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46. 苦手な高科さん
しおりを挟む「橘さん、お疲れ様です」
まずは笑顔で2人に近づいてみた。
「あ…藤堂さん。お疲れ様です…」
何だか気まずい雰囲気になったということは間違いなく私の事が絡んでいそうですわ。
「珍しい組み合わせですね。社長秘書の方と会議だったんですか?」
チラッと高科さんの顔を見るが、相変わらずの何を考えているのかがわからない笑顔をしています。
「え…と、うん。ちょっとね、いろんな事を聞かれていたんだよ」
「そうなんですね…。あっ、そうだ!頼まれていた書類をデスクの上に置いているので目を通してもらえますか?」
「ありがとう。助かったよ」
それはきっといろんな意味での助かったなんでしょうね。
「では、仕事がありますので失礼します」
橘さんは高科さんに挨拶するとすぐに部署に戻って行った。問題はここからですわね…。
「高科さん…もしかして私に関する事を橘さんに聞いていましたか?」
高科さんは笑顔を崩さない。
「どうしてそう思われたのですか?」
「根拠はありませんが、勘です」
でも、ただの勘と思わないで下さいね。私は幼い頃から誘拐などをされていたせいで良くない事に関する勘は凄い当たるのです!自慢にはなりませんが…。
「勘…ですか」
出ましたね、私をバカにしているような高科さんの笑い。高科さんって私に関する事で笑うのよね…何なのかしら。失礼ですよね。
私がムッとした顔をしていると高科さんが笑いを堪えながら「お昼…終わります…よ。クックッ…」
はっ!いけませんわお弁当を抱えたままでした。
「今日は時間がないので問い詰めませんが絶対に聞かせてもらいますからね!」
そう言って私は公園に行く時間が無くなったので自分のデスクに帰ってお弁当を食べることになりました。
せっかくの良いお天気だったのにな…残念です。
デスクに戻ると橘さんが書類をチェックしたらしくメモが私のデスクに貼っていました。
"分かりやすい資料でした、ありがとう。藤堂さんの資料はいつも見やすくて分かりやすいので助かっています"
…これは仕事をやる気になりますね。
橘さんって思っている事をキチンと伝えてくれるから信じられるというか、信頼できるという感じです。ダメな時もここを手直しした方が分かりやすいかも…と的確にアドバイスをくれるんですよね。さすが、森本先輩に狙われるだけありますわ。森本先輩は将来有望な社員に目をつけていますからね。
そうだわ!
橘さんに直接聞けば教えてくれるかも?!
今日の仕事終わりにでも聞いてみましょう。
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