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第十八章 手掛かりを探して
第二百六十五話 端的に話せば
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「あの異臭で苦労してますが、今日中には報告書をまとめますので、明日以降に来ていただければ結果をお話させて頂きます」
ヨーレムがそう言うと、渡していた本をテーブルに置いた。
「それとこの日記なのですが、このギルドでの保管は厳しいかもしれません」
「どうしてです?」
「守りきれない可能性が高いのです、理由はコチラに」
ヨーレムが本棚に並んだ本を並べ直すと、奥から金庫の様な物が姿を見せた。
本棚は綺麗なのに関わらず、金庫は傷だらけである。
「重要な保管品はコチラに仕舞っているのですが、昨晩だけでこの損傷具合です」
「誰の犯行かは特定できているのか?」
「皆目出来ておりません。何せ先程調査を指示したばかりですので」
険しい表情のヨーレムが本を改めてイズミへと近付ける。
「俺達が持っていても、何の得にもならないな。いっそ焚き火の種にでもするか?よく燃えそうだし」
イズミが非常に嫌そうな顔をしながら日記を受け取ると、直ぐにショルダーバッグへ押し込んだ。
ギルド内での挨拶はそこそこにしてベリアと一緒に宿屋へ戻ると、既に迎えの馬車が近くに待機していた。
腕時計を確認したが、まだ昼前である。
「思ったより早いな」
「…冒険者ギルドから出て来た所を、部下が確認したのでね」
「飯屋で軽く食べてからの方が、急がせずに済んだかな」
「気にするな。これも我等の仕事だ」
ローブから頭だけを見せた男が馬の手入れをしている老人に声をかけると、慣れた動きで馬車の準備を終わらせた。
「では、お乗り下さい」
ベリアが馬車に細工がされていない事を確認したので、2人は大人しく馬車に乗る。
馬車には木製の窓があったが、大きく開けることは出来ないようになっていた。
出来ても空気の入れ替え程度だ。
魔法の明かりが付いておらず薄暗いので、イズミは探索用のライトを腕時計に押し当て一瞬だけ点灯させる。
蓄光塗料が眩しく輝き現在の時刻を確認すると、出発してから凡そ15分経っていた。
「到着したぞ」
男の声と共に馬車の扉が開く。
降りた2人の目の前には、白を基調とした建物があった。
「我が主がお待ちだ」
男が建物から現れた初老の男に取り次ぐと、初老の男はイズミ達に会釈をして建物へと案内してくれた。
広間へと案内された2人の前で、初老の男が後ろへ下がる。
ベリアは興味本位で室内を見渡していたが、イズミは腕を組み壁の前に置かれている2体の甲冑を睨みつけていた。
「来ていただきまして、感謝いたしますわ」
広間の大扉が開くと、そんな挨拶と共に1人の女が現れた。
予想通り、アイカシア教会で会った女だった。
「とんでもございません」
イズミは甲冑から一瞬視線を女へと動かすと、再度甲冑を睨みつけならが答えた。
どうもこの甲冑が気になるのだ。
小さく息を吐いたイズミが女へと向き直ると、昨日とは違った服装の女とその従者が立っていた。
「私達と話をしたいとの事ですが、話すような話題は持ち合わせておりませんよ」
「そうかしら?」
椅子に座った女を確認した後に、2人も椅子に座り様子を伺う。
「まずは自己紹介をさせて頂きますわね…私はミレニアと申します。過去には家名も有りましたが、今は只のミレニアです」
「アタイ…私はベリアと言います、冒険者ギルドに登録してまして、Aランク冒険者をしています」
ベリアのガチガチな挨拶を聞いた後で、イズミは簡潔に挨拶を済ませた。
「イズミです。気紛れに旅をしています」
ミレニアと名乗った女がテーブルに髪飾りを置いた。
「早速なのですが、この髪飾りは何処で手に入れたのです?」
他愛も無い話から切り出されなかった事に安堵したイズミは、信じては貰えないと思いながら正直に答えた。
「手に入れたのはアイカシア教会に向かう前日の夜です。皆で酒盛りをしていたら1人の女が現れて酒を作ってくれと言うので、俺が作って渡したのです。その礼代わりかは知らないが、その髪飾りを置いて帰って行ったのです」
「アタイや酒盛りに参加した他の連中は何故か物凄く眠くなって、その女の事は見れなかったんだ」
