合成師

盾乃あに

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不動産

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「よし、これで金は振り込んだからな!」
「あぁ、確認したよ」
 今、俺たちは台東区のギルドにいる。
 ここもやはりビルになっていて、入るとどこも作りは同じらしい、まぁ、人はそこまで多くないな。

 もう用はないので駐車場で車に乗り込む。
「今度、飯奢るよ。ツネと一緒にな!」
 と大事そうにケースを抱えるマー坊。
「おぅ、ミドリもまたな!」
「ちゃんと連絡してよ?」
「分かったよ」
 と言って駐車場から発進する。
 ミドリはそれなりにお嬢様らしく、税金対策でダンジョンで使う物をそれなりに買っておいた方がいいと言われた。
 領収書もちゃんと持ってるから、近いうち税理士に任せようと思う。
 もう昼も過ぎたが、一応電話して不動産屋に向かう。
 中野にある不動産屋に車を駐める。
 とりあえず近くに星1、星2、星3と3つもダンジョンがあるのが中野だったのでその辺で新しく部屋を借りる。

「いらっしゃいませ」
 と女性が対応してくれる。
「あー、電話した里見です」
「はい!なんでもダンジョンが近い3LDKくらいのお部屋をご希望だとか」
「そうですね」
「では、こちらにどうぞ」
 と椅子に座りネットで見た物件と、その他2件を見に行くことになった。

「ダンジョン近くはやはり人気がないんですよ」
「へぇ、ダンジョンブレイクが関係あるんですか?」
「そうです。探索者の人ならいいんですが、私みたいな一般人はダンジョンから遠くを選んでしまいますからね」

 ダンジョンブレイクとは、社会の教科書にも載っているくらい有名で、ダンジョンが次々と出来たばかりの頃は、自衛隊がダンジョンに潜って銃でモンスターを倒していたが、潜るほどにモンスターに銃が効かないので、自衛隊にも死者が多く出た。
 国々は自国の安全の為、色んなことを試した。
 すると長いこと放置されたダンジョンからモンスターが溢れるように出てきて大きな災害となった。これがダンジョンブレイクと呼ばれ、人々は覚醒した人間が探索者と呼ばれるようになるまで、ダンジョンブレイクが起きないことを願うことしかできなかった。
 日本で確認されたのは北海道、福井県、鹿児島県にあるダンジョンのダンジョンブレイクだ。
 いまでも死者の追悼が年3回行われている。

「でも探索者、ギルドが出来てからはダンジョンブレイクは起こってませんよね?」
「それでも、やはり深い傷跡が残ってるんですよね」
 まぁ、それは知ってるけど、
「今だと、自衛隊も覚醒した部隊がダンジョンを攻略することで、地方のダンジョンは少なくなってますよね?」
 ダンジョンを攻略するとダンジョンコアというものが出る。それを壊すとダンジョンは消えてしまう。

「そうなんですよね。もう少しダンジョンを少なくしてもいいと思うのですが、ダンジョン資源は貴重ですし、覚醒した人も多くなってますからね」
「ですねー、まぁ、国がダンジョン管理を積極的に取り組んだ結果ですかね」
 とダンジョンブレイクのことを話し出すとキリがない。
 ようやく1件目のマンションに到着する。

「ここは探索者向けの物件になります。ネットで見たと思いますが、3LDKの角部屋で現在3、6、9階に空き部屋があります」
「9階も角ですか?」
「そうですね。間取りは同じですが、窓から見える景色はいいですよ?」
「ぜひ見たいです」
 そんなこと言われたら見たくなるので9階の部屋を見に行く。
「へぇ、いいですね」
 景色もいいし、一人暮らしには広すぎるくらいの部屋だな。
 後の2件の情報をもう一度見せてもらう。
 やはりここよりも少し劣るので、ここに決める。
「ありがとうございます」
「いえ、いい部屋ですね」
 と言いながら忘れないうちに冷蔵庫や洗濯機の寸法を測っておく。

 不動産屋に戻り、書類を書いてカードで初期費用を支払うと、清掃なんかに一週間ほどかかるので引っ越しは来週になった。
 今住んでるアパートも連絡して今月末退去と言うことにしてもらった。

 引っ越しの時の荷物を極力抑えて、新品を運んで来てもらう方がいいからな。
 いっそアパートで使ってたものは全て処分して貰うか?
 そうしよう!
 と憧れだった広い部屋への引越しをあれこれ考えながら車でアパートに戻る。

 冷蔵庫からビールを出して、座椅子に座ってテレビをつける。
 スマホで新しい家具や家電を見ながら飲むのは最高に気持ちがいいな。

 ふとテレビを観ると探索者が出演している。
 有名なパーティーで『閻魔』と言う。
 このパーティーは5人パーティー。
 クランも持っているので、下に何十人と覚醒者を囲ってレベル上げやその他のサポート体制も凄いらしい。
 
「金持ってんだろうなぁ」
 と独り言をいいながらテレビを観てたが、まぁ、初心者ダンジョンで満足している俺には関係ないけどね。
 とテレビのチャンネルを切り替えてお笑いにして、さっきの続きでスマホを見ている。
 家具はやはりこだわりたいよなぁ。
 シャワーは明日の朝浴びることにして1人ビールを飲んでスマホを弄る。


 知らぬ間に寝ていたようで身体が痛い。
 スマホの充電が切れていたので充電をし、朝日が眩しい中コーヒーを淹れると、テレビは朝のニュースになっていた。
 星5ダンジョンを攻略している『栄光』と言うパーティーが出演している。
 ダンジョン攻略しなくていいのか?
 なにやら現在120階層を突破したらしく、戻ってきて一発目がこのニュース番組らしい。
 動画を配信しているようで少し流れるが、凄い戦いだな。映像だとモンスターも見たことないようなやつが出てきて、それを簡単に倒している。
「へぇー、凄いなぁ」
 テレビに向かってコーヒー片手にこう言ってるやつが日本中に沢山いるんだろうなぁ。

 昨日の『閻魔』や、『栄光』みたいなクランを立ち上げた人はやはり認知度を大事にしてるんだろうな。まぁ、入る人がいないとクランはやっていけないだろうし、有望株を引っ張り上げるのも相当大変だろう。
 どれだけ金を積まれても俺は嫌だなぁ。

 とコーヒーを飲み干してシャワーを浴びる。
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