53 / 92
王城編
52
しおりを挟む
扉が開かれた先…。
左右に招待されたで有ろう爵位を持つ男女が並び首を垂れ、紹介される人物に最大の礼儀を尽くして居る。
カツ…カツ…と靴音だけが広間に響く。
玉座に上る階段前でアレクは片膝を付き首を垂れ宣言を待つ。
「今まで行方が判らなかった私の恋人が、
ウォーリスで息子を生んで居た事が最近発覚し、
本日、目出度くアレクシス・デ・ギルビア第二王子となる事を
ここに宣言い…「異議あり!」」
王の言葉を遮るなど有り得ないのだが、声を発した馬鹿は「それすら抜け落ちて居る」ようだ。
絶対零度の顔つきで異議を唱えた人物を見据え
「ほぉ…異議が有るのならば申してみよ」
断罪は確定して居るが理由を言う機会だけは与えるつもりで声を掛ける。
「では申し上げさせて頂きます。
その者は元を正せば孤児だと伺いました。
そのような身分の者が王族として迎えられるなど有ってはなりません!」
綺麗さっぱり王で有るフレデリックの恋人だった人物が生んだ息子と言う事を忘れ、平民が王族にと言う事だけで拒否するつもりで居たのだが
「陛下の恋人だった方は侯爵家の御息女ですわよ?
いわれなき罪にてウォーリスへ向かったと調べは出来て居ますわ。
アレクが
ライの兄だと言う事すら理解でないのですか?」
ランフォースの兄…と言う事を聞かされて居たにも関わらず難癖をつけライ以外の王子を認めようとしない。
となれば自分が断罪されると、ようやく理解できたのか真っ青になり
「も、も、申し訳…「王で有る私の言葉を遮った時点で断罪は決定しておる、連れて行け」」
「「はっ」」
爵位を持つ多くの参加者が「馬鹿な事をしたな」と言う顔つきで連れて行かれる男性を冷めた目で見ている。
「さて、遮られてしまったが、
アレクシス・デ・ギルビアを我が息子として認定する」
「ありがたきお言葉…」
フレデリックから王族で有ると宣言されたアレクは、立ち上がり教えられた通りの言葉を発する。
「アレクシス・デ・ギルビアに御座います。
王族としては未熟ですが、
ランフォース兄上を騎士として支えられるよう努力いたす所存です」
ライが兄でアレクが弟としたのは、今まで存在に気付かなかったから…と言うのが建前。
エミリアとは王家が婚姻を許してくれなかった。
だからこそエミリアに身を守る為に渡したナイフを成長したアレクが持って居た事に驚き、息子だと発覚したからこそ息子として迎えたいと望み、今回の披露目となったのだ。
「アレク、騎士としての鍛錬を積み、私を支えて欲しい」
「はい、兄上」
集まった全ての者は、難色を示す事なくアレクを快く受け入れてくれた。
そうして民へ顔見世の時間と、相成った
左右に招待されたで有ろう爵位を持つ男女が並び首を垂れ、紹介される人物に最大の礼儀を尽くして居る。
カツ…カツ…と靴音だけが広間に響く。
玉座に上る階段前でアレクは片膝を付き首を垂れ宣言を待つ。
「今まで行方が判らなかった私の恋人が、
ウォーリスで息子を生んで居た事が最近発覚し、
本日、目出度くアレクシス・デ・ギルビア第二王子となる事を
ここに宣言い…「異議あり!」」
王の言葉を遮るなど有り得ないのだが、声を発した馬鹿は「それすら抜け落ちて居る」ようだ。
絶対零度の顔つきで異議を唱えた人物を見据え
「ほぉ…異議が有るのならば申してみよ」
断罪は確定して居るが理由を言う機会だけは与えるつもりで声を掛ける。
「では申し上げさせて頂きます。
その者は元を正せば孤児だと伺いました。
そのような身分の者が王族として迎えられるなど有ってはなりません!」
綺麗さっぱり王で有るフレデリックの恋人だった人物が生んだ息子と言う事を忘れ、平民が王族にと言う事だけで拒否するつもりで居たのだが
「陛下の恋人だった方は侯爵家の御息女ですわよ?
いわれなき罪にてウォーリスへ向かったと調べは出来て居ますわ。
アレクが
ライの兄だと言う事すら理解でないのですか?」
ランフォースの兄…と言う事を聞かされて居たにも関わらず難癖をつけライ以外の王子を認めようとしない。
となれば自分が断罪されると、ようやく理解できたのか真っ青になり
「も、も、申し訳…「王で有る私の言葉を遮った時点で断罪は決定しておる、連れて行け」」
「「はっ」」
爵位を持つ多くの参加者が「馬鹿な事をしたな」と言う顔つきで連れて行かれる男性を冷めた目で見ている。
「さて、遮られてしまったが、
アレクシス・デ・ギルビアを我が息子として認定する」
「ありがたきお言葉…」
フレデリックから王族で有ると宣言されたアレクは、立ち上がり教えられた通りの言葉を発する。
「アレクシス・デ・ギルビアに御座います。
王族としては未熟ですが、
ランフォース兄上を騎士として支えられるよう努力いたす所存です」
ライが兄でアレクが弟としたのは、今まで存在に気付かなかったから…と言うのが建前。
エミリアとは王家が婚姻を許してくれなかった。
だからこそエミリアに身を守る為に渡したナイフを成長したアレクが持って居た事に驚き、息子だと発覚したからこそ息子として迎えたいと望み、今回の披露目となったのだ。
「アレク、騎士としての鍛錬を積み、私を支えて欲しい」
「はい、兄上」
集まった全ての者は、難色を示す事なくアレクを快く受け入れてくれた。
そうして民へ顔見世の時間と、相成った
25
あなたにおすすめの小説
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活
アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。
妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。
貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。
しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。
小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
竜皇女と呼ばれた娘
Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた
ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる
その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ
国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる