合成師

盾乃あに

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仁義

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「すいません!店長」
 と謝ってくる店員達。
「お前たち……分かったが、今からでも手続きがあるから……」
「あの!退職金も要りません。給料も。これまでありがとうございました」
「……そうか、分かったよ」
 と従業員は出て行ってしまった。
 『Cyan'sシアンズ』はどれだけ俺から奪っていくんだ。


「あーぁ、だからダメなんですよ!」
 と奥からバイトの子達が出てくる。
「お前らもか」
「ん?私は断りましたよ?だって最悪じゃないですか!こんなやり方嫌いですし」
「ですです!私もそうです」
「はぁ、俺は別に」
「「佐倉!!」」
 と残ってくれたのは佐倉、小日向、鈴木の大学生3人組だ。

「一言言ってやればよかったのに!」
 とポニーテールの鈴木彩スズキサヤが言う。
「店長は優しすぎですよ」
 小柄なボブカットの小日向優コヒナタユウ
「はぁ、100万……」
「「佐倉!」」
 未練がタラタラな佐倉充サクラミツル

 俺についてくれたのはこの3人だ。
「ありがとうな。3人とも」
「べ、別に」
「へへっ」
「俺は今からでも「「佐倉!」」……分かってるよ」

 俺は店長失格だな。
 バイトの子に助けられるなんて、落ち込んでる暇はないみたいだな。

「よし!時給アップだ!みんな頑張ってついて来てくれ」
「「「はい!」」」
「接客は俺がやるから、鈴木は会計、小日向は俺について少し勉強してくれ、佐倉は……」
「え?!」
「あはは、冗談だ。バックヤードから商品を出してくれるか?」
「「「はい!」」」
 まだ俺には仲間がいる!こんなとこで挫けてられるか!

ーーー
「はぁ、ようやく着いたな!」
「あれ?でもお客さんが入ってるみたいですよ?」
 とシオンが言う。
 駐車場に車も停まってるし、何とかなってるみたいだな。
 車を降りて店の中に入ると、
「いらっしゃいませ……ルカ!」
「おう!どうやら何とかなってるみたいだな!」
「あぁ!少し待っててくれ、接客が終わってから行くから」
 とまだ接客中のようだ。

 椅子に座って接客が終わるのを待ってると、
「人が少ないな」
「3人は残ってくれたようね?」
「だな、感謝だな」
「でも、慣れてないみたいですよ?」
 ミオの言う通り慣れてる感じではないようだ。
 1人はツネについて勉強してるようだし、会計もおぼつかない感じだ。
 1人が外に出て『close』に変えていた。

 ようやく最後の客まで帰って行ったら、4人ともため息をついて肩を落とす。
「お疲れ様!どうしたんだ?」
「ルカ、従業員が辞めて行った。残ったのはバイトの3人」
「は?バイトだったのか!」
 3人とも慣れてないのは当たり前か。

「よく頑張ったな!他には何かあるか?」
「どうしたんだ?何があったのか?」
 俺はブレアとの話をする。

「工房がヤバい!急がないと!」
「わかった、車に乗れ!急ごう」
 と俺の車にツネとミオ、ヒナ、シオンが乗り、カグヤとチグサには店の方に残ってもらう。

「無事でいてくれよ!」
 と願うツネに道案内をしてもらい車を走らせる。

 葛飾区のとある場所に工房があり、そこに車を停めると、何やら外で騒いでいる。
「出てけって言ってんだろ!」
「私達はこの工房を買いに来たのよ?言い値で買い取るわ」
「は?この工房は売らねぇ!どこの誰だかしらねぇが、バカにするなよ!」

 どうやら工房の外にブレアもいるようだな。
「親方!」
「お!榊原!何があった!」
 と親方と呼ばれる人の横にツネが走って行く。

「おい!お前ら覚悟はできてるだろうな?」
「は?こんなボロ工房を買ってやるって言ったのが気に食わないの?」
「ボロ工房だと?テメェ」
 と黒服のSPに守られたブレアは強気だな。

「ブレア?お前に忠告したはずだ。俺の身内に手を出すなとな!」
 武器を構えると、黒服のSP達が前に出てくる。

「悪いが手加減できないからな?」
「ゴフッ!」
 と黒服の1人を瞬歩で弾き飛ばすと、ガタイのでかい残り3人も一撃で壁に飛ばす。
 黒服の女が俺の攻撃を止めるが、
「クッ!ブ、ブレア様、お逃げ下さい」
「な、なによ!生産職じゃないの?」
 と女の後ろに隠れるが、
「アアッ!」
 と女も壁にぶち当たり気を失う。

「生産職を舐めるなよ?」
 と俺の前には瀬戸を盾に後ろで震えるブレア。
「ま、待ちなさいよ!わ、私が悪かったわ!」
「は?お前は俺を怒らせたんだ」
「だから謝ってるでしょ!」
「や、やめて」
 と瀬戸は押されて涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔で震えている。

「待ちな。アンタこの工房を買い取ってどうするつもりだったんだ?」
「そうよ!私は正当な理由でここにいるのよ!この工房を買い取ってビルでも建ててやるわよ!」
 と瀬戸を押し除け前に出てくる。

「ここの権利書を出しなさい!買い取ってあげるわ!」
「あ?売る気はない。悪いが他を当たれ」
 と言う親方はその小さな体が大きく見える。

「は?わ。私は『Cyan'sシアンズ』の社長よ?こんなチンケな場所潰せないとでも思ってるの?いいからここを売りなさい!」
 もう守ってくれる奴もいないのに強気に出るブレアは震えている。

「仁義ってもんがわかんねぇのか?」
 と親方が言う。
「な、なによ!」
「ここは『tortie』の専用工房だ!職人の魂が宿る場所を、簡単に売ることは出来ねぇ!!」
 と大声で叫ぶと、ツネが前に出る。
「『Cyan'sシアンズ』ってのは二流だな職人はスジを通して動くもんだぜ?」
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