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第5章
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「先輩って地元、そっちの人でしたっけ」
「いや、全然。縁もゆかりも無い。最初は本社の総合職で受けてたんだけど、支社が新設されてそっちに人員が必要みたい。本社面接で実はーみたいなこと言われて、どこでも行きますって適当に相槌打ったら優先的に採用するねって言われて本当に採用通知きた」
「へえ。まだ卒論もできてない卒業すら危うい人に会社はそんなリスクとるんですね。単位は足りてますか」
「それだけ俺が必要だってことだろ」
「ていのいい歯車が欲しかっただけでは?」
「いいよ~、御社の噛み合わせ悪くしちゃうよ~」
「会社ひとつ潰す気ですか、正気かあんた」
何が面白いのか、ただでさえ悪目立ちする藤さんが大きめの声で笑うから、周りの視線が一気に集中した。
「ちょっ、藤さん、静かにして」と焦って人差し指を口元に持っていって「静かに」のジェスチャーをしてみせる。
藤さんはヒイヒイ笑いながら店員を呼んでお酒を頼み出した。
やっぱり藤さんはうるさい……と呆れて距離を置こうかと思い始めたとき、奥の座敷からユウマくんがやってきた。泡立った赤いトマトジュースのようなものが入ったグラスを持っている。
「先輩、これあげる」
「え、なにこれ」
「美味しくなかったやつ」
「またそうやって飲めないのに注文する。……あぁ、これか」
ユウマくんに押し付けられたのは、ビールにトマトジュースを混ぜたレッドアイだった。どちらも単体では飲めるし好きだけど、私の中では混ぜないでほしいカクテルの代表だ。
「飲めそう?」
「うーん、私もあんまり好きじゃないけどね」
「頑張って」
「もう、食べ物は大事にしなさい」
「これ飲み物」
「屁理屈もやめなさい」
ユウマくんが持ってきたグラスに口をつけながら、ドリンクメニューを広げてみせる。エナジードリンクのような甘いものが好きだからいくつかピックアップして「これは?」と飲めそうなカクテルを指差す。
「じゃあ次、それ頼んで」
「自分で頼みなよ」
そう言いつつ店員を呼んであげた。ユウマくんはそんな私をにやにやと見ている。先輩のくせにちょろいとか思われてるんだろうな……。私も私でこんな大勢の中でかまってもらえるのが嬉しくて、つい言うことを聞いてしまう。
「おー、すげえ綺麗な顔してんなお前。抱ける」
そんな私たちのやりとりを見ていた藤さんが、突然とんでもないことを言い出した。
「…………は?」
たっぷり間を取って、ユウマくんが低い声を出した。眉間に皺を寄せて一瞬で嫌悪感剥き出しの顔になるのが怖い。
(あぁ、これは、まずい)
慌てて二人の間に入る。
「ゆ、ユウマくん、この人、一応四年だから」
「そうよ。先輩よー」
「いや、藤さんも無礼すぎますよ。初対面でしょう」
「やきもちか?」
「もううるさい。そろそろ殴りますよ」
拳を振り上げる素振りを見せて威嚇する。「冗談だろー」と私の手首を掴みながら、顔をくしゃくしゃにして藤さんが笑った。ちらりとユウマくんを見ると明らかに不機嫌そうだ。ユウマくんからしてみたらこんなチャラチャラしている藤さんは対極にいる人間というか、もはや言語の通じない意味不明な宇宙人に見えるんだろう……。一瞬で「嫌い」認定している。
「ユウマくん、これ、私ちゃんと飲むから。ありがとう」
「…………」
藤さんに向けた不機嫌な表情を私にも向けて、無言でユウマくんが座敷を出ていった。
あぁ、怒らせちゃったかも。トイレかな……。でも今、席を立って追いかけたら、後で声の大きい藤さんに何を言われるかわからない。こういう場であまり目立つことはしたくない……。
「すげーキレてたなー」
全然気にしていないというヘラヘラした態度の藤さんの肩を思いっきりグーで殴る。「いってぇ!」と言いながら大げさに笑う声にまた座敷中の視線が集まる。
