カードを手に取り、今まで持っていた銀色のカードを返却する。
最後に書類にサインをすると、ベリアは正式にAランク冒険者となった。
「おめでとう」
イズミは素直に祝福の言葉を贈った。
冒険者ギルドを後にして宿屋へと歩いていると、ベリアがしきりに背後を気にしている。
「…2人かな?誰かが付いてきてる」
「敵意が無ければ良いさ」
追手かもしれない者達を撒く事無く宿屋に戻ると、宿屋の主人が声を掛けてきた。
「お客さん、お客さんの馬車の近くで猫が待ってますよ」
どうやらベリアが頼み事をしていた猫が、自分達の宿屋を調べてやって来たようだ。
宿屋の主人も猫を邪険にはしておらず、ネズミ退治をしてくれる猫を可愛がっているようである。
マスタングの元へ到着した時、猫が6匹ほど寛いでいた。
イズミ達が近付いても逃げる気配は無い。
「マスター、トランクに猫用の餌と小皿を実体化しております」
「ありがとう」
イズミがトランクを開けても、猫達は逃げる素振りすら見せなかった。
小皿を地面に置いて餌…ウェットなフード…を入れると、猫達が皿へと近寄ってきた。
今猫達を撫でるのは何か違うと判断したイズミは、少し距離を取って猫達が餌を食べ終えるのをベリアと共に待つ事にした。
「なんかアタイのAランク冒険者ってのが餌で、イズミが獲物に見えて来た」
ベリアお得意のジト目がヨーレムに突き刺さっているが、ヨーレムは苦笑いを浮かべているだけだった。
「そんなもんさ。大きな組織になればなるほど、際どい話や黒い話もあるし、他者を上手く利用して円滑なギルド運営を出来たら儲けもんだろ」
「うーん、なんか納得し辛いぞ」
「何時だって利用し、利用される定めなのさ。組織に所属するってのはな」
遠い目をするイズミを見たベリアは、椅子の上であぐらをかいて考え込んだ。
「アタイがイズミに対応を頼んだ場合、イズミに金は入るのか?」
「原則ですと、冒険者ギルド登録者のベリア氏にのみ支払われます。我々が依頼出来るのはベリア氏のみですから」
ある意味当然の回答である。
冒険者ギルドが依頼出来るのは原則として、冒険者ギルドに登録をしてある冒険者のみなのだ。
「イズミ氏に支払いが発生する事例は、魔物が現れ冒険者ギルドが緊急依頼を出す前に、その魔物を討伐した場合ですね。港町で発生したグリフォン騒動では、イズミ氏に報酬が出ていますので」
あの騒動では大多数の人間がイズミがグリフォンを打ち倒したのを見ていたが故に、冒険者ギルドとしても例外として対応する他無かったのだ。
「つまり冒険者ギルドからアタイに緊急依頼が来た場合は、既に依頼が出ているので例外にならない。上手く出来てるな」
「そう言う狡猾さも、大きな組織で上に立つ者には必要だぞ」
グヌヌとうめき声をあげて悩むベリアだったが、イズミはあっけらかんと答えた。
「受け取れば良いと思うぞ」
「でもなぁ…」
「緊急依頼が来て俺に協力を仰いで対応に動いても、現場に間に合う保証は無い。到着した時には既に手遅れでした…とかでも冒険者ギルドは何も文句は言えないんだ。そうだろ?」
イズミの言葉を聞いたヨーレムは苦い顔で頷いた。
「それに、緊急依頼よりも重要事案を対応していた場合は、例外にもなりそうだ。例えば…依頼が来る前に上級貴族から直接受けたの依頼を対応していたり、上位魔族の対応をしていたりとかな」
「…冒険者ギルドに対して発言権のある方が先に依頼をしていた場合、そちらが優先にはなります」
イズミの読みは正しかった。
これはつまり、ソフィアから受け取った免状が有効活用出来る事を意味する。
「持つべきものは貴族の友人って事か」
「なんか言ったか?」
イズミがボソリと呟いた言葉を確認して来たベリアに対し、何でもないと答えてからテーブルへと目をやった。
「ちゃちゃっと受け取って、ランク昇格祝いでもしようぜ」
「…分かった」
悩みを断ち切ったベリアがAランクの冒険者カードを手に取り、今まで持っていた銀色のカードを返却する。
最後に書類にサインをすると、ベリアは正式にAランク冒険者となった。
「おめでとう」
イズミは素直に祝福の言葉を贈った。
冒険者ギルドを後にして宿屋へと歩いていると、ベリアがしきりに背後を気にしている。
「…2人かな?誰かが付いてきてる」
「敵意が無ければ良いさ」
追手かもしれない者達を撒く事無く宿屋に戻ると、宿屋の主人が声を掛けてきた。
「お客さん、お客さんの馬車の近くで猫が待ってますよ」
どうやらベリアが頼み事をしていた猫が、自分達の宿屋を調べてやって来たようだ。
宿屋の主人も猫を邪険にはしておらず、ネズミ退治をしてくれる猫を可愛がっているようである。
マスタングの元へ到着した時、猫が6匹ほど寛いでいた。
イズミ達が近付いても逃げる気配は無い。
「マスター、トランクに猫用の餌と小皿を実体化しております」
「ありがとう」
イズミがトランクを開けても、猫達は逃げる素振りすら見せなかった。
小皿を地面に置いて餌…ウェットなフード…を入れると、猫達が皿へと近寄ってきた。
今猫達を撫でるのは何か違うと判断したイズミは、少し距離を取って猫達が餌を食べ終えるのをベリアと共に待つ事にした。
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