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婚約編
62(フレデリックside)
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これは私が王太子として披露目が決まった時の事で有る。
将来、王として国を守り発展させる為の勉強は苦痛で仕方なかった。
そこへ来て父から婚約者を決める舞踏会を開くと告げられ途方にくれた。
姫君は他国には居なかったので除外されたが、公爵から伯爵までの令嬢が集められる事が決定され、政略結婚させられるのだと覚悟を決めなければならないと悟った。
* * * *
当日、着飾るを得なかった私は、舞踏会が始まるまで何処かで時間を潰そうと庭へ出ると、1人の令嬢が小鳥たちに囲まれて居る光景を目にした。
「ふふふ…わたくしを慰めて下さるの?」
ピチピチと鳴く小鳥が2羽3羽と肩に乗り指先に乗ったりして女性を癒して居るようだった。
「君も舞踏会が嫌で逃げ出したのかな?」
ついつい声を掛けてしまい、驚かれてしまった。
「きゃっ?!だ、誰!?」
「驚かせるつもりは無かったんだ、御免…」
シュン…と肩を落とした俺の頭に小鳥が羽を休める為に降りて来た。
「ふふふ」
「・・・こいつめ…私の頭を枝にしおったな?」
指先を頭に持って行くと、移動してキョトン…と首を傾ける小鳥が、嫌な気分だった俺の気持ちを吹き飛ばしてくれた。
「わたくしはエミリア・ブラウンと申します王太子殿下」
私の身分は気づかれて居たのだが、言われた言葉を不快に思わなかった。
「ブラン侯爵のご息女でしたか。
婚約者を決める舞踏会に嫌々、参加させられましてね、
時間つぶしと、どうにかして逃げ出せないかと思案しております」
「まぁ」
そこからは一気に距離が縮まって行き、私は王太子としてではなく、1人の男として
「私と一緒に逃げて下さいませんか?
王子としてではなく、ただのフレデリックとして…
私の妻になって欲しいのです」
そうプロポーズし、舞踏会が行われる王城からエミリアを連れ、別荘へと逃げて行き深く深く愛し合った。
その事が露見する前にブラウン侯爵が不正を働いて居た事が発覚し、爵位を剥奪。
罪を問われ断罪され、エミリアは修道院送りにされてしまう事になった。
だが俺はエミリアと共に逃避行する事を決めて城から抜け出し闇夜をひたすら逃げて行った。
とうとう私とエミリアは捕縛され、エミリアは王子を連れ出した罪で断罪…となる所を私はナリシア嬢と婚姻を結ぶ事で追放に留めて貰う事に成功した。
まさか彼女が私との子を身ごもったまま王都から追放されて居ると気付く事は無かった。
別れ際、王家の紋章が入ったナイフを手渡した。
「これを私だと思って下さい。
私は一生、エミリアだけを想って居る」
「フレデリック…様…」
愛しい・・・と言う顔つきで追放されたエミリア…。
それから間もなくして私とナリシアの婚姻が発表され、彼女がアレクを生んだと言う事を知る事になろうとは、思って居なかった。
アレクが王都に騎士となる為に向かわなければ気付く事など無かっただろう
将来、王として国を守り発展させる為の勉強は苦痛で仕方なかった。
そこへ来て父から婚約者を決める舞踏会を開くと告げられ途方にくれた。
姫君は他国には居なかったので除外されたが、公爵から伯爵までの令嬢が集められる事が決定され、政略結婚させられるのだと覚悟を決めなければならないと悟った。
* * * *
当日、着飾るを得なかった私は、舞踏会が始まるまで何処かで時間を潰そうと庭へ出ると、1人の令嬢が小鳥たちに囲まれて居る光景を目にした。
「ふふふ…わたくしを慰めて下さるの?」
ピチピチと鳴く小鳥が2羽3羽と肩に乗り指先に乗ったりして女性を癒して居るようだった。
「君も舞踏会が嫌で逃げ出したのかな?」
ついつい声を掛けてしまい、驚かれてしまった。
「きゃっ?!だ、誰!?」
「驚かせるつもりは無かったんだ、御免…」
シュン…と肩を落とした俺の頭に小鳥が羽を休める為に降りて来た。
「ふふふ」
「・・・こいつめ…私の頭を枝にしおったな?」
指先を頭に持って行くと、移動してキョトン…と首を傾ける小鳥が、嫌な気分だった俺の気持ちを吹き飛ばしてくれた。
「わたくしはエミリア・ブラウンと申します王太子殿下」
私の身分は気づかれて居たのだが、言われた言葉を不快に思わなかった。
「ブラン侯爵のご息女でしたか。
婚約者を決める舞踏会に嫌々、参加させられましてね、
時間つぶしと、どうにかして逃げ出せないかと思案しております」
「まぁ」
そこからは一気に距離が縮まって行き、私は王太子としてではなく、1人の男として
「私と一緒に逃げて下さいませんか?
王子としてではなく、ただのフレデリックとして…
私の妻になって欲しいのです」
そうプロポーズし、舞踏会が行われる王城からエミリアを連れ、別荘へと逃げて行き深く深く愛し合った。
その事が露見する前にブラウン侯爵が不正を働いて居た事が発覚し、爵位を剥奪。
罪を問われ断罪され、エミリアは修道院送りにされてしまう事になった。
だが俺はエミリアと共に逃避行する事を決めて城から抜け出し闇夜をひたすら逃げて行った。
とうとう私とエミリアは捕縛され、エミリアは王子を連れ出した罪で断罪…となる所を私はナリシア嬢と婚姻を結ぶ事で追放に留めて貰う事に成功した。
まさか彼女が私との子を身ごもったまま王都から追放されて居ると気付く事は無かった。
別れ際、王家の紋章が入ったナイフを手渡した。
「これを私だと思って下さい。
私は一生、エミリアだけを想って居る」
「フレデリック…様…」
愛しい・・・と言う顔つきで追放されたエミリア…。
それから間もなくして私とナリシアの婚姻が発表され、彼女がアレクを生んだと言う事を知る事になろうとは、思って居なかった。
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