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第二十章 漏れ出す者
第264話 チュートリアル:遠慮なくやる♂
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後に親友と呼べる程に親愛する男――後須惹句と出会ったのは、不動優星が大学のツーリングサークルでバイクを吹かしていた頃だった。
「いいバイクじゃないか」
「……? あ、ああ」
「少し見ただけでもわかるメンテナンスの行き届き。本当にバイクが好きなんだな」
「ああ……」
「おっと、まだ自己紹介がまだだったな。俺は惹句。後須惹句だ」
「優星。不動優星だ」
メンテナンス中の油まみれの優星の手。それを知ってなお握手を求めてきた金髪の男に、どこかシンパシーを感じた優星は快く握手に応じるのであった。
自慢の赤いバイクで走り出す。
背後を追随するは白を基本色とした青のカラーが入ったバイク。
レインボーブリッジを颯爽と駆ける。
夕焼けが作る人とバイクの影は二つ。それは日が進むにつれ烏丸、青野、そして後の優星の恋人になるアキラの影も加わる。
寒空の下でバイクを転がし、目的地の頂上で朝日を浴びる。
この五人なら何でもできる。
そう思うほど、五人の絆は深くなっていた。
それは世界が一新した後も同様で、五人とも無事に攻略者へと転身。
厳しいトレーニング。危ないダンジョン。切り抜けてきた死線。
それらすべてを共に過ごした仲間だからこそ。
「――キングは一人!! この俺だあああああああああ!!」
「♂♂♂」
――ッドス!! ッドスッドス!!
「」
「惹句うううううううううう!?!?!?」
仲間が倒れる様を見ると、心臓を刺される思いの優星。
緊急招集を受けたサークル・ファイブドラゴン。スタンピードの事の発端を目の当たりにした優星たちは当然の事だと思った。
粒ぞろいの中堅サークルと肩を並べる中、大型サークルのパンサーダンサーの後ろを任された。
モンスターを蹂躙する椿。実のところ、パンサーダンサー各員がスムーズに前線に出られたのは、優星たちファイブドラゴンの果敢な功績が大きい。
今回の招集にはアキラが不在であり、リーダーである優星、惹句、黒鵜、流美の四人で挑んだ。
先の事件――ロシアのバイカル湖に出現したダンジョン『氷結界の里』。ヤマトサークルと結託し轟龍グングニルを相手し苦戦。それからはより一層にトレーニングを積み、経験値を稼いだ結果、優星を筆頭にたった四人で大型サークルに負けないほどにモンスターを蹴散らしていた。
――強くなった自信がある。
だからこそ、大振りのモノで強打され気絶した惹句の姿に、優星は心臓を握り潰されそうになった。
「……惹句」
握りこむ拳。
優星の腕に半透明の機械の腕がうっすらと視認できた時だった。
「この野郎!! インチキちんぽもいい加減にしろ!!」
スキル『黒い旋風』を付与した黒剣を構えて走る黒鵜。狙うは親友の惹句を倒したホモリン。
「まて!! 黒鵜!!」
「うおおおおお!!」
聞く耳を持たない黒鵜。彼の想いは敵討ち一直線。ただただホモリンを駆逐する一筋の黒い烏になる。
「♂」
「はああああああ!!」
――ッザシュ!
「♂――」
横一閃。
いい表情でホモリンは露と消えた。
「帰るぞ、惹句……」
白目を向いて気絶している惹句を背負うとし屈んだ時だった。
「――!? 危ない!!」
優星の悲鳴。
「――え?」
「♂」
――ッドス! バタリ。
「」
「黒鵜おおおおおおおおおおお!?」
烏丸黒鵜。気絶。
惹句と同じく白目を向いているが、心なしか穏やかな表情である。
「あちゃ~目覚めっちゃったかぁ」
親友の一人である流美は現実が受け入れられないのか、一際眩しい笑顔を気絶した二人に送っている。
その様子を隣で見ていた優星は涙を浮かべる。
(流美……心が壊れて……!)
仲間の倒れた姿がこんなに心苦しいものなのかと、心が壊れてしまった仲間の姿がこんなに辛いのかと、しかし涙は流すまいと堪える優星。
「っく!! ホモリンめ! ゆるさない!! 行くぞみんな!!」
――うおおおおおおお!!
