9 / 79
不動産
しおりを挟む「よし、これで金は振り込んだからな!」
「あぁ、確認したよ」
今、俺たちは台東区のギルドにいる。
ここもやはりビルになっていて、入るとどこも作りは同じらしい、まぁ、人はそこまで多くないな。
もう用はないので駐車場で車に乗り込む。
「今度、飯奢るよ。ツネと一緒にな!」
と大事そうにケースを抱えるマー坊。
「おぅ、ミドリもまたな!」
「ちゃんと連絡してよ?」
「分かったよ」
と言って駐車場から発進する。
ミドリはそれなりにお嬢様らしく、税金対策でダンジョンで使う物をそれなりに買っておいた方がいいと言われた。
領収書もちゃんと持ってるから、近いうち税理士に任せようと思う。
もう昼も過ぎたが、一応電話して不動産屋に向かう。
中野にある不動産屋に車を駐める。
とりあえず近くに星1、星2、星3と3つもダンジョンがあるのが中野だったのでその辺で新しく部屋を借りる。
「いらっしゃいませ」
と女性が対応してくれる。
「あー、電話した里見です」
「はい!なんでもダンジョンが近い3LDKくらいのお部屋をご希望だとか」
「そうですね」
「では、こちらにどうぞ」
と椅子に座りネットで見た物件と、その他2件を見に行くことになった。
「ダンジョン近くはやはり人気がないんですよ」
「へぇ、ダンジョンブレイクが関係あるんですか?」
「そうです。探索者の人ならいいんですが、私みたいな一般人はダンジョンから遠くを選んでしまいますからね」
ダンジョンブレイクとは、社会の教科書にも載っているくらい有名で、ダンジョンが次々と出来たばかりの頃は、自衛隊がダンジョンに潜って銃でモンスターを倒していたが、潜るほどにモンスターに銃が効かないので、自衛隊にも死者が多く出た。
国々は自国の安全の為、色んなことを試した。
すると長いこと放置されたダンジョンからモンスターが溢れるように出てきて大きな災害となった。これがダンジョンブレイクと呼ばれ、人々は覚醒した人間が探索者と呼ばれるようになるまで、ダンジョンブレイクが起きないことを願うことしかできなかった。
日本で確認されたのは北海道、福井県、鹿児島県にあるダンジョンのダンジョンブレイクだ。
いまでも死者の追悼が年3回行われている。
「でも探索者、ギルドが出来てからはダンジョンブレイクは起こってませんよね?」
「それでも、やはり深い傷跡が残ってるんですよね」
まぁ、それは知ってるけど、
「今だと、自衛隊も覚醒した部隊がダンジョンを攻略することで、地方のダンジョンは少なくなってますよね?」
ダンジョンを攻略するとダンジョンコアというものが出る。それを壊すとダンジョンは消えてしまう。
「そうなんですよね。もう少しダンジョンを少なくしてもいいと思うのですが、ダンジョン資源は貴重ですし、覚醒した人も多くなってますからね」
「ですねー、まぁ、国がダンジョン管理を積極的に取り組んだ結果ですかね」
とダンジョンブレイクのことを話し出すとキリがない。
ようやく1件目のマンションに到着する。
「ここは探索者向けの物件になります。ネットで見たと思いますが、3LDKの角部屋で現在3、6、9階に空き部屋があります」
「9階も角ですか?」
「そうですね。間取りは同じですが、窓から見える景色はいいですよ?」
「ぜひ見たいです」
そんなこと言われたら見たくなるので9階の部屋を見に行く。
「へぇ、いいですね」
景色もいいし、一人暮らしには広すぎるくらいの部屋だな。
後の2件の情報をもう一度見せてもらう。
やはりここよりも少し劣るので、ここに決める。
「ありがとうございます」
「いえ、いい部屋ですね」
と言いながら忘れないうちに冷蔵庫や洗濯機の寸法を測っておく。
不動産屋に戻り、書類を書いてカードで初期費用を支払うと、清掃なんかに一週間ほどかかるので引っ越しは来週になった。
今住んでるアパートも連絡して今月末退去と言うことにしてもらった。
引っ越しの時の荷物を極力抑えて、新品を運んで来てもらう方がいいからな。
いっそアパートで使ってたものは全て処分して貰うか?
そうしよう!
