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第十八章 手掛かりを探して
第二百六十四話 監視者からの招待
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イズミは宿屋で熟睡とまではいかないものの、睡眠を取り頭が多少スッキリしたのでマスタングの隣でコーヒーを作っていた。
「朝のコーヒーは沁みるなぁ」
苦みが強烈なコーヒーを胃に流し込みながら、マスタングに寄りかかっていると魔法通信で連絡があった。
「マスター。敵意はありませんが、1名接近中です」
コップを左手に持ち替えて周囲を確認するも、イズミには接近する者の姿は見えない。
「10時方向です」
マスタングからの追加連絡を聞いたイズミが目だけを動かして見てみると、確かに誰かが居るような気がする。
「…何時まで俺達の行動を覗き見してるつもりだ?面白い事は何も無いぞ」
「…この町の中では、そうだな」
聞き覚えの無い男の声と共に、視線の先から男が姿を現した。
灰色のローブが魔法衣となっているのか、頭だけがハッキリと見えて身体は周囲に溶け込んでいる。
「何か用事があるなら、堂々と言ってほしいものだな」
「どのような相手なのか調べるのも、我々の仕事ではあるのでね」
男はローブを脱ぐと、武器を構えていない事をアピールしてきた。
仕事柄なのか目から下は布で隠していたものの、今の所は敵意無しと言う事だろう。
イズミは油断はしてはいないが、一応目の前の男を只の訪問者として扱う事に決めた。
「こうして話をする価値はあるのか、自分の事ながら疑問だね。コーヒー飲むかい?」
イズミはもう1つコップを用意して見せるが、男は丁重に断わった。
「毒は入ってないぞ、もの凄く苦いだけで」
「我々にもルールがあってな、決められた場所以外での飲食は禁止されているだけだ」
「そうかい」
コーヒーを飲みながら、目の前の男の話に耳を傾ける。
「我が主が、貴殿達と話がしたいと申している。本日の昼過ぎに迎えを出すので、都合がよろしければ相方と共にお時間を頂きたく。都合が悪ければ日を改め、再度調整をさせてもらう」
「それはご丁寧に。面白そうだから今日で構わないが、用心の為に武器を持参しても?」
昨日魔物との戦闘をしたばかりなので、武器無しは心許ないとした上でジャケットの内側に隠れたナイフをゆっくりと見せ確認を取った。
「構わない」
そんな会話をしていると、ベリアが宿屋から現れた。
「おはようイズミ…何方?」
「おはようベリア、コチラはご丁寧な追手の人。コーヒー飲むか?」
「…いらない」
さらっと説明をするイズミに驚いたベリアとも合流したので、改めて原状の話を共有する。
「今日の昼過ぎに迎えを寄越すから、彼等の主に会って俺達の話を聞きたいらしい」
「相手の名前も知らないのに?」
「おおよそ、アイカシア教会で会った人だろうさ。自己紹介はしてないから、確かに相手の名前は知らないが」
イズミはコーヒーを飲み終えると、コップとコーヒーセットを片付ける。
「朝イチは冒険者ギルドに顔を出そうと思っているが、迎えはこの宿屋前で良いか?」
「問題ない」
「じゃ、それで頼むわ」
追手の男からも確認が取れたので、イズミはマイペースにベリアと冒険者ギルドへ移動を始めた。
冒険者ギルドは朝から賑わっており、ベリアが来た事を確認した職員がヨーレムを呼んでくれた。
「ベリアさん、昨日解剖に出された魔物なのですが…」
バツが悪そうな表情のヨーレムと一緒に、解体室へと向かうとかなりの異臭が鼻腔を刺激する。
「エルフ族の方にも見てもらいましたが、この魔物はキメラで間違いありません。確証はキメラ特有の腐敗臭ですね、既に職員の何名かが体調を崩してます」
異臭自体に毒性は無いらしいが、兎に角臭いのだ。
鼻が曲がると言う表現が似合う程の異臭である。
「此処では手短に話そう。臭いが衣服についたら1日が台無しだ」
昼過ぎには人に会う予定があるので、そこにこの臭いは持ち込みたくない。
ヨーレムの部屋に戻ると、現時点で分かっている事の報告を受けた。
「合成された全魔物の特定を急いでおりますが、人間とゴブリンとフォレストリザードまでは確認済みです。女子供では無いようです」
「やはり人間も入ってたか」
考えたく無かったが、人間もキメラの材料になっていた。