優星の号令と共に攻略者たちが一斉に攻撃。混戦。ホモリンとしのぎを削る。
ホモリンの軍団を睨む蟹。実のところ、流美は心が壊れたと言うのは蟹の勝手な解釈である。
(ホモリンって人は襲うけどゴブリンみたいに人を殺さないからなぁ。隙を見て二人を回収すればいいっしょ!)
流美が笑顔を作った時だった。
「流美!! 危ない!!」
「ほぇ?」
「♂」
――ッドス!! バタリ。
「」
「流美いいいいいい!?!?」
青野流美。気絶。
惹句と黒鵜と同じ白目を向いて気絶しているが、心なしか頬が赤く染まっている。
「ぁあ――」
うつ伏せで倒れている惹句。
「あああ゛――」
惹句の背中に倒れている黒鵜。
「あああ゛あ゛あ――」
股間にテントを張り横を向いて倒れている流美。
「うわああああ゛あ゛ぁああああああああ!!!!」
大事な友がやられた。
大事な友がヤられた。
大事な友がヤラレタ。
共に血と汗と涙を流し、励まし合った。
ドラゴンに力の差を分からされ、みんなで強くなると誓いあい実際に実績を残していった。
「――うぐッ! くああぁあああ!!」
涙など流したくない。しかし涙が止まらない。乾いた大地に大粒の水分が注がれる。
「み、みんなぁああああぁあああ!!」
正面切って力及ばずならば納得がいった。また努力すればいい。だがホモに掘られるというこうも理不尽極まりないやられ方は全く納得できない優星。今までの努力は何だったのかと拳を大地に打ち付ける。
ホモリンと攻略者たちの混戦。
その中で跪く優星の後ろに、一つの影。
「♂」
「――」
彼は気配を感じていた。だが避ける事も、反撃に出る事も、助けを求める事も、彼はしなかった。
(もう、いい……)
「♂」
ボロボロの精神状態。すでに戦う気力は優星には無かった。
(惹句。黒鵜。流美。今、そっちに行く……)
「♂」
――ッドス!
とはならなかった。
代わりに。
――ッペン!!
「――え?」
何かを叩いた様な音が優星の耳に響いた。同時に背後のホモリンの気配が無くなる。
――いったい何が起こった。
この場にいる誰もがそう思った。
その答えは。
「いやぁスイマッセーン」
妖精の登場である。
「いいバイクじゃないか」
「……? あ、ああ」
「少し見ただけでもわかるメンテナンスの行き届き。本当にバイクが好きなんだな」
「ああ……」
「おっと、まだ自己紹介がまだだったな。俺は惹句。後須惹句だ」
「優星。不動優星だ」
メンテナンス中の油まみれの優星の手。それを知ってなお握手を求めてきた金髪の男に、どこかシンパシーを感じた優星は快く握手に応じるのであった。
自慢の赤いバイクで走り出す。
背後を追随するは白を基本色とした青のカラーが入ったバイク。
レインボーブリッジを颯爽と駆ける。
夕焼けが作る人とバイクの影は二つ。それは日が進むにつれ烏丸、青野、そして後の優星の恋人になるアキラの影も加わる。
寒空の下でバイクを転がし、目的地の頂上で朝日を浴びる。
この五人なら何でもできる。
そう思うほど、五人の絆は深くなっていた。
それは世界が一新した後も同様で、五人とも無事に攻略者へと転身。
厳しいトレーニング。危ないダンジョン。切り抜けてきた死線。
それらすべてを共に過ごした仲間だからこそ。
「――キングは一人!! この俺だあああああああああ!!」
「♂♂♂」
――ッドス!! ッドスッドス!!