結局、ユウマくんは私のところには戻って来なかった。帰ってきたらすぐに他の人に呼ばれて座敷の奥へ引っ込んでしまったまま、飲み会はお開きになった。頼んだ飲み物もそのままになって「飲まないならもらうぞ」と藤さんが代わりに飲んだ。
ユウマくんの、あんなに機嫌が悪くなった顔を見るのは初めてだ。私が初対面でやらかしたときより怒っていて、あの目で睨まれたとき、怖かった。
(今日、部屋に来なかったらどうしよう……。藤さんだけじゃなく、私にも怒ってた気がする……)
「お前は二次会行かねえの?」
店の前で固まっている集団から離れてユウマくんを探していると、後ろから藤さんに声をかけられた。
「……行かないです。お疲れ様でした」
「あーちょっと待て、帰るなら送っていく」
「え……」
ユウマくんは……、見えない。どこ行ったんだろう。誰よりも背が高いから、いつもだったらすぐ見つけられるのに。帰っちゃったのかな。
「行くぞ」
ふいに藤さんが手首を掴んできた。
「あ、あの、藤さん」
「信号変わりそうだから急げー」
ずるずると引っ張られながら集団から離れていく。ユウマくんのことは結局見つけられなかった。
信号を渡り切っても藤さんの手は離れない。どういうタイミングで解けばいいのかわからなくて、握り返すことはしないでそのまま並んで歩く。
「……藤さんは、二次会行かないんですか」
「行かなーい。卒論やんねえと」
「本当にまだ終わってないんですか。提出期限いつでしたっけ」
「来月の十五日」
「え、あと二週間しかないじゃないですか。時間ないのになんで今日来ちゃったんですか」
「息抜きは大事よー」
「……間に合いそうですか?」
「ダメだったら一年長く居座ってお前と卒業するさ」
「なんですかそれ、嫌ですよ」
思わず拒否してしまう。藤さんは基本的には面倒見がいいし、いい人なんだけど軽薄なところがあるから、言動が、本気か冗談かの区別がつきにくい。
一年の頃、私と同じようなことを言われ続けて、藤さんのことを好きになったサークルの同期がいた。案の定、あっさり振られてサークルを辞めてしまった。よくよく見ていれば男女分け隔てなくそういう物言いをしているから、藤さん本人のキャラクターなんだろうけど、そういうのを目の当たりにしてしまうと、いつか自分も勘違いしそうで一定の距離は起きたくなる。
繁華街から離れて、灯りが街灯だけになった歩道を並んで歩く。
大学と、私の家がだんだん近づいてくる。冬休みに入ったからかいつもより人通りがほとんどない。
「なぁ、さっきの、ユウマくんと付き合ってんの?」
藤さんが思い出したようにポツリとつぶやいた。
「えっ。……いえ、別に……付き合ってないです」
いきなり聞かれたから驚いてしまった。あの数分のやり取りで、そういうふうに見えたんだろうか。
藤さんは「……ふーん」と言ったきり静かになって、私のアパートの前に到着するとようやく手を離した。
「俺、あいつと初対面じゃないよ。何度かこの辺ですれ違ってるし、お前の部屋に入ってくのも見てる」
「え……?」
「まぁ別に、俺はもう卒業するからなんでもいいんだけどさ」
藤さんらしくない含みのある言い方をされて、なんだろうと耳を傾ける。
「お前は、付き合ってもないのに、そういう、どっちつかずなことする奴じゃないって思ってたから、ちょっと残念」
「……え、あの……え……?」
なんのことを言っているのかわからずに聞き返すけど、藤さんは困ったような顔で目尻を下げた。
コートのポケットに入れていたスマホがブルブルと振動している。……電話だ。ユウマくんかもしれない。
「電話鳴ってるぞー。どうせユウマくんが今から来るんだろ?」
ぴく、と目の上が無意識に震える。
「……付き合ってないならそういうの、マジでやめたほうがいいと思うけど」
最後の言葉には、軽蔑が混じっていた気がする。
何か言おうと思ったけど、言い訳に聞こえてしまうのが嫌で口をつぐんだ。
「じゃあな」
藤さんはそう言って、道路を挟んで向かい側にある大学の正門に向かって歩いて行った。
コートのポケットで鳴り続いていたスマホを慌てて出して電話に出る。ユウマくんだ。
さっきよりは機嫌のいい声で、『あと十分で着く』と言われた。
「うん、待ってるね」
怒ってないとわかるとほっとして、それだけ言って通話を切る。
「いや、全然。縁もゆかりも無い。最初は本社の総合職で受けてたんだけど、支社が新設されてそっちに人員が必要みたい。本社面接で実はーみたいなこと言われて、どこでも行きますって適当に相槌打ったら優先的に採用するねって言われて本当に採用通知きた」
「へえ。まだ卒論もできてない卒業すら危うい人に会社はそんなリスクとるんですね。単位は足りてますか」
「それだけ俺が必要だってことだろ」
「ていのいい歯車が欲しかっただけでは?」
「いいよ~、御社の噛み合わせ悪くしちゃうよ~」
「会社ひとつ潰す気ですか、正気かあんた」
何が面白いのか、ただでさえ悪目立ちする藤さんが大きめの声で笑うから、周りの視線が一気に集中した。
「ちょっ、藤さん、静かにして」と焦って人差し指を口元に持っていって「静かに」のジェスチャーをしてみせる。
藤さんはヒイヒイ笑いながら店員を呼んでお酒を頼み出した。
やっぱり藤さんはうるさい……と呆れて距離を置こうかと思い始めたとき、奥の座敷からユウマくんがやってきた。泡立った赤いトマトジュースのようなものが入ったグラスを持っている。
「先輩、これあげる」
「え、なにこれ」
「美味しくなかったやつ」
「またそうやって飲めないのに注文する。……あぁ、これか」
ユウマくんに押し付けられたのは、ビールにトマトジュースを混ぜたレッドアイだった。どちらも単体では飲めるし好きだけど、私の中では混ぜないでほしいカクテルの代表だ。
「飲めそう?」
「うーん、私もあんまり好きじゃないけどね」
「頑張って」
「もう、食べ物は大事にしなさい」
「これ飲み物」
「屁理屈もやめなさい」
ユウマくんが持ってきたグラスに口をつけながら、ドリンクメニューを広げてみせる。エナジードリンクのような甘いものが好きだからいくつかピックアップして「これは?」と飲めそうなカクテルを指差す。
「じゃあ次、それ頼んで」
「自分で頼みなよ」
そう言いつつ店員を呼んであげた。ユウマくんはそんな私をにやにやと見ている。先輩のくせにちょろいとか思われてるんだろうな……。私も私でこんな大勢の中でかまってもらえるのが嬉しくて、つい言うことを聞いてしまう。
「おー、すげえ綺麗な顔してんなお前。抱ける」
そんな私たちのやりとりを見ていた藤さんが、突然とんでもないことを言い出した。
「…………は?」
たっぷり間を取って、ユウマくんが低い声を出した。眉間に皺を寄せて一瞬で嫌悪感剥き出しの顔になるのが怖い。
(あぁ、これは、まずい)
慌てて二人の間に入る。
「ゆ、ユウマくん、この人、一応四年だから」
「そうよ。先輩よー」
「いや、藤さんも無礼すぎますよ。初対面でしょう」
「やきもちか?」
「もううるさい。そろそろ殴りますよ」
拳を振り上げる素振りを見せて威嚇する。「冗談だろー」と私の手首を掴みながら、顔をくしゃくしゃにして藤さんが笑った。ちらりとユウマくんを見ると明らかに不機嫌そうだ。ユウマくんからしてみたらこんなチャラチャラしている藤さんは対極にいる人間というか、もはや言語の通じない意味不明な宇宙人に見えるんだろう……。一瞬で「嫌い」認定している。
「ユウマくん、これ、私ちゃんと飲むから。ありがとう」
「…………」
藤さんに向けた不機嫌な表情を私にも向けて、無言でユウマくんが座敷を出ていった。
あぁ、怒らせちゃったかも。トイレかな……。でも今、席を立って追いかけたら、後で声の大きい藤さんに何を言われるかわからない。こういう場であまり目立つことはしたくない……。
「すげーキレてたなー」
全然気にしていないというヘラヘラした態度の藤さんの肩を思いっきりグーで殴る。「いってぇ!」と言いながら大げさに笑う声にまた座敷中の視線が集まる。
結局、ユウマくんは私のところには戻って来なかった。帰ってきたらすぐに他の人に呼ばれて座敷の奥へ引っ込んでしまったまま、飲み会はお開きになった。頼んだ飲み物もそのままになって「飲まないならもらうぞ」と藤さんが代わりに飲んだ。