と憧れだった広い部屋への引越しをあれこれ考えながら車でアパートに戻る。
冷蔵庫からビールを出して、座椅子に座ってテレビをつける。
スマホで新しい家具や家電を見ながら飲むのは最高に気持ちがいいな。
ふとテレビを観ると探索者が出演している。
有名なパーティーで『閻魔』と言う。
このパーティーは5人パーティー。
クランも持っているので、下に何十人と覚醒者を囲ってレベル上げやその他のサポート体制も凄いらしい。
「金持ってんだろうなぁ」
と独り言をいいながらテレビを観てたが、まぁ、初心者ダンジョンで満足している俺には関係ないけどね。
とテレビのチャンネルを切り替えてお笑いにして、さっきの続きでスマホを見ている。
家具はやはりこだわりたいよなぁ。
シャワーは明日の朝浴びることにして1人ビールを飲んでスマホを弄る。
知らぬ間に寝ていたようで身体が痛い。
スマホの充電が切れていたので充電をし、朝日が眩しい中コーヒーを淹れると、テレビは朝のニュースになっていた。
星5ダンジョンを攻略している『栄光』と言うパーティーが出演している。
ダンジョン攻略しなくていいのか?
なにやら現在120階層を突破したらしく、戻ってきて一発目がこのニュース番組らしい。
動画を配信しているようで少し流れるが、凄い戦いだな。映像だとモンスターも見たことないようなやつが出てきて、それを簡単に倒している。
「へぇー、凄いなぁ」
テレビに向かってコーヒー片手にこう言ってるやつが日本中に沢山いるんだろうなぁ。
昨日の『閻魔』や、『栄光』みたいなクランを立ち上げた人はやはり認知度を大事にしてるんだろうな。まぁ、入る人がいないとクランはやっていけないだろうし、有望株を引っ張り上げるのも相当大変だろう。
どれだけ金を積まれても俺は嫌だなぁ。
とコーヒーを飲み干してシャワーを浴びる。
134
あなたにおすすめの小説
ハーレムキング
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。
効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。
日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。
青年は今日も女の子を口説き回る。
「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」
「変な人!」
※2025/6/6 完結。
異世界ラーメン屋台~俺が作るラーメンを食べるとバフがかかるらしい~
橘まさと
ファンタジー
脱サラしてラーメンのキッチンカーをはじめたアラフォー、平和島剛士は夜の営業先に向けて移動していると霧につつまれて気づけばダンジョンの中に辿りついていた。
最下層攻略を目指していた女性だらけのAランク冒険者パーティ『夜鴉』にラーメンを奢る。
ラーメンを食べた夜鴉のメンバー達はいつも以上の力を発揮して、ダンジョンの最下層を攻略することができた。
このことが噂になり、異世界で空前絶後のラーメンブームが巻き起こるのだった。
勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。
石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません
俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。
本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。
幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。
そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。
彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。
それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』
今度もまた年上ヒロインです。
セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。
カクヨムにも投稿中です
外れスキルと言われたスキルツリーは地球の知識ではチートでした
盾乃あに
ファンタジー
人との関係に疲れ果てた主人公(31歳)が死んでしまうと輪廻の輪から外れると言われ、別の世界の別の人物に乗り替わると言う。
乗り替わった相手は公爵の息子、ルシェール(18歳)。外れスキルと言うことで弟に殺されたばかりの身体に乗り移った。まぁ、死んだことにして俺は自由に生きてみようと思う。
ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!
カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!!
祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。
「よし、とりあえず叩いてみよう!!」
ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。
※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!
仮想戦記:蒼穹のレブナント ~ 如何にして空襲を免れるか
サクラ近衛将監
ファンタジー
レブナントとは、フランス語で「帰る」、「戻る」、「再び来る」という意味のレヴニール(Revenir)に由来し、ここでは「死から戻って来たりし者」のこと。
昭和11年、広島市内で瀬戸物店を営む中年のオヤジが、唐突に転生者の記憶を呼び覚ます。
記憶のひとつは、百年も未来の科学者であり、無謀な者が引き起こした自動車事故により唐突に三十代の半ばで死んだ男の記憶だが、今ひとつは、その未来の男が異世界屈指の錬金術師に転生して百有余年を生きた記憶だった。
二つの記憶は、中年男の中で覚醒し、自分の住む日本が、この町が、空襲に遭って焦土に変わる未来を知っってしまった。
男はその未来を変えるべく立ち上がる。
この物語は、戦前に生きたオヤジが自ら持つ知識と能力を最大限に駆使して、焦土と化す未来を変えようとする物語である。
この物語は飽くまで仮想戦記であり、登場する人物や団体・組織によく似た人物や団体が過去にあったにしても、当該実在の人物もしくは団体とは関りが無いことをご承知おきください。
投稿は不定期ですが、一応毎週火曜日午後8時を予定しており、「アルファポリス」様、「カクヨム」様、「小説を読もう」様に同時投稿します。
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる