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48. 爆弾発言はご遠慮下さい

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え…と、なぜこんな事になったのか誰か説明をしてほしいのですが…。

現状は橘さんにバックハグされたまま森本先輩に睨まれています。

これって蛇に睨まれた蛙っていう状態でしょうか。

身動きがとれません。

私はそれなりに武術も嗜んでいるのですが…橘さんって意外に腕力がおありなんですね。

会社の方に怪我をさせるわけにもいきませんのでここは大人しくしていた方が良いと考えました。

「橘くん…どういうつもり?」

ここで森本先輩が口を開きました。

「先輩はいつも藤堂さんにきついですよね?」

あら、気がついていたのですか?

橘さんには見えない様に森本先輩はしていたはずですけど…。

やっぱり細かい所をよく見ていますわ。

「そ、そんなことはないわよ。指導していただけよ」

先輩、分かりやすすぎです。どもっていますよ。

「ふ~ん、指導ですか?他の女子社員にはしていませんよね?」

「そうなんですか?!」

私は驚いて声を出してしまった。

だって知りませんでしたわ。私だけが森本先輩のご指導を受けていたなんて…。他にもいらっしゃると思っていましたのに。

「藤堂さん…知らなかったんだね。君らしいよ…」

私らしい?それってどういう意味でしょうか。

「そ、それは藤堂さんが仕事が出来ないから…」

目線が泳いでしまっていますよ先輩!

「藤堂が仕事が出来ない?まさか!他の事務の女の子より仕事が出来ていますよ」

「……」

先輩が黙ってしまった。

「もしかして僕が先輩の誘いを断ったことが関係しているなら止めてほしいなと思っていたんですよ」

橘さんが先輩の誘いを断った?

なぜそれで私を指導するに繋がるの?

「確かに…あの後藤堂さん達とご飯に行ったりしてますけど…」

え?そんなのは聞いていませんよ。

教えといて下さいよ。

「いつもそうよね…。私が誘っても行けないけど藤堂さんなら行くのよね。どうしてなのかしら?」

私も聞きたいです。

「ん~、理由ですか…。一緒に食事していて楽しいんですよね。他の女性だと気を使うし、店選びも難しいし…面倒というか」

そんな風に思っていたんですね。

ところで橘さん…そろそろ離してくれませんかね。

先輩の目線が痛い…痛すぎます。

でも…先程の橘さんの言い方ですと私は女性として見られていないということになりませんか。

先輩が気にするような理由ではなくて良かったです。

「僕は気を使わないで一緒に居られる女性が理想だったんですよね」

ちょ!ちょっと!橘さん!爆弾発言しないで下さいよ~!





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