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大吉
しおりを挟む工房の外ではブレアが叫ぶ。
「クッ!な、なにが仁義よ!私は『Cyan's』の」
「社長がどうしたって?もう守ってくれる奴もいないぞ?」
黒服は全て倒れているし、瀬戸は座り込んで何かを呟いている。
「何でうまくいかないのよ!」
「生産職を下に見るからだ。お前には汗水流して働いている人間が見えないのか?」
ツネは前に出てブレアの前で言う。
「それが何よ!売れなきゃそんなもん作っても一緒でしょ!」
「売れない?違うね。良いものだから作るんだ!テメェの目は濁ってんのか!」
ツネはブレアの頬を叩く。
「キャッ!?い、痛いぃ」
「そこまでだ!こいつがどうなっても良いのか?」
振り向くと瀬戸が、タオルを頭に巻いた男に剣を突きつけている。
「大吉ぃ!」
「よ、よくやったわ!これで形勢逆転ね。よくも打ってくれたわね!」
とツネを殴り飛ばす。
「グッ!」
「まだよ!こんなんじゃ足りないわ!」
ツネを殴り蹴り上げツネが倒れるまで続く。
「はぁ、はぁ、はぁ、こ、この私に手をあげた罰よ!」
「親方ぁ!俺は大丈夫だ!そんな奴ら」
「こ、こいつ!動くな!」
と大吉を斬りつける瀬戸。
「おりゃぁ!!」
「グオッ!?」
とその隙にシオンがハンマーで瀬戸を打ち上げる。
すぐにヒナが魔法で回復させると、親方は大吉の側に走って行く。
「大丈夫か!」
「俺は平気だ!アイツが逃げる!」
俺は瞬歩でブレアの服を掴むとぶん投げる。
「グェッ」
とヒキガエルのような声を出して落ちるブレアは気を失ったようだ。
「大吉、大丈夫か?」
「それより榊原さんの方が」
そうだったな。
「よっと、おい。飲めよ」
と起こしてポーションを飲ませる。
「グッ、怪我人だぞ!もうちょっと優しくしろ!」
「な?元気だろ?」
と笑って見せる。
「さーて、どうしたもんかな?」
「普通に不法侵入と傷害で逮捕じゃないですか?」
とミオが言うので一番手っ取り早い警察を呼ぶことにした。
ブレア達は普通に拳銃も持っていたらしく銃刀法違反も追加され、少しは刑務所に入っているだろう。
まぁ、すぐに出てくるだろうがな。
俺たちはと言うと事情聴取を受け、疲れてその日は解散。
翌日は工房の人達やツネと飲む約束をしていたので居酒屋に集合していた。
「カンパーイ!」
「「「「カンパーイ!!!」」」」
とマー坊達『咲雷』のメンバーもちゃっかりいて、飲んでいる。
「ツネの店はどうなるんだ?」
「まぁ、今のところ従業員は募集してるから、集まって教育しないと店は開けられないな」
と店はまた開店休業の状態だな。
「私達がいるじゃないですか!」
「もっと頑張るんで」
「時給が上がれば「「佐倉」」……はい」
と大学生達も協力的だな。
「あ、あの!」
と話しかけてくるのは髪の長い……たしか瀬戸に斬られてた大吉って男だな。
「なんだ?」
「俺……属性武器は作れるようになれるでしょうか?」
男は緊張しているようだ。
「作れるさ。レベルは?」
「15です」
「ならもっとレベルをあげないとな」
「……やっぱりそうですか」
と帰ろうとすると親方がそいつの手を取り、
「頼む!こいつを弟子にしちゃくれないか!」
必死の顔で俺とツネに頭を下げる。
するとツネが頭を下げる。
「ルカ!よろしく頼む!」
「あ、あぁ」
「「よっしゃぁー!!」」
2人だけじゃなく工房のみんなが声を上げて喜び酒を酌み交わす。
「な、なんで」
と大吉は周りを見渡す。
「あ?オメェはまだ、わけぇからな!存分に学んで来い!」
「あ、俺にも作り方教えろよ?」
「そーだそーだ!」
「ガハハハハ」
と工房のみんなは大吉に声をかける。
「み、みんな……里見さん!よろしくお願いします!」
「あー、俺よりシオンの弟子だな」
「「えぇっ!?」」
シオンもビックリしている。
「俺は生産職だが、鍛冶士じゃないからな」
「で、でも」
「シオンはこれでも属性武器も作れるぞ?」
「これでもってなんですか?僕は」
「いいからいいから、な!それでいいだろ?」
と大吉に声をかけると、
「はい!シオン師匠!よろしくお願いします!」
「え、ええー!!」
とシオンは頭を抱えると、
「ぼ、僕はまだ半人前ですよ!」
「そんなこたないだろ?属性武器、教えてやれよ?」
「ゔー、分かりましたよ」
と言うと大吉に向かう。
「これからレベル上げ頑張るんだよ?」
「はい!」
頭を下げる大吉は笑顔で工房の人達のとこに戻り、酒を飲み出す。
「ありがとな」
「別に、親方とツネに頭下げられたら断れないだろ?」
親方とツネは顔を見合わせて笑っている。
「はぁ、でも鍛冶士が2人か、ようやく生産職ギルドらしくなってきたか」
と3人で乾杯して酒を飲み干す。
大吉が仲間に加わって、さらに賑やかになるだろうな。
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