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オーギュスト王国編
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『ビアンカと会ってからおかしくなった』
やはり、と言うべきか魅了だとか洗脳のような力を使用された可能性が疑惑から確信になった。
まあ、マシェリア王国の魔術師が魅了だと言ったのならそうだったんだろうね。
でも、その魔術師を派遣したクロイツ殿下は何故それを私に教えてくれなかったのか疑問だけど⋯⋯
「そ、それでビアンカに魅了されたお父様は彼女と関係を⋯⋯持ったの?」
「そ、それは無い!⋯⋯リリーシアももう成人だ。男と女のアレコレを話しても大丈夫だろう」
ええ、前世ではキスすら経験が無かったけれど、友達には何人も経験者がいたし、色々聞かされていた。それに情報社会に生きていたからね、当然その手のことに興味もあった私はこっそり調べていたのよ。それこそソフトなことからハードなことまで、いつかの為に知識だけは詰め込んでいたのよね~⋯⋯経験する前に死んじゃって全部無駄になっちゃったけど!
で、お父様の話によると言動のおかしくなったお父様は、後悔をしても謝ることも態度を変えることも出来なく、愛想を尽かされることが怖くてお母様と話すことも顔を見ることも出来なくなったらしい。
それは私が生まれてからも続き心が疲弊していったそうで、それでも一度しか会ったことがないビアンカに魅了を掛けられているなんて思うはずもなく、愛するお母様が亡くなってからは王都の街を彷徨っていたそうだ。
その時にビアンカが前回と同じように『貴方の子供がいるの』と言って来たらしい。(これが二回目)
自分の言動に自信がなくなっていたお父様は恐ろしくなってその場を逃げ出したそうだ。
次にビアンカに会ったのは私がマシェリア王国に行ったあと⋯⋯魔術師に魅了を解かれ、正常になってからだそうだ。
「その時は魅了に掛からなかったの?」
「ああ、その魔術師に刻印を刻まれたからな」
「どこに?」
「へその下だな」
へそ?目線がお父様のその辺にいってしまった。
え?アレに近いよね?痛くなかったのかな?
「これが不思議なもんで普段は見えないんだ。だが、次にビアンカが話し掛けてきた時にへその下がグルグル掻き回されているようで気分が悪くなったんだ」
刻印は魅了を掛けられた時に現れるらしい。けれどその場ですぐに確認できる場所ではないだけに、ビアンカのせいなのか、たまたまなのか分からないまま、それ以降ビアンカを見かけることがなくなったそうだ。
まあ、その一回だけだとビアンカが犯人だとは思わないかもね。
次に見かけた時は、ビアンカはドドラー伯爵夫人になっていたし、べティーはドドラー伯爵の実娘になっていたそうだ。
それと、お父様がマシェリア王国の魔術師に刻印を刻まれる時に、まだ10歳そこそこのローレン王太子殿下が将来この国を担うであろう高位貴族の子息にも同じものを施すことを提案したそうだ。
なるほど⋯⋯だから今回の彼らはべティーへの態度が違ったのか。
前回、もし魅了なんてものがなかったら、私はギリアン殿下と婚姻していたのだろうか?
夫婦円満で穏やかな生活を送れたのだろうか?
今さらね。
私に殺された記憶がある限り、それを想像することさえ無理だわ。
やはり、と言うべきか魅了だとか洗脳のような力を使用された可能性が疑惑から確信になった。
まあ、マシェリア王国の魔術師が魅了だと言ったのならそうだったんだろうね。
でも、その魔術師を派遣したクロイツ殿下は何故それを私に教えてくれなかったのか疑問だけど⋯⋯
「そ、それでビアンカに魅了されたお父様は彼女と関係を⋯⋯持ったの?」
「そ、それは無い!⋯⋯リリーシアももう成人だ。男と女のアレコレを話しても大丈夫だろう」
ええ、前世ではキスすら経験が無かったけれど、友達には何人も経験者がいたし、色々聞かされていた。それに情報社会に生きていたからね、当然その手のことに興味もあった私はこっそり調べていたのよ。それこそソフトなことからハードなことまで、いつかの為に知識だけは詰め込んでいたのよね~⋯⋯経験する前に死んじゃって全部無駄になっちゃったけど!
で、お父様の話によると言動のおかしくなったお父様は、後悔をしても謝ることも態度を変えることも出来なく、愛想を尽かされることが怖くてお母様と話すことも顔を見ることも出来なくなったらしい。
それは私が生まれてからも続き心が疲弊していったそうで、それでも一度しか会ったことがないビアンカに魅了を掛けられているなんて思うはずもなく、愛するお母様が亡くなってからは王都の街を彷徨っていたそうだ。
その時にビアンカが前回と同じように『貴方の子供がいるの』と言って来たらしい。(これが二回目)
自分の言動に自信がなくなっていたお父様は恐ろしくなってその場を逃げ出したそうだ。
次にビアンカに会ったのは私がマシェリア王国に行ったあと⋯⋯魔術師に魅了を解かれ、正常になってからだそうだ。
「その時は魅了に掛からなかったの?」
「ああ、その魔術師に刻印を刻まれたからな」
「どこに?」
「へその下だな」
へそ?目線がお父様のその辺にいってしまった。
え?アレに近いよね?痛くなかったのかな?
「これが不思議なもんで普段は見えないんだ。だが、次にビアンカが話し掛けてきた時にへその下がグルグル掻き回されているようで気分が悪くなったんだ」
刻印は魅了を掛けられた時に現れるらしい。けれどその場ですぐに確認できる場所ではないだけに、ビアンカのせいなのか、たまたまなのか分からないまま、それ以降ビアンカを見かけることがなくなったそうだ。
まあ、その一回だけだとビアンカが犯人だとは思わないかもね。
次に見かけた時は、ビアンカはドドラー伯爵夫人になっていたし、べティーはドドラー伯爵の実娘になっていたそうだ。
それと、お父様がマシェリア王国の魔術師に刻印を刻まれる時に、まだ10歳そこそこのローレン王太子殿下が将来この国を担うであろう高位貴族の子息にも同じものを施すことを提案したそうだ。
なるほど⋯⋯だから今回の彼らはべティーへの態度が違ったのか。
前回、もし魅了なんてものがなかったら、私はギリアン殿下と婚姻していたのだろうか?
夫婦円満で穏やかな生活を送れたのだろうか?
今さらね。
私に殺された記憶がある限り、それを想像することさえ無理だわ。
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