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47. 橘さんと話し合い
しおりを挟む「橘さん…少しお時間頂いても良いですか?」
「何?藤堂さんから誘われるなんて珍しいよね」
誘っている訳ではないのですが…。
仕事以外では滅多に人に声をかけない私だから橘さんが驚くのも無理がないか…。
私達は人目の少ない廊下に移動した。
「どうしたの?」
「あ…高科さんと話されていましたよね?何かあったのかなと思いまして…」
どう聞いて良いかが分からないです。
「え…ああ、あれか…。う~ん、まあ藤堂さんなら良いか…。あれは島岡さんの事を聞かれていたんだよ」
「島岡さんの事ですか?」
私ではなかった…けど島岡さんについて何を調べているんでしょうか。
「何でも…」
橘さんが私に近づいてきて内緒話を小さな声でするみたいに話してきた。
「え…昇進で転勤ですか…」
驚いて声をあげてしまう。
「しー!」
橘さんが周りを見回しながら口に人差し指をあてた。
「声が大きいよ。まだ秘密らしいから…。そんな話が出ているから島岡さんの事について教えてほしいと高科さんから聞かれたんだよ」
「…そうだったんですね」
本当に昇進の為?
何だか怪しい気がしますわ。
「どうして気になったの?」
まさか、私の話をしているのではないかと思いまして…とは言えませんよね。
「え…と、珍しい人と長い時間お話しをされていたので何かトラブルでもあったのかな?と思いまして…。トラブルならお手伝い出来ることがあれば手伝わせてもらおうかと思っていたんです」
ん?橘さん…。
橘さんの表情がキラキラした感じに変化しました。
「藤堂さんって…よく気がつくよね。心配してくれてありがとう」
私の手を握りしめています。
私…あまり触られるのは好きではないのですが…。
それにこんな所をあの人に見られでもしたら…。
ブルッ…考えただけで寒気がしますわ。
「あの…手を…」
「やだ!2人で見つめあってる様に見えるわよ」
あ…すでに手遅れでした。
「橘くん誤解されないように早く手を離しなさい」
森本先輩がさりげなく橘さんの手を触っています。
「え…?いや、別に誤解されてもかまいませんけど…」
ん?橘さん?
「社内恋愛禁止でもないですしね」
橘さんが笑顔で怖いことを言っています。
「な、何…。橘くんはこんな垢抜けない女がタイプなの?」
森本先輩…ズバリ言いますね。
「え?森本さん見る目が無いですよ。藤堂さんは凄い綺麗なのを隠しているだけですよ」
「「はあ~?」」
思わず森本先輩と声が被ってしまいましわ。
「ど、どこが?」
橘さんが私の手をグッと自分の方に引き寄せました。
今は少女漫画で見かける様なバックハグ状態です。
な、何をするつもりですか?
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