イズミの説明にベリアが補足を入れる。
「俺が言うのも何だが、貴方にソックリ…瓜二つだったよ」
イズミがそう言った瞬間、広間が突然の光りに包まれた。
ヨーレムがそう言うと、渡していた本をテーブルに置いた。
「それとこの日記なのですが、このギルドでの保管は厳しいかもしれません」
「どうしてです?」
「守りきれない可能性が高いのです、理由はコチラに」
ヨーレムが本棚に並んだ本を並べ直すと、奥から金庫の様な物が姿を見せた。
本棚は綺麗なのに関わらず、金庫は傷だらけである。
「重要な保管品はコチラに仕舞っているのですが、昨晩だけでこの損傷具合です」
「誰の犯行かは特定できているのか?」
「皆目出来ておりません。何せ先程調査を指示したばかりですので」
険しい表情のヨーレムが本を改めてイズミへと近付ける。
「俺達が持っていても、何の得にもならないな。いっそ焚き火の種にでもするか?よく燃えそうだし」
イズミが非常に嫌そうな顔をしながら日記を受け取ると、直ぐにショルダーバッグへ押し込んだ。
ギルド内での挨拶はそこそこにしてベリアと一緒に宿屋へ戻ると、既に迎えの馬車が近くに待機していた。
腕時計を確認したが、まだ昼前である。
「思ったより早いな」
「…冒険者ギルドから出て来た所を、部下が確認したのでね」
「飯屋で軽く食べてからの方が、急がせずに済んだかな」
「気にするな。これも我等の仕事だ」
ローブから頭だけを見せた男が馬の手入れをしている老人に声をかけると、慣れた動きで馬車の準備を終わらせた。
「では、お乗り下さい」
ベリアが馬車に細工がされていない事を確認したので、2人は大人しく馬車に乗る。
馬車には木製の窓があったが、大きく開けることは出来ないようになっていた。
出来ても空気の入れ替え程度だ。
魔法の明かりが付いておらず薄暗いので、イズミは探索用のライトを腕時計に押し当て一瞬だけ点灯させる。
蓄光塗料が眩しく輝き現在の時刻を確認すると、出発してから凡そ15分経っていた。
「到着したぞ」
男の声と共に馬車の扉が開く。
降りた2人の目の前には、白を基調とした建物があった。
「我が主がお待ちだ」
男が建物から現れた初老の男に取り次ぐと、初老の男はイズミ達に会釈をして建物へと案内してくれた。
広間へと案内された2人の前で、初老の男が後ろへ下がる。
ベリアは興味本位で室内を見渡していたが、イズミは腕を組み壁の前に置かれている2体の甲冑を睨みつけていた。
「来ていただきまして、感謝いたしますわ」
広間の大扉が開くと、そんな挨拶と共に1人の女が現れた。
予想通り、アイカシア教会で会った女だった。
「とんでもございません」
イズミは甲冑から一瞬視線を女へと動かすと、再度甲冑を睨みつけならが答えた。
どうもこの甲冑が気になるのだ。
小さく息を吐いたイズミが女へと向き直ると、昨日とは違った服装の女とその従者が立っていた。
「私達と話をしたいとの事ですが、話すような話題は持ち合わせておりませんよ」
「そうかしら?」
椅子に座った女を確認した後に、2人も椅子に座り様子を伺う。
「まずは自己紹介をさせて頂きますわね…私はミレニアと申します。過去には家名も有りましたが、今は只のミレニアです」
「アタイ…私はベリアと言います、冒険者ギルドに登録してまして、Aランク冒険者をしています」
ベリアのガチガチな挨拶を聞いた後で、イズミは簡潔に挨拶を済ませた。
「イズミです。気紛れに旅をしています」
ミレニアと名乗った女がテーブルに髪飾りを置いた。
「早速なのですが、この髪飾りは何処で手に入れたのです?」
他愛も無い話から切り出されなかった事に安堵したイズミは、信じては貰えないと思いながら正直に答えた。
「手に入れたのはアイカシア教会に向かう前日の夜です。皆で酒盛りをしていたら1人の女が現れて酒を作ってくれと言うので、俺が作って渡したのです。その礼代わりかは知らないが、その髪飾りを置いて帰って行ったのです」
「アタイや酒盛りに参加した他の連中は何故か物凄く眠くなって、その女の事は見れなかったんだ」
イズミの説明にベリアが補足を入れる。
「俺が言うのも何だが、貴方にソックリ…瓜二つだったよ」
イズミがそう言った瞬間、広間が突然の光りに包まれた。
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