それを聞いた2人はガックシと肩を落とした。
「朝のコーヒーは沁みるなぁ」
苦みが強烈なコーヒーを胃に流し込みながら、マスタングに寄りかかっていると魔法通信で連絡があった。
「マスター。敵意はありませんが、1名接近中です」
コップを左手に持ち替えて周囲を確認するも、イズミには接近する者の姿は見えない。
「10時方向です」
マスタングからの追加連絡を聞いたイズミが目だけを動かして見てみると、確かに誰かが居るような気がする。
「…何時まで俺達の行動を覗き見してるつもりだ?面白い事は何も無いぞ」
「…この町の中では、そうだな」
聞き覚えの無い男の声と共に、視線の先から男が姿を現した。
灰色のローブが魔法衣となっているのか、頭だけがハッキリと見えて身体は周囲に溶け込んでいる。
「何か用事があるなら、堂々と言ってほしいものだな」
「どのような相手なのか調べるのも、我々の仕事ではあるのでね」
男はローブを脱ぐと、武器を構えていない事をアピールしてきた。
仕事柄なのか目から下は布で隠していたものの、今の所は敵意無しと言う事だろう。
イズミは油断はしてはいないが、一応目の前の男を只の訪問者として扱う事に決めた。
「こうして話をする価値はあるのか、自分の事ながら疑問だね。コーヒー飲むかい?」
イズミはもう1つコップを用意して見せるが、男は丁重に断わった。
「毒は入ってないぞ、もの凄く苦いだけで」
「我々にもルールがあってな、決められた場所以外での飲食は禁止されているだけだ」
「そうかい」
コーヒーを飲みながら、目の前の男の話に耳を傾ける。
「我が主が、貴殿達と話がしたいと申している。本日の昼過ぎに迎えを出すので、都合がよろしければ相方と共にお時間を頂きたく。都合が悪ければ日を改め、再度調整をさせてもらう」
「それはご丁寧に。面白そうだから今日で構わないが、用心の為に武器を持参しても?」
昨日魔物との戦闘をしたばかりなので、武器無しは心許ないとした上でジャケットの内側に隠れたナイフをゆっくりと見せ確認を取った。
「構わない」
そんな会話をしていると、ベリアが宿屋から現れた。
「おはようイズミ…何方?」
「おはようベリア、コチラはご丁寧な追手の人。コーヒー飲むか?」
「…いらない」
さらっと説明をするイズミに驚いたベリアとも合流したので、改めて原状の話を共有する。
「今日の昼過ぎに迎えを寄越すから、彼等の主に会って俺達の話を聞きたいらしい」
「相手の名前も知らないのに?」
「おおよそ、アイカシア教会で会った人だろうさ。自己紹介はしてないから、確かに相手の名前は知らないが」
イズミはコーヒーを飲み終えると、コップとコーヒーセットを片付ける。
「朝イチは冒険者ギルドに顔を出そうと思っているが、迎えはこの宿屋前で良いか?」
「問題ない」
「じゃ、それで頼むわ」
追手の男からも確認が取れたので、イズミはマイペースにベリアと冒険者ギルドへ移動を始めた。
冒険者ギルドは朝から賑わっており、ベリアが来た事を確認した職員がヨーレムを呼んでくれた。
「ベリアさん、昨日解剖に出された魔物なのですが…」
バツが悪そうな表情のヨーレムと一緒に、解体室へと向かうとかなりの異臭が鼻腔を刺激する。
「エルフ族の方にも見てもらいましたが、この魔物はキメラで間違いありません。確証はキメラ特有の腐敗臭ですね、既に職員の何名かが体調を崩してます」
異臭自体に毒性は無いらしいが、兎に角臭いのだ。
鼻が曲がると言う表現が似合う程の異臭である。
「此処では手短に話そう。臭いが衣服についたら1日が台無しだ」
昼過ぎには人に会う予定があるので、そこにこの臭いは持ち込みたくない。
ヨーレムの部屋に戻ると、現時点で分かっている事の報告を受けた。
「合成された全魔物の特定を急いでおりますが、人間とゴブリンとフォレストリザードまでは確認済みです。女子供では無いようです」
「やはり人間も入ってたか」
考えたく無かったが、人間もキメラの材料になっていた。
それを聞いた2人はガックシと肩を落とした。
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※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
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