ガチャから始まる錬金ライフ

あに

文字の大きさ
41 / 170

アーシャ

しおりを挟む

 とりあえず一泊させたが、あまり泊めるのもやばい気がするのでサッサとカレン達に連絡をする。
 周りはパトカーがうるさいな。
 とりあえず明日『プライド』に集まることになった。

 『プライド』には悪いけどちょうどいいんだよな、待ち合わせ場所に。

 服は洗ったがかなりボロボロになっているので買いに行く。
「適当に選べよ?」
「私も自分で金は持っている」
「なら心配ないな」
 といって買い物をさせてる間に、自分の服を見る。俺も筋肉質になったのか胸周りがきつい服があるんだよな。
 
 とりあえず2人で服を買い、アーシャは今風のパンツルックに着替えている。
 アーシャが髪を切りたいと言ったので美容室に連絡して予約を取る。
「綺麗な銀髪なのにいいのか?」
「あぁ、アーシャは死んだものとしてくれればいいがな」
「そっか」
 予約時間に連れて行き、俺は喫茶店に入ってゆっくりする。

「サッパリしたよ!」
「おまっ!似合ってるけど切りすぎじゃないか?」
 まさかのベリーショートだ。
「これでいい、なんなら髪色も変えたかったが止められた」
「だろうな」
 まぁ、気に入ってるならいいか。

 あとは部屋だな。
 不動産屋に行って近場の一人暮らしの物件を探してもらう。
 2DKでいい物件があったので見に行くと、アーシャも気に入った様でここにするらしい。
 即入居可能だから鍵を渡される。

 まぁ、家具を買いに向かうと、カレンにばったり会う。
「よぉ!カレン!」
「ヤト?!ん?その綺麗な人が新メンバー?」
 とじっくり見る。
「そうだ。アーシャだ」
「よろしくお願いします」
「よろしく!かわいいね!」
「カレンより年上だと思うぞ?」
 スーツを着てるアーシャしか見たことなかったが、普段着になると幼く見えるな。
「そうなんだ!でも仲間になるんでしょ?いいじゃん!」
「カレン、よろしく」
「こちらこそよろしく!」
 と、ここでおばちゃんが入ってくる。
「あら、カレンの友達?」
「パーティーメンバーのヤトと今度入るアーシャよ」
「あらあらまあまあ、いつもカレンがお世話になって!」
「こちらこそお嬢さんを連れ回してすいません」
 カレンのお母さんだった。
「いいのよ!無事に帰ってくれば!」
「はい、怪我はさせませんので」
 怪我したらすぐ治すからな!
「うん!頼りにしてるわね!ヤトさん!」
「はい!」
 と言って別れると、
「いいお母さんね」
「そうだな、アーシャは親は?」
「いないわ、孤児だったからこんな仕事させられてたの」
「なら俺と一緒だな。両親は亡くなってもうだいぶ経つからな」
 うちの家族はダンジョンのスタンピートに巻き込まれて車の下にいた俺だけが助かった。
 まぁ、親戚もいないような感じだから孤児と変わらないかな。育ったのも孤児院だしな。

「あと私はもう25だから」
「おう、若く見えるのはいいことだな」
「ふぅ、そう言うつもりじゃないんだけどな…」
「なんだ?」
「別に!家具を買うわよ!」
「ったく、はいはい」
 と家具、家電を買ってから新しい部屋に行く。
 言われた通りに配置をして、
「じゃあ明日『プライド』に9時だな!」
「了解、…ありがとう」
「おう!んじゃな!」

 はぁ、やっと終わった。
 まさか一日中アーシャといるとはな。

 ようやく帰れると思いきや。
「はぁ、なんか用か?」
「流石だな、俺がバレるとはな」
 と出て来た男はゴツい武装をしている。
「そりゃね、背後から近寄るなんてな」
「悪かったな。俺たちはお前に手を出せないからな」
「そうか、ならなんで?」
「アーシャを頼むな!」
「…そっか、あいつにも味方がいたんだな」
「まぁ、お前が保護しなかったら死んでたんだがな」
 おー、間一髪ってとこか?
「…ふぅ、名前は?」
「俺か?俺はアジーンと呼ばれている。ただの番号だけどな」
「そうか、アジーン、これやるよ!」
「ポーションか?」
「上級ポーション、お守りだ」
 訳のわからないって顔してるな。
「…」
「お前は死ぬなよ?」
「悲しむ奴はいない」
「俺がいる」
「…ハハ、変な奴だな」
「お互い様だ」
「それじゃあな」
「あぁ、またな!」
 と言って消えていった。
 アジーンは本当はアーシャを助けたかったから俺のとこまでこさせたんだろう。
 そんな奴が悪い奴とは思えないからな。
 どこかであったら飲みながら喋ってみたいな。

 次の日に『プライド』に行く。
 アーシャはもう来ていた。
「どこに行く気だ?」
「ダンジョンには行かないのか?」
「顔合わせだぞ?」
「力量は見るだろ?」
「んー、どうかな?」
 と喋っていると如月がやって来て、
「河地様、おはようございます」
「如月、おはよう。ごめん、また待ち合わせに使っちゃった」
「気にしないでください、それに中で待ってもらって構いませんよ?」
「ならそうしよう」
 と2人で『プライド』の中に入る。

 結構客が入っているのに商談用のソファーセットに案内される。
「オークションのことはまだオフレコでお願いしますね」
「あはは、メンバーは知ってるぞ?」
「それは問題ないです」
 そう言って戻っていった。
「またオークションをするのか?」
「あぁ、今度は『錬金術』はないけどな」
「なにを出す?」
「『鑑定』だな」
「なっ!また貴重なスキルボールか!」
「『鑑定』できる人間は多いだろ?別に構わないんじゃないか?」
 ため息をつくアーシャは、
「『錬金術』があるんだ、『鑑定』は喉から手が出るほど欲しい冒険者は多いぞ?」

 まぁ、アメリカはそうだろうな。
「まぁ、これもあるからな」
「ん?ゴーグル?」
「つけて見て見ろよ」
 アーシャはつけると、
「な!な!はぁ?なんてものを」
「な?それがあるからなんとでもなるんだよ」
「量産は可能なのか?」
「いや、今はそれ一個だな」
 あとは『プライド』に一個、モクレンが一個、『ブルーオーシャン』に一個で全部で4個だな。

「そうか、こんなものがあったとはな」
「だから『鑑定』なんてなくても平気なんだよ」
 と言ってるとカレン達が外に見えた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話

TB
ファンタジー
岩崎理(いわさきおさむ)40歳バツ2派遣社員。とっても巻き込まれ体質な主人公のチーレムストーリーです。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...