53 / 96
六章 勇者
第五十三話
しおりを挟む
昼食の準備が整ったことを伝えられ、アレンたちのいる所まで戻った。
顔は戻ったかしら……落ち着け、深呼吸をして気持ちを落ち着けた。
「ねぇ、さっきのって……」
ディルアスに小声で聞いてみた。
「さっき?」
「え……いや、あの……」
無意識かい! 思わず突っ込みそうになった。何か一人でドキドキしてたのが馬鹿みたいじゃない!
「もういい、何でもない」
少しムッとして席に着いた。
「ユウ、どうかしたのか?」
「えっ、ううん、何でもないよ?」
ハハハ、とりあえず何事もなかったかのように取り繕った。
「この後また調べに戻るか?」
「うん、とにかくもう一度読み返してみて考える」
「そうか。何か分かれば報告してくれ」
昼食を食べ終わると再び禁書庫に戻り読み返した。
その内容を思い出しながら部屋へと戻る。
魔物が徐々に増えてきて、勇者が現れて、また魔物が増えて、魔王が現れて、さらにまた魔物が増えてきて、最後は勇者が倒す。
年代やら時期や期間等は違うが、ほぼ一貫してるのはこのことだけだよね。
「ルナが戦ったときは魔王とは最初知らなかったんだよね?」
『あぁ、最初はただの魔物だと思っていた』
「それまでは魔王の存在は周知されてなかったってこと?」
「そうだな。魔王が現れたということは、あの当時の人間は恐らく誰も知らなかった」
「そっか……」
『何か気になるのか?』
「うん……、でも何かが分からない」
あー、何かモヤモヤムズムズする!
ルナにしがみつき、ぎゅぎゅぎゅー……
『おい』
「ごめーん、でももふもふさせてー!」
顔を埋めてスリスリスリスリ……
「はぁ、落ち着く……」
思う存分スリスリしてたら、突然ルナが人間化した。
仔犬姿に抱き付いてスリスリしていたら、超絶イケメンに抱き付いてスリスリしている構図に変わった。
「!! ちょ、ちょっと!! 何で人間化!?」
『抱き付くならばこちらでも良いだろう』
珍しくルナが意地悪くニッと笑った。
これは……私がルナの人間化に緊張することを分かっててやってるな……。遊ばれてる!
『思う存分抱き付いたら良い』
今度はルナが抱き締めて来た。ひぃぃい。
「やーめーてー!!」
力一杯ルナの身体を押した。人間化は力が落ちるって言ってたくせに離れない!
ムキになっているとオブが割り込んで来た。
『ぼくもいれて~』
ルナと私の間にひょっこりと顔を出した。
た、助かった! オブ、ナイス!
『残念だな』
ルナが頬に口を近付け囁いた。耳に息がかかり思わず耳を押さえた。
「ルナ、何か意地悪になった!?」
『フッ』
絶対からかってる……もう! オブを抱き締めて後ろを向いた。絶対顔赤くなってるし。
ディルアスといい、ルナといい、何なのよ!
ドキドキが過ぎると疲れる。寝よう。
また明日考えよう……。ん? 考え過ぎてたのを止めてくれた? ルナをチラッと見た。
ルナは目が合うとフッと笑った。
ルナには勝てないかも……そう思った。
顔は戻ったかしら……落ち着け、深呼吸をして気持ちを落ち着けた。
「ねぇ、さっきのって……」
ディルアスに小声で聞いてみた。
「さっき?」
「え……いや、あの……」
無意識かい! 思わず突っ込みそうになった。何か一人でドキドキしてたのが馬鹿みたいじゃない!
「もういい、何でもない」
少しムッとして席に着いた。
「ユウ、どうかしたのか?」
「えっ、ううん、何でもないよ?」
ハハハ、とりあえず何事もなかったかのように取り繕った。
「この後また調べに戻るか?」
「うん、とにかくもう一度読み返してみて考える」
「そうか。何か分かれば報告してくれ」
昼食を食べ終わると再び禁書庫に戻り読み返した。
その内容を思い出しながら部屋へと戻る。
魔物が徐々に増えてきて、勇者が現れて、また魔物が増えて、魔王が現れて、さらにまた魔物が増えてきて、最後は勇者が倒す。
年代やら時期や期間等は違うが、ほぼ一貫してるのはこのことだけだよね。
「ルナが戦ったときは魔王とは最初知らなかったんだよね?」
『あぁ、最初はただの魔物だと思っていた』
「それまでは魔王の存在は周知されてなかったってこと?」
「そうだな。魔王が現れたということは、あの当時の人間は恐らく誰も知らなかった」
「そっか……」
『何か気になるのか?』
「うん……、でも何かが分からない」
あー、何かモヤモヤムズムズする!
ルナにしがみつき、ぎゅぎゅぎゅー……
『おい』
「ごめーん、でももふもふさせてー!」
顔を埋めてスリスリスリスリ……
「はぁ、落ち着く……」
思う存分スリスリしてたら、突然ルナが人間化した。
仔犬姿に抱き付いてスリスリしていたら、超絶イケメンに抱き付いてスリスリしている構図に変わった。
「!! ちょ、ちょっと!! 何で人間化!?」
『抱き付くならばこちらでも良いだろう』
珍しくルナが意地悪くニッと笑った。
これは……私がルナの人間化に緊張することを分かっててやってるな……。遊ばれてる!
『思う存分抱き付いたら良い』
今度はルナが抱き締めて来た。ひぃぃい。
「やーめーてー!!」
力一杯ルナの身体を押した。人間化は力が落ちるって言ってたくせに離れない!
ムキになっているとオブが割り込んで来た。
『ぼくもいれて~』
ルナと私の間にひょっこりと顔を出した。
た、助かった! オブ、ナイス!
『残念だな』
ルナが頬に口を近付け囁いた。耳に息がかかり思わず耳を押さえた。
「ルナ、何か意地悪になった!?」
『フッ』
絶対からかってる……もう! オブを抱き締めて後ろを向いた。絶対顔赤くなってるし。
ディルアスといい、ルナといい、何なのよ!
ドキドキが過ぎると疲れる。寝よう。
また明日考えよう……。ん? 考え過ぎてたのを止めてくれた? ルナをチラッと見た。
ルナは目が合うとフッと笑った。
ルナには勝てないかも……そう思った。
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について
あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。
転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。
恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに!
しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに……
見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!?
小説家になろうでも公開しています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる