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クランリーダー
しおりを挟む「ほぉ……あいつ金持ってんな……」
「誰があいつだ?」
「うぉ!!ルカ、聞いてたのかよ」
朝の散歩から帰ってくると、マンションの前でマー坊が突っ立っているから後ろから声をかけた。
「凄いなぁ、俺にはコレは無理だわ」
とマンションを見て言う。
「金はあったし、お前らも入るならこれくらいはな」
「ハハッ、これくらいって言える奴だったか?」
「……持て余してたからな」
そう、金はあっても使い所がなかったからな。
パチンコなんかバカらしくてやってられないし。
「なんにせよ、入るんだろ?クランに」
「あぁ、メンバーには話はしてある。今すぐってわけじゃないが、入る予定だ」
マー坊のパーティー、『咲雷』もクランに入ってくれる。まぁ、下見に来たマー坊は満足そうに笑ってるし、ここを買った甲斐があったな。
「これからはリーダーって呼ぶかな」
「やめれ、俺はしょうがないからやってるだけだ」
「ハハッ、ならルカのままでいいな」
と肩を組んでくる。
リーダーなんて呼ばれる柄じゃない。
「んじゃ部屋を見て回るか!」
マー坊は中を見たくてしょうがないようだ。
「案内するよ」
と言ってマンションに2人で入っていく。
「すげぇ!こんな部屋に住むのか!」
「だな。ここは2LDKの部屋だが、ファミリー向けの部屋もある」
「イサミが家族持ちだから助かる。まぁ、移ってくるようだからよろしくな」
イサミに家族がいるってのはマー坊から聞いて知ってたからな。まぁ、家族持ちが増えても良いように部屋はある。
先のことはわからないが、また金を貯めとくかな。
マンションを案内して、屋上に上がる。
「風が気持ちいいな!」
「はぁ、まだ寒いぞ?」
2月に入ったがまだ風は冷たい。
「それにしても早いもんだな。もう一年過ぎたな」
覚醒して、マー坊達に久しぶりに会って一年ちょっと……色々とあったな。
「そうだな。クランを作るまで早かったかな」
「まぁ、早いな。それだけお互い歳とったんだな」
とマー坊は言う。
歳とったと言ってもまだ30代だが、一年が早く感じるな。
だがまだまだこれからだ。
「ジジぃくさいな。これからだ」
「だな。よし!帰って報告するよ」
「あぁ、そうしてくれ」
マー坊と一緒に下に降りていく。
「じゃーな!」
「おう、みんなによろしくな」
と言って別れる。
マー坊達、『咲雷』の五人も加われば、全員で10人か、まぁクランとしてはまずまずだろうな。
隣の工房はもう少し時間がかかりそうだし、急ぐ必要もないか。
マンションの共同スペースで声が聞こえてくる。
会議室に行くとカグヤ達がテレビを観ながらお茶をしていた。
「……何してんだ?」
と扉を開けて言うとみんながこちらを向く。
「ルカ!マー坊達は?」
「いまマー坊を案内して帰って行ったとこだ。それより集まって何してんだ?」
会議室のテーブルにお菓子が散乱している。
「お茶ですよ?ルカさんも座ってください」
「ほらほら」
とヒナとミオが俺の背中を押すので椅子に座る。
「コーヒーでいいですか?」
「ん、頼むよ」
「はーい!」
とミオが出ていく。
キッチンは会議室の隣にある。
「みんなで今後の事を喋ってたんです」
とシオンが言う。
「今後?」
「はい、ミオさんとヒナさん、僕もそうですけどまだ限界は来てないですし、ダンジョンでレベル上げをしないとなぁって」
3人はまだレベル100にはなってないからそうだが、レベル上げは別にそのうちでいいだろ?
「あー、別にって顔してる!私達だってみんなと一緒に攻略するんですからね?」
とヒナが言う。
「だが急ぐ事ないだろ?星3ダンジョンだろ?」
「ですけど、ルカさんは星3ダンジョン攻略したみたいですし」
「俺は別に構わないぞ?」
一緒にダンジョンに行けばいいだろ?
「ダメです!クランリーダーなんですから星5になってくださいよ!」
と言うが、別にクランに星5のマー坊達も来るし、カグヤだって星5だ。
そんなつまんない事にこだわってない。
「俺は俺だ。別に無理して星5になるつもりはないぞ?それに生産職だからな?」
「ぶー……まぁ、いいですけど」
とヒナは机に突っ伏す。
カグヤも肘をついてこちらを見ている。
「なんだ?」
「別に?まぁ、ルカならそう言うと思ったから」
「まぁな、どのみち俺は生産職だ。ダンジョン攻略はマー坊達みたいな戦闘職がいるしな」
俺は素材が集まればいいし、シオンもいるから裏方に回れるだろ。
「でも、『朱』はルカのクランだから私達を引っ張っていってね?」
「……善処するよ」
ミオが戻ってくるとコーヒーをもらい飲みながらテレビに目を向ける。
「カグヤ?テレビで言ってることは本当か?」
「うん、私は探索者一本にすることにしたの!だってみんながいるし、楽しそうなんだもん」
テレビでは電撃引退の文字とカグヤが映っている。
「ふーん、そっか、まぁ、お疲れ様」
「うん!これでヴァーミリオンに専念できるしね!」
と言うカグヤは笑顔でコーヒーに口をつけ、お菓子に手を伸ばす。
それからも会議室で話し合いだ。
とりあえずこの5人でパーティーを組んでいくことになるので、みんな真剣に話し合う。
「じゃあ、当分は星3ダンジョンね?」
「だな、とりあえずみんなのお手並み拝見と行こう」
とカグヤと話すと、4人は頷く。
会議室で5人で話していると、スマホが鳴る。
「はい」
『お前のクランの前にいるんだが?』
とツネが来たようだ。
「わかった、すぐ降りる」
電話を切ると、
「どうしたの?」
「ん、ツネが来たらしい」
「んじゃみんなで迎えに行こうか」
「ですね!」
そんな大層なことじゃないだろ?
下に降りていくとツネが箱を抱えて立っていた。
「待たせたな」
「なんでみんなも?と言うかハーレムか!」
「んー、そう見えなくはないか」
俺以外は女だからな。
「それより上がれよ」
「おう、と言うかこのマンション買ったのか?社長が紹介したって言ってたけどさ」
マンションに入りながら聞いてくるので、
「買ったよ。隣の土地もカグヤの父さんが準備してくれたしな」
「ふぅ、金持ってるのは知ってたけど、サラッというなよな」
東京にマンションを買うなんて俺も思ってなかったが、紹介してもらって買わないわけにもいかないからな。
「とりあえず案内するよ」
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