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六章 勇者
第五十二話
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「さて、明日から早速調べて回るか?」
「そうだね、もう閲覧許可があるなら早いほうが。またディルアス手伝ってくれる?」
「あぁ」
なぜかディルアスはイグリードがいる間はずっと無言だった。不思議に思い聞いてみた。
「ディルアスどうかした? イグリードがいるときずっと黙ってたけど」
「いや、別に何もない」
「そう?」
「あぁ」
何だかアレンがニヤついているような気がしたが気にしないでおこう。
「じゃあ明日朝から調べるということで!」
「俺は少し外交的なことをしているから禁書庫は任せた!」
「そうなんだ、分かった」
それじゃあ、と解散し、各々用意された部屋へと帰った。
翌日から再び禁書庫通いが始まった。
エルザイアと違い、ガイアスの禁書庫は別室にあり、古い書物が多い割には比較的新しい部屋だった。かなりの広さもあり、ちょっとした小さな図書館並みくらいはあった。ただ窓は一切なく扉も一つ。そしてやはり厳重に鍵が掛けられていた。
ガイアスでは勇者に関する書物は纏めて配置されてあり、イグリードが場所を教えてくれていたため、すんなりと勇者関連の書物を見付けることが出来た。
ガイアスでも勇者に関する記載があるのは千年程前からのようだ。
ただエルザイアと違い、勇者本人のことよりも、魔物の出現の記載が多いようだった。年表と共に記され時系列が分かる。
エルザイアよりもキッチリした人が纏めてるんだろうなぁ、と感心した。エルザイアがいい加減だとかは思わないけど! 思ってないよ……本当に。
✕✕年 初めて魔物が確認され討伐をした記録
✕✕年 徐々に魔物が増えて来た
魔物は人の心を惑わす力もあるようだ。
エルザイアの王宮に蔓延していたやつだね。
✕✕年 勇者が現れる
ケシュナの森からやってきたらしい。
不思議な魔力を持つ。
✕✕年 さらに魔物が増え続ける
✕✕年 宮廷魔導士ではもう対処が追い付かない
✕✕年 普通の魔法では倒せない魔物が現れる
魔王か!
✕✕年 通常ではない魔物、魔王と呼ばれる
✕✕年 魔王の力か、尋常ではない数の魔物が押し寄せる
✕✕年 勇者の聖魔法で魔王を倒す
魔王を倒した後は魔物が増え続けることはなかったらしい。
こういった記録が千年に渡って書き記されていた。魔物に襲われた村や街での被害状況や負傷者の数等、事細かに記録されている。
百年前後のペースで勇者が現れて魔王を倒す、ということを繰り返しているようだった。
千年分の記録を読み漁り、頭の中で整理する。
何かが引っ掛かる。
何だろう、何が引っ掛かるんだろう。
考え込んでいると禁書庫にイグリードとアレンが入ってきた。
「どうだ? 何か掴めたか?」
「うーん、何か引っ掛かるんだけど、それが分からなくて、今考え中」
「少し休憩したらどうだ?」
「そうだな、風にでも辺りに行くか。外での昼食を準備させよう」
「ありがとう」
ルナとオブも連れて中庭のような場所に出た。
風が気持ち良かった。
ルナとオブも気持ち良さそうにしている。
風に当たりながら、やはりさっきのことが気になる。何が引っ掛かるんだろうか。
考え込んでいると、後ろから頭にポンッと手が置かれた。
「今は考えるな」
振り向くとディルアスがいた。
頭に乗せられた手は大きくて温かかった。
そのまま頭を優しく撫でられ、耳に触れ、頬まで降りてきた手はそっと頬に触れ、離れた。
ディルアスは背を向けてアレンたちのほうへ歩いて行った。
頬がカッと紅潮するのが分かった。何!? 今の!? 両手で紅潮した頬を隠した。
「そうだね、もう閲覧許可があるなら早いほうが。またディルアス手伝ってくれる?」
「あぁ」
なぜかディルアスはイグリードがいる間はずっと無言だった。不思議に思い聞いてみた。
「ディルアスどうかした? イグリードがいるときずっと黙ってたけど」
「いや、別に何もない」
「そう?」
「あぁ」
何だかアレンがニヤついているような気がしたが気にしないでおこう。
「じゃあ明日朝から調べるということで!」
「俺は少し外交的なことをしているから禁書庫は任せた!」
「そうなんだ、分かった」
それじゃあ、と解散し、各々用意された部屋へと帰った。
翌日から再び禁書庫通いが始まった。
エルザイアと違い、ガイアスの禁書庫は別室にあり、古い書物が多い割には比較的新しい部屋だった。かなりの広さもあり、ちょっとした小さな図書館並みくらいはあった。ただ窓は一切なく扉も一つ。そしてやはり厳重に鍵が掛けられていた。
ガイアスでは勇者に関する書物は纏めて配置されてあり、イグリードが場所を教えてくれていたため、すんなりと勇者関連の書物を見付けることが出来た。
ガイアスでも勇者に関する記載があるのは千年程前からのようだ。
ただエルザイアと違い、勇者本人のことよりも、魔物の出現の記載が多いようだった。年表と共に記され時系列が分かる。
エルザイアよりもキッチリした人が纏めてるんだろうなぁ、と感心した。エルザイアがいい加減だとかは思わないけど! 思ってないよ……本当に。
✕✕年 初めて魔物が確認され討伐をした記録
✕✕年 徐々に魔物が増えて来た
魔物は人の心を惑わす力もあるようだ。
エルザイアの王宮に蔓延していたやつだね。
✕✕年 勇者が現れる
ケシュナの森からやってきたらしい。
不思議な魔力を持つ。
✕✕年 さらに魔物が増え続ける
✕✕年 宮廷魔導士ではもう対処が追い付かない
✕✕年 普通の魔法では倒せない魔物が現れる
魔王か!
✕✕年 通常ではない魔物、魔王と呼ばれる
✕✕年 魔王の力か、尋常ではない数の魔物が押し寄せる
✕✕年 勇者の聖魔法で魔王を倒す
魔王を倒した後は魔物が増え続けることはなかったらしい。
こういった記録が千年に渡って書き記されていた。魔物に襲われた村や街での被害状況や負傷者の数等、事細かに記録されている。
百年前後のペースで勇者が現れて魔王を倒す、ということを繰り返しているようだった。
千年分の記録を読み漁り、頭の中で整理する。
何かが引っ掛かる。
何だろう、何が引っ掛かるんだろう。
考え込んでいると禁書庫にイグリードとアレンが入ってきた。
「どうだ? 何か掴めたか?」
「うーん、何か引っ掛かるんだけど、それが分からなくて、今考え中」
「少し休憩したらどうだ?」
「そうだな、風にでも辺りに行くか。外での昼食を準備させよう」
「ありがとう」
ルナとオブも連れて中庭のような場所に出た。
風が気持ち良かった。
ルナとオブも気持ち良さそうにしている。
風に当たりながら、やはりさっきのことが気になる。何が引っ掛かるんだろうか。
考え込んでいると、後ろから頭にポンッと手が置かれた。
「今は考えるな」
振り向くとディルアスがいた。
頭に乗せられた手は大きくて温かかった。
そのまま頭を優しく撫でられ、耳に触れ、頬まで降りてきた手はそっと頬に触れ、離れた。
ディルアスは背を向けてアレンたちのほうへ歩いて行った。
頬がカッと紅潮するのが分かった。何!? 今の!? 両手で紅潮した頬を隠した。
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