「」
「惹句うううううううううう!?!?!?」
仲間が倒れる様を見ると、心臓を刺される思いの優星。
緊急招集を受けたサークル・ファイブドラゴン。スタンピードの事の発端を目の当たりにした優星たちは当然の事だと思った。
粒ぞろいの中堅サークルと肩を並べる中、大型サークルのパンサーダンサーの後ろを任された。
モンスターを蹂躙する椿。実のところ、パンサーダンサー各員がスムーズに前線に出られたのは、優星たちファイブドラゴンの果敢な功績が大きい。
今回の招集にはアキラが不在であり、リーダーである優星、惹句、黒鵜、流美の四人で挑んだ。
先の事件――ロシアのバイカル湖に出現したダンジョン『氷結界の里』。ヤマトサークルと結託し轟龍グングニルを相手し苦戦。それからはより一層にトレーニングを積み、経験値を稼いだ結果、優星を筆頭にたった四人で大型サークルに負けないほどにモンスターを蹴散らしていた。
――強くなった自信がある。
だからこそ、大振りのモノで強打され気絶した惹句の姿に、優星は心臓を握り潰されそうになった。
「……惹句」
握りこむ拳。
優星の腕に半透明の機械の腕がうっすらと視認できた時だった。
「この野郎!! インチキちんぽもいい加減にしろ!!」
スキル『黒い旋風』を付与した黒剣を構えて走る黒鵜。狙うは親友の惹句を倒したホモリン。
「まて!! 黒鵜!!」
「うおおおおお!!」
聞く耳を持たない黒鵜。彼の想いは敵討ち一直線。ただただホモリンを駆逐する一筋の黒い烏になる。
「♂」
「はああああああ!!」
――ッザシュ!
「♂――」
横一閃。
いい表情でホモリンは露と消えた。
「帰るぞ、惹句……」
白目を向いて気絶している惹句を背負うとし屈んだ時だった。
「――!? 危ない!!」
優星の悲鳴。
「――え?」
「♂」
――ッドス! バタリ。
「」
「黒鵜おおおおおおおおおおお!?」
烏丸黒鵜。気絶。
惹句と同じく白目を向いているが、心なしか穏やかな表情である。
「あちゃ~目覚めっちゃったかぁ」
親友の一人である流美は現実が受け入れられないのか、一際眩しい笑顔を気絶した二人に送っている。
その様子を隣で見ていた優星は涙を浮かべる。
(流美……心が壊れて……!)
仲間の倒れた姿がこんなに心苦しいものなのかと、心が壊れてしまった仲間の姿がこんなに辛いのかと、しかし涙は流すまいと堪える優星。
「っく!! ホモリンめ! ゆるさない!! 行くぞみんな!!」
――うおおおおおおお!!
優星の号令と共に攻略者たちが一斉に攻撃。混戦。ホモリンとしのぎを削る。
ホモリンの軍団を睨む蟹。実のところ、流美は心が壊れたと言うのは蟹の勝手な解釈である。
(ホモリンって人は襲うけどゴブリンみたいに人を殺さないからなぁ。隙を見て二人を回収すればいいっしょ!)
流美が笑顔を作った時だった。
「流美!! 危ない!!」
「ほぇ?」
「♂」
――ッドス!! バタリ。
「」
「流美いいいいいい!?!?」
青野流美。気絶。
惹句と黒鵜と同じ白目を向いて気絶しているが、心なしか頬が赤く染まっている。
「ぁあ――」
うつ伏せで倒れている惹句。
「あああ゛――」
惹句の背中に倒れている黒鵜。
「あああ゛あ゛あ――」
股間にテントを張り横を向いて倒れている流美。
「うわああああ゛あ゛ぁああああああああ!!!!」
大事な友がやられた。
大事な友がヤられた。
大事な友がヤラレタ。
共に血と汗と涙を流し、励まし合った。
ドラゴンに力の差を分からされ、みんなで強くなると誓いあい実際に実績を残していった。
「――うぐッ! くああぁあああ!!」
涙など流したくない。しかし涙が止まらない。乾いた大地に大粒の水分が注がれる。
「み、みんなぁああああぁあああ!!」
正面切って力及ばずならば納得がいった。また努力すればいい。だがホモに掘られるというこうも理不尽極まりないやられ方は全く納得できない優星。今までの努力は何だったのかと拳を大地に打ち付ける。
ホモリンと攻略者たちの混戦。
その中で跪く優星の後ろに、一つの影。
「♂」
「――」
彼は気配を感じていた。だが避ける事も、反撃に出る事も、助けを求める事も、彼はしなかった。
(もう、いい……)
「♂」
ボロボロの精神状態。すでに戦う気力は優星には無かった。
(惹句。黒鵜。流美。今、そっちに行く……)
「♂」
――ッドス!
とはならなかった。
代わりに。
――ッペン!!
「――え?」
何かを叩いた様な音が優星の耳に響いた。同時に背後のホモリンの気配が無くなる。
――いったい何が起こった。
この場にいる誰もがそう思った。
その答えは。
「いやぁスイマッセーン」
妖精の登場である。
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