ユウマくんの、あんなに機嫌が悪くなった顔を見るのは初めてだ。私が初対面でやらかしたときより怒っていて、あの目で睨まれたとき、怖かった。
(今日、部屋に来なかったらどうしよう……。藤さんだけじゃなく、私にも怒ってた気がする……)
「お前は二次会行かねえの?」
店の前で固まっている集団から離れてユウマくんを探していると、後ろから藤さんに声をかけられた。
「……行かないです。お疲れ様でした」
「あーちょっと待て、帰るなら送っていく」
「え……」
ユウマくんは……、見えない。どこ行ったんだろう。誰よりも背が高いから、いつもだったらすぐ見つけられるのに。帰っちゃったのかな。
「行くぞ」
ふいに藤さんが手首を掴んできた。
「あ、あの、藤さん」
「信号変わりそうだから急げー」
ずるずると引っ張られながら集団から離れていく。ユウマくんのことは結局見つけられなかった。
信号を渡り切っても藤さんの手は離れない。どういうタイミングで解けばいいのかわからなくて、握り返すことはしないでそのまま並んで歩く。
「……藤さんは、二次会行かないんですか」
「行かなーい。卒論やんねえと」
「本当にまだ終わってないんですか。提出期限いつでしたっけ」
「来月の十五日」
「え、あと二週間しかないじゃないですか。時間ないのになんで今日来ちゃったんですか」
「息抜きは大事よー」
「……間に合いそうですか?」
「ダメだったら一年長く居座ってお前と卒業するさ」
「なんですかそれ、嫌ですよ」
思わず拒否してしまう。藤さんは基本的には面倒見がいいし、いい人なんだけど軽薄なところがあるから、言動が、本気か冗談かの区別がつきにくい。
一年の頃、私と同じようなことを言われ続けて、藤さんのことを好きになったサークルの同期がいた。案の定、あっさり振られてサークルを辞めてしまった。よくよく見ていれば男女分け隔てなくそういう物言いをしているから、藤さん本人のキャラクターなんだろうけど、そういうのを目の当たりにしてしまうと、いつか自分も勘違いしそうで一定の距離は起きたくなる。
繁華街から離れて、灯りが街灯だけになった歩道を並んで歩く。
大学と、私の家がだんだん近づいてくる。冬休みに入ったからかいつもより人通りがほとんどない。
「なぁ、さっきの、ユウマくんと付き合ってんの?」
藤さんが思い出したようにポツリとつぶやいた。
「えっ。……いえ、別に……付き合ってないです」
いきなり聞かれたから驚いてしまった。あの数分のやり取りで、そういうふうに見えたんだろうか。
藤さんは「……ふーん」と言ったきり静かになって、私のアパートの前に到着するとようやく手を離した。
「俺、あいつと初対面じゃないよ。何度かこの辺ですれ違ってるし、お前の部屋に入ってくのも見てる」
「え……?」
「まぁ別に、俺はもう卒業するからなんでもいいんだけどさ」
藤さんらしくない含みのある言い方をされて、なんだろうと耳を傾ける。
「お前は、付き合ってもないのに、そういう、どっちつかずなことする奴じゃないって思ってたから、ちょっと残念」
「……え、あの……え……?」
なんのことを言っているのかわからずに聞き返すけど、藤さんは困ったような顔で目尻を下げた。
コートのポケットに入れていたスマホがブルブルと振動している。……電話だ。ユウマくんかもしれない。
「電話鳴ってるぞー。どうせユウマくんが今から来るんだろ?」
ぴく、と目の上が無意識に震える。
「……付き合ってないならそういうの、マジでやめたほうがいいと思うけど」
最後の言葉には、軽蔑が混じっていた気がする。
何か言おうと思ったけど、言い訳に聞こえてしまうのが嫌で口をつぐんだ。
「じゃあな」
藤さんはそう言って、道路を挟んで向かい側にある大学の正門に向かって歩いて行った。
コートのポケットで鳴り続いていたスマホを慌てて出して電話に出る。ユウマくんだ。
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