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アストルム騎士団創立編
第38話 悪役令嬢 わからせる
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「こ、、、、公爵家の。」
「モンフォーヌも落ちたものだな。ロランに調べさせたときは国を守るために何人もの優秀な騎士を輩出したと聞いていたのだが。あのファンという者はあまり魔法を使いこなせていないように見える。」
「そんな!ファン様はこの屋敷で魔術学はとても優秀であると!」
「魔法と魔術は違うぞ。」
ノアはダリアを見上げながら首を傾げた。
「魔法とは自然に息づく力のことだ。そして私たちの中にある力。魔力とも言うだろう。」
そう言うとダリアは手のひらで小さな風を巻き起こしてみせる。
(か、風の属性なんだこの人。)
「そして魔術というのは薬や武器、戦闘技術に魔法の力を構築して利用することだ。まぁ詳しくは魔術学校で習うだろうからあまり今は詳しくなくていい。」
「ま、、、魔術学校?そ、それは選ばれた人しか行けないはずです。僕は、、、」
「ん?侯爵家の人間じゃないのかい?」
「そ、それは、、、」
いくら侯爵家の次男とはいえ闇属性を受け継いでしまった自分が認められるわけが無い。
ノアは再び俯くが
「魔力があるね、君がノアか。」
(なんで、、、わかったんだ?なんで僕を探してるの?)
「これは調査通りだな。君、侯爵家の次男だろ?」
「えっ、、と。その。」
「ダリア嬢!探しましたよ、会場からお姿が見えなくなってしまわれたので。」
ノアが答えようとした時どこからかノアの兄、ファン・モンフォーヌがダリアの元に駆け寄ってくる。
無表情でファンの方に顔を向けるとダリアは視線を外す。
ファンはノアを見ると顔を歪ませて心無い言葉をぶつける。
「なんだお前。なぜお前がダリア嬢と一緒にいるんだっ」
「い、いえ偶然、、、」
「はっ!もしかして婚約者としての申し込みをしようとしたわけではないだろうな?お前なんかが分不相応に決まってるだろ!最も魔族に近い闇の魔法を持つお前がっ!」
ファンがそう言葉を吐き捨てたその時。
突然光が消え、闇に3人が覆われていく。
ファンは何も見えず狼狽えていると自身の手で炎を作り出す。
が一瞬にして消されてしまう。
「闇の魔法に対してその無礼。なるほどファン殿は余程勇ましいと見える。」
「ひっ!だ、、、ダリア嬢、、なにを!」
「知らなかったか?私の属性魔法は闇だ。貴殿が言うように魔族に最も近い力である。よってこの力は畏怖されるべきものであり扱いが一番難しい力なのだ。」
徐々にファンの前に姿を現すダリアの右肩には真っ黒い何かが黄金に目を怪しく光らせていた。
「聖女はこの力を使わなかったのでは無い。扱えなかったのだ」
魔物の鳴き声と誰かが泣きわめく声が闇の渦の中で混じり合いファンの目にも恐怖で涙が溢れていく
「水も炎も風も光も決して我々に適うことはない。ましてや力を見誤っているようでは話にならないな。」
フッと不敵に笑ってみせると闇の渦を仕舞いこんだ。
ファンを通り過ぎ座り込むノアに手を差し伸べると不敵に微笑みながらこう囁いた。
「ここに残るか?」
ダリアの言葉にノアは手を取り無言で立ち上がる。
「決まりだな。」
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌌
「モンフォーヌも落ちたものだな。ロランに調べさせたときは国を守るために何人もの優秀な騎士を輩出したと聞いていたのだが。あのファンという者はあまり魔法を使いこなせていないように見える。」
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「魔法と魔術は違うぞ。」
ノアはダリアを見上げながら首を傾げた。
「魔法とは自然に息づく力のことだ。そして私たちの中にある力。魔力とも言うだろう。」
そう言うとダリアは手のひらで小さな風を巻き起こしてみせる。
(か、風の属性なんだこの人。)
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「そ、それは、、、」
いくら侯爵家の次男とはいえ闇属性を受け継いでしまった自分が認められるわけが無い。
ノアは再び俯くが
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(なんで、、、わかったんだ?なんで僕を探してるの?)
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「えっ、、と。その。」
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ノアが答えようとした時どこからかノアの兄、ファン・モンフォーヌがダリアの元に駆け寄ってくる。
無表情でファンの方に顔を向けるとダリアは視線を外す。
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「なんだお前。なぜお前がダリア嬢と一緒にいるんだっ」
「い、いえ偶然、、、」
「はっ!もしかして婚約者としての申し込みをしようとしたわけではないだろうな?お前なんかが分不相応に決まってるだろ!最も魔族に近い闇の魔法を持つお前がっ!」
ファンがそう言葉を吐き捨てたその時。
突然光が消え、闇に3人が覆われていく。
ファンは何も見えず狼狽えていると自身の手で炎を作り出す。
が一瞬にして消されてしまう。
「闇の魔法に対してその無礼。なるほどファン殿は余程勇ましいと見える。」
「ひっ!だ、、、ダリア嬢、、なにを!」
「知らなかったか?私の属性魔法は闇だ。貴殿が言うように魔族に最も近い力である。よってこの力は畏怖されるべきものであり扱いが一番難しい力なのだ。」
徐々にファンの前に姿を現すダリアの右肩には真っ黒い何かが黄金に目を怪しく光らせていた。
「聖女はこの力を使わなかったのでは無い。扱えなかったのだ」
魔物の鳴き声と誰かが泣きわめく声が闇の渦の中で混じり合いファンの目にも恐怖で涙が溢れていく
「水も炎も風も光も決して我々に適うことはない。ましてや力を見誤っているようでは話にならないな。」
フッと不敵に笑ってみせると闇の渦を仕舞いこんだ。
ファンを通り過ぎ座り込むノアに手を差し伸べると不敵に微笑みながらこう囁いた。
「ここに残るか?」
ダリアの言葉にノアは手を取り無言で立ち上がる。
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