153 / 170
結婚式
しおりを挟む今日は晴れていてとても清々しい。
結婚式は晴れやかに行われた。
ゼロやサヤ、カレン達も嬉し涙を流していた。
ウェディング姿のアーシャは美しく、以前と同じまで伸びた髪は綺麗に整えられている。
ゼロが父親役でアーシャを連れてくる。
「アーシャをよろしく」
「あぁ、わかった」
誓いの言葉を言い、
ヴェールを上げると、やはり綺麗だな。
緊張しながらキスをする。
知り合いのS級冒険者達が大泣きしている。
何故だ?
まぁいい、俺も感動で泣いているからな。
アーシャは涙を見せずニコリと笑う。
マリアも来ていた。
妹の結婚式には出るようだな。
長いつき合いになるであろう、レアルとガーナは手を叩いて喜んでいた。
相棒は俺の親代わりだと言って張り切っていたな。
白い教会で白のタキシードの俺とウェディング姿のアーシャは今日から夫婦となった。
役所には届け出をだした。
どこからか戸籍をマリアが持って来てくれたので出すことができた。
眩しい陽の光に照らされて外に出ると、写真をいっぱい取られて、でも全員笑っている。
こんな幸せなことないな。
披露宴では青蘭なんかに絡まれるし、岩井には女を紹介しろと言われる。
まぁ、無視だがな。
お色直しは一回だけだ。
さすがにそんな多く着替えるのはアーシャも嫌だと言った。
多少動きやすい格好で出て行くとまた大騒ぎになる。
だが、これでいい。
俺たちらしい結婚式だ。
ブーケトスは黒井が取っていた。
披露宴が終わり、二次会に行く。
「疲れたか?」
「うん、少しだけ。それよりあなたと一緒になれたことが嬉しい」
「そうか、俺もだよ」
二次会ではみんな大騒ぎしている中で泣いてるカレンとサヤ、二人にアーシャが寄っていき抱き合っている。
「俺の結婚式にも来てくれよな!」
と青蘭が言う。
「誰と結婚すんだよ?」
「そ、それは」
「私だよ!」
と腕を組むのは黒井?
「なんで二人が?」
「まぁ、リーダー同士色々あってな」
「まじか!またS級同士の結婚かよ!」
と岩井が叫ぶ。
「ガハハ!次は誰が結婚だ?」
「だー!俺らはいつ結婚できんだよ!」
うるさいが楽しい。
「よう、結婚おめでとう」
「荒木、ありがとう」
「ハハッ!メンテに行く暇もなく結婚式だったな!」
「悪いな!でも今なら預かるぞ?」
「そんな不粋ではないからな、また今度だ!」
「あぁ、悪いな!」
と今度はマリアが来る。
「妹をよろしくね」
「おう、ロシアはどうだ?」
「あなたのレシピは貰ったわ!多分もっとあるのでしょう?でも危ないから教えない?」
「そうだな、教えたところで素材がないしな」
「そう、ならこれでいいのよ。妹も幸せそうだしね」
「幸せにするさ」
マリアとはここでお別れらしい。
車に乗って帰って行った。
岩井たちが悲しんでたがな。
「今日はありがとう!今後もよろしくな!」
「「「「おう!」」」」
と最後はみんなで写真を撮って別れる。
ドレスは買い取っているのでそのまま帰宅だ。
テンも今日だけはレアルのところでのんびりしてもらう。
これからは二人でゆっくり進んで行けたらいい。
「あら?テンがいないと寂しそうね?」
「あはは、そんなことはないよ。いつでもアーシャと一緒だろ?」
「そうよ?もう離さないんだから」
抱きしめてくるアーシャを抱きしめる。
「私がお婆さんになっても仕方ないことだからね?」
「あはは、まだまだ先の話だろ?」
「未来の話よ?」
「俺も錬金術師だ。老化薬でも探してみるよ」
「それはいいわね!二人でいっしょに探してみましょう!」
今日はもらったシャンパンを開けて乾杯する。
「ふふん!色々あったわね」
上機嫌のアーシャ。
「だな、殺しにきたもんな」
「それも思い出よ?」
「そうだな」
と言って二人でソファーに座る。
「私の錬金術師は世界一なんだから!」
「酔ってるな?水でも持ってこようか?」
「本当のことよ!でも水は貰うわ」
「はいはい」
と尻に敷かれそうだな。
翌日は快晴で異世界に来ている。
ポーションの在庫は大量に作ってレアルのインベントリに入れてもらった。
『にゃー!いくにゃ!』
「新婚旅行についてくるなんてな」
「いいのよ、これからはテンも家族なんだし」
『ニャハハハハ!ニャーも家族にゃ!」
「じゃあ、『転移』」
と新婚旅行は異世界だ。
「ここからいくのね?」
「あぁ、人間の街を回って見ようか?」
『そんにゃ面白くもにゃいにゃ』
「まぁ、そんなこと言わずにな!」
この世界で人間の街をぐるっと回る。
足はこの前買った車で移動する。
『まずはアメリの街に行くにゃ!』
「ナビ頼むぞ?」
『任せるにゃ!』
と車を走らせるが馬車が邪魔だな。
と思ったら横にずれて止まってくれた。
「ありがとう」
「いえいえ、貴族様にそんな」
と貴族と間違われながら走ってアメリの街に到着した。
車は少し遠くでインベントリにいれる。
前来たのだが髪型も違うしバレないだろ。
歩いて門まで行くと、
「身分証はあるか?」
「いえ、この街で作る予定です」
「では銀貨一枚預かるぞ?身分証ができたら見せに来れば返すからな」
「はい、ありがとうございます」
と銀貨を渡して門をくぐる。
テンはハイドコートを着てもらってるから見えないだろう。
身分証といえば冒険者ギルドかな?
